Uber Eats Japanと瀬戸内市による包括連携協定の締結式が6月17日、岡山県・瀬戸内市役所において挙行された。地域活性化の推進に力を入れるUber Eats Japanと、地域の発展及び住民の暮らし向上を目指す瀬戸内市それぞれの想いがマッチングし、今回の連携協定締結に発展した形だ。
本記事では同協定の締結式の詳細をレポートする。
市民生活の安全・安心と魅力向上にそれぞれのリソースを活かして取り組む
2004年に邑久町、牛窓町、長船町の3町が合併して誕生した瀬戸内市は、岡山県南東部の瀬戸内海に面した風光明媚な地に市域が広がる自治体である。豊かな自然と文化に恵まれ、なかでも牛窓の瀬戸内海と多くの島々が織りなす景観は「日本のエーゲ海」として知られる。多くの人々を惹きつける魅力的な観光資源が最大のポイントだ。
旧邑久町に位置する瀬戸内市役所で開催された今回の包括連携協定締結式には、瀬戸内市から黒石健太郎市長、成長戦略部の平井聡部長、同部地域振興推進課の青砥良定課長、Uber Eats Japanからマーチャント開発事業本部長の二之宮裕子本部長、同本部マーチャント開発営業部の山田佳代子部長、アソシエイト・アクイジション・アカウント・エグゼクティブの牛島一英氏が参加した。
今回の協定の目的は、瀬戸内市とUber Eats Japanが地域活性化推進のため相互に連携協力し、それぞれが持つリソースを効果的に活用することで、活力ある地域の創出と地域経済の発展を実現することだという。連携内容については「地域活性化に関すること」「地域の暮らしの安全・安心に関すること」「その他、先端技術に関する情報交換及び活用に関すること」の3点が挙げられた。
協力連携事項の具体的内容はその都度協議して取り決めることとし、協定期間は協定締結日から 1年(両者のいずれからも異議のない場合は更新すること)と紹介された。
市のビジョンに共感し、地域の重要インフラとしてデリバリーサービスで貢献
協定書の概要説明に続き、黒石市長、二之宮本部長により協定書への署名が行われ、その後、黒石市長が挨拶の言葉を述べた。
黒石市長はまず「個人的な話」として、市長になる以前、コロナ禍を機に在宅ワークが増え、昼食にUber Eatsを利用する機会が多くなったというエピソードを披露。コロナ禍明け後もUber Eatsを継続的に利用していたと語った。そのうえで、瀬戸内市では2026年4月からUber Eatsのサービスがスタートし、現時点では市内5店舗程度が加盟している状況を踏まえて次のように話した。
「今後は(観光地として多くの人が訪れる)牛窓地区へのサービス拡大も検討されると聞き、『地元飲食事業者の売上が上がる可能性があること』『Uber Eatsのデリバリーが受け皿となり市内の雇用が増えること』『子育て世代や高齢者の方にとって食事の選択肢が増えること』、そして『市外から飲食店が進出する可能性が増えること』、これらの点をとてもありがたいと思っています。これらは市民が求める住みやすいまちづくりの観点から大きなもので、その点でも今回の連携は非常に大きな意味を持っており、市としてもバックアップしていきます」
続いて、二之宮本部長が「Uber Eatsは26年4月から瀬戸内市でのサービスを開始しましたが、現在は隣接する岡山市エリアの加盟店デリバリーが主軸となっています。今後は市内の魅力的な飲食店や、小売店にも積極的にお声掛けし、瀬戸内市独自の配達ネットワークを拡大していきたいと思っています」と表明。
そのうえで「私たちはデリバリーを決して単なる便利なサービスだけではなく、地域の暮らしを支える社会インフラにしていきたいと考えています。今回、瀬戸内市へのサービス展開を進める中で、子育て世代の流入・定住促進、高齢者への生活支援といった持続可能なまちづくりのビジョンを掲げる市役所の皆様と対話を重ねる機会を得ました。その中で、この温かく先進的なビジョンに深く共感し、Uber Eatsが地域の重要な社会インフラとなってさまざまな地域課題の解決に貢献できると確信し、本協定の締結に至りました」と包括連携協定締結の経緯を語った。
二之宮氏は本協定が瀬戸内市にもたらすメリットとして、地元の飲食店・小売店にとってのオンラインデリバリー対応促進による商機拡大・売り上げ増加、市民にとっては多様なライフステージにおいて食事や生活必需品が玄関先まで届く利便性拡大を提示。加えて、牛窓などの観光地でもUber Eatsが使えるようになれば、インバウンドを含む観光客にとっても夜間の飲食店不足を補う一助となり、滞在型観光地としての魅力向上に寄与できるとの考えを示した。
具体的な取り組みとして、まずは市内の飲食店・小売店の販路拡大を後押しし、市の周知サポートも得ながら、地域経済の活性化にコミットしていくとの決意を述べた。さらには地域住民に対して、高齢者をはじめとする買い物困難者が必要な食事・食品・日用品などに手軽にアクセスできる環境を整備するほか、自身のスケジュールに合わせて柔軟に働ける配達パートナーという新たな働き方を提供し、豊かな生活の後ろ盾になっていくとした。
最後に二之宮氏は「この包括連携協定は決してゴールではなく、まさにスタートです。瀬戸内市との連携をさらに深めてデリバリーを拡大し、安全・安心で活力のある暮らしを末永く支えていけるよう、さまざまな分野で協力していきます」と力強く語った。
市長自身がUber Eatsでランチのオーダーを実演
締結式及び黒石市長、二之宮本部長両氏の会見の後には、黒石市長が実際にUber Eatsでランチをオーダーし、配達されたメニューを受け取って食事するまでのデモンストレーションが行われた。
市長は、日頃からよく訪れるという瀬戸内市内のインド料理店からランチのカレーセットを注文。届けられたナンをカレーにひたして口に運び、「いつも行くお店の味をこうして市役所にいながら食べられるのがうれしい」と笑顔で語った。
今後、市内の至るところでこうした光景が見られるようになり、瀬戸内市の地域活性化が加速することを期待したい。






