毎日買い物をしていてもお金を触らない日の方が多いほど、キャッシュレスが浸透している昨今。それでも大事なお金のことは知っておきたいものですよね。
小学生からでも知っておきたいお金の話が楽しくわかる人気書籍『ZOOっと役立つ劇場 お金のヒミツ』(宝島社)から、硬貨と紙幣についてのお話をお届けします。
硬貨:10円、100円……、それぞれ模様があるよ
お家にある硬貨を見てみましょう。いろいろな硬貨がありますが、表面には植物が描かれているでしょう。これは、どれも日本になじみのある植物です。10円硬貨の表面には、「平等院鳳凰堂」という建物も描かれています。また、「日本国」という文字も記されていますね。
裏面を見ると、硬貨の単位をあらわす数字が大きく示されていて、その下に、硬貨が作られた年が書いてあります。ただし、5円硬貨のみ、「五円」と書かれているほうが表面で、「日本国」という文字が書かれているほうが裏面です。
今の日本で使われている硬貨は「500円」「100円」「50円」「10円」「5円」「1円」の6種類。私たちがふだん使っている硬貨は、いつからこうやって使われるようになったのでしょうか?
昔は、貝殻や塩などを貨幣として使っていました。しかし、これらを貨幣として使うと不便な点が見えはじめました。貝殻は割れやすく、塩も、雨が降って水にぬれるとそのまま消えてしまうからです。そこで人々は、時間がたっても形が変わらない貨幣を作ろうと考えました。そして金、銀、銅などの金属を使って「硬貨」を作りはじめたのです。
硬貨は金や銀などの金属を溶かし、硬貨の形をした型に流し込んで固めて作られました。そうすることで、みんなが同じ形と大きさの硬貨を使えるようになるのです。
日本で硬貨が作られたのは、683年頃(飛鳥時代)のこと。中国のお金をまねて、「富本銭」という硬貨が作られました。しかし、日本では硬貨を作らずに、中国から輸入した硬貨を使っていた時代も長くありました。
江戸時代になると、徳川家康が貨幣制度を統一し、全国で使うことができる金貨、銀貨を作りました。その後、「寛永通宝」という銅銭も作られ、全国に広がっていきました。
そして、前にも書きましたが、明治時代のはじめ(1871年)に「円」という単位が制定され、その後、今につながる硬貨が作られるようになりました。
穴が開いた硬貨はめずらしい
今の日本で使われている硬貨のなかで、真ん中に穴が開いているものは、5円と50円の2種類のみ。穴が開いている硬貨は、世界的にもめずらしいものです。日本では大正時代にも、材料の節約と偽造防止のために「穴あき貨幣」が作られていました。
紙幣:紙幣はただの紙ではない?
北里柴三郎、津田梅子、渋沢栄一。これらの偉人たちの共通点はなんでしょうか? そう、1,000円、5,000円、1万円貨幣の主人公です。硬貨よりも高額なこの貨幣を「紙幣」といいます。
紙幣は紙で作られたお金という意味です。なぜ硬貨があるのに紙幣を作ったのでしょうか? 昔は、人々は硬貨を貨幣として使っていました。しかし、硬貨が1、2枚だとあまり気になりませんが、百枚、千枚になると重すぎて運ぶのが大変です。そして人々が持っているお金が増えていくにつれ、このお金をすべて硬貨で持ち歩くのはむずかしくなってきました。
そこで人々は、軽くてかんたんに持ち運べるお金を考え出して、紙でお金を作りはじめたのです。硬貨とはちがい、紙でお金を作ることで、いろいろな模様や色が入れやすくなりました。
外国の紙幣を見ると、その国がどういう人物やシンボルを大事にしているか、すぐわかります。たとえばアメリカの紙幣には歴代大統領の肖像が、アフリカにある南アフリカ共和国の紙幣にはアフリカを象徴する象やライオンなどの動物の絵が描かれています。
また紙幣にはとても特別なしかけがあります。だれかが家で紙を使ってにせもののお金を作ってしまったら、私たちの国の経済が混乱する可能性がありますよね。だから、本物と区別できる工夫もかくされているんです。
光に透かしてみると肖像が浮かび上がったり、左右にかたむけると模様が変わったり、コピー機では再現できないとても小さな文字が書かれていたりします。家にある紙幣を一度取り出して見てみましょう。知らなかったいろいろなヒミツが見つかるはずです。
日本の紙幣はコピー用紙とはちがう?
日本の紙幣はコピー用紙のような洋紙ではなく、「みつまた」や「アバカ(マニラ麻)」などの植物から作られているよ。主に和紙などの原料に使われるものと同じものなんだ。紙幣は多くの人々が何度も使うため、ふつうの紙で作るとすぐに破れたり、ボロボロになったりする可能性があるよね。そのため日本では紙幣を作るとき、やわらかくて破れにくく、水に強い素材を使うんだ。紙幣を水にぬらしてしまってもまた使えるのは、この工夫のおかげなんだよ。









