レバレジーズは6月11日、同社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」が実施した、障がい者雇用に関する実態調査の結果を発表した。2026年7月に予定されている法定雇用率2.7%への引き上げを前に、すでに2.7%を達成している企業は28.3%にとどまったという。

  • 法定雇用率2.7%引き上げに向けた企業の障がい者雇用実態調査(出所:ワークリア)

    法定雇用率2.7%引き上げに向けた企業の障がい者雇用実態調査(出所:ワークリア)

調査は、従業員数37.5人以上の企業で障がい者雇用実務に関与する担当者555人を対象に実施された。2026年7月からは法定雇用率が2.7%へ引き上げられるとともに、雇用義務の対象が従業員数37.5人以上の企業へ拡大される予定となっている。

  • 2026年7月に適用される「法定雇用率 2.7%」の達成状況(出所:ワークリア)

    2026年7月に適用される「法定雇用率 2.7%」の達成状況(出所:ワークリア)

法定雇用率2.7%の達成状況について、「すでに2.7%を達成している」と答えた企業は28.3%だった。「7月の引き上げまでに2.7%は達成見込みである」は35.9%だった一方、「2.7%の達成見込みは立っておらず、困難である」は18.4%となり、企業間で準備状況に差が出ているとしている。

  • 障がい者雇用担当者における障がい者雇用への関与状況(出所:ワークリア)

    障がい者雇用担当者における障がい者雇用への関与状況(出所:ワークリア)

障がい者雇用に関与する実務担当者の体制では、「障がい者雇用専任」は34.6%にとどまり、65.4%が他業務と並行して対応する「兼務」だった。全業務時間に占める障がい者雇用業務の割合についても、「50%未満」と答えた担当者が63.3%にのぼった。

  • 全業務時間のうち、「障がい者雇用関連業務」が占める時間の割合(出所:ワークリア)

    全業務時間のうち、「障がい者雇用関連業務」が占める時間の割合(出所:ワークリア)

また、障がい者雇用を進める中で「DEI疲れ」を感じることがあるかを尋ねたところ、「非常に感じる」「やや感じる」の合計は66.3%だった。理由としては、「障がい者本人への配慮と、他社員の業務負荷のバランス調整が難しいため」が52.4%で最多。「『数(法定雇用率)』の達成ばかりが優先され、本来の目的が見失われていると感じるため」も52.2%で続いた。

  • 障がい者雇用を進める中で「DEI疲れ」を感じるか(出所:ワークリア)

    障がい者雇用を進める中で「DEI疲れ」を感じるか(出所:ワークリア)

  • 「DEI疲れ」を感じる理由(出所:ワークリア)

    「DEI疲れ」を感じる理由(出所:ワークリア)

障がい種別の受け入れ実態では、「複数の障がい種別を雇用」が46.4%だった一方、「身体障がい者のみ」を雇用している企業も37.5%あった。

  • 現在雇用している障がい者社員の障がい種別(出所:ワークリア)

    現在雇用している障がい者社員の障がい種別(出所:ワークリア)

課題認識を尋ねると、採用面では「身体障がい」が46.1%で最多となり、「精神・発達障がい」の34.2%を約12ポイント上回った。一方、定着面では「精神・発達障がい」が42.2%で最も多く、「身体障がい」の31.9%を約10ポイント上回った。今後の引き上げにあたって最も優先的に採用したい障がい種別は「身体障がい」が48.8%で、約半数を占めたという。

  • 【障がい種別】雇用において課題を感じるもの(出所:ワークリア)

    【障がい種別】雇用において課題を感じるもの(出所:ワークリア)

  • 「最も優先的に採用したい」と考えている障がい種別(出所:ワークリア)

    「最も優先的に採用したい」と考えている障がい種別(出所:ワークリア)

ワークリア事業責任者の津留有希子氏は、今回の調査から、法定雇用率2.7%への引き上げを目前に、達成できる見通しのある企業と、めどが立たない企業の二極化が見られると指摘。担当者が限られたリソースの中で対応を続けている現状を企業全体で把握し、持続可能な推進体制を模索することが重要ではないかとしている。

この調査は2026年4月28日から30日にかけてインターネット調査として実施された。回答者数は555人。

編集部メモ

企業の法定雇用率については、従来より段階的な割合引き上げが続いており、2021年からは2.3%とされていたその割合は2024年に2.5%へ引き上げられ、2026年7月には2.7%に変更される。今回の引き上げによって、従業員数500人以上の企業では必要雇用人数が1人増えるなど、多くの企業が対応を迫られている。