
モーターサイクルとオートモビルの黄金時代である1950年代から1960年代の雰囲気を再現したサーキットイベント「フェスティバル オブ サイドウェイトロフィー」。2012年秋の初開催以来、春と秋の年2回繰り広げられるヒストリックモータースポーツの祭典は今回で14年目を迎えた。
【画像】サーキットに1950~60年代の風景が蘇る!白熱するサイドウェイトロフィーのレースシーン(写真47点)
舞台となる袖ヶ浦フォレストレースウェイには日本各地からの参加者が集結。そのなかでも、今回は定番で行われている2輪車の4クラス2レース、4輪車5クラス4レース、2&4それぞれの走行会に加えて、Austin Healey SpriteとMG Midgetの兄弟車”SPRIDGET”(スプリジェット)のみの”SPRIDGET TROPHY”というレース開催ということから、パドックには普段よりも多くのスプリジェットたちが並んでいる。
この兄弟車は世界的に大ヒットしたスポーツカーとして我が国にも多くのファンが存在する。モータースポーツに熱心な愛好家により、当時ル・マン24時間レースやタルガ フローリオ、セブリング12時間レースなどに出場したワークスマシンも日本に数台が生息している。
今回は1965年のル・マン24時間レースに出場したル・マン スプライトと、1967年のタルガ フローリオに出場し、翌年のニュルブルクリンク1000kmレースでクラス優勝に輝いたTFR 5の2台のワークスカーがエントリーした。その勇姿をサーキットイベントで見られるのは、それぞれの現オーナーが、所有者たる意義を深く理解しているからにほかならない。
さらには、ジャーナリストで名門コンバージョンショップ”スピードウェル”の創始者のひとり、ジョン・スプリンゼルによるセブリング・スプライトと、同じプライベーターとしてジョンとはライバル関係にあったウィルソン スプラッツのWSM スプライトの姿もあった。また、MGディーラーのオーナーでもあり、MGワークスチームのドライバーだったディック・ジェイコブス(1955年、ル・マン24時間レースで重傷を負い引退した後、チーム運営に専念)が、アビンドン製スペシャルクーぺにて様々なレースで勝利をもたらしたことから”ジェイコブス・ミジェット”と呼ばれるモデルのレプリカまで並んでいることからも、この2車種の日本における人気の高さが伺えるだろう。
そして、4輪車の走行会枠”RAC メモリアルラン”では、ロータス mk8、ロータス Mk9が出走。軽量ボディに空力性能を徹底的に追求したマシンだ。美しいだけでなく、その後国際的に活躍するロータスの礎ともいえる2台の競演も、この「フェスティバル オブ サイドウェイトロフィー」の奥深さなのだといえるだろう。
それでは、各クラスの走行と当日の会場の雰囲気をお届けしたい。本部席の隣にはカーイラストの第一人者であり、自身もヒストリック2&4を楽しんだイラストレーター故池田和弘さんの愛車トライアンフTR-3Aとノートン・コマンドが展示され、親交の厚かったメカニックによりRACメモリアルランも走行した。
ホームストレートに沿ったピットエリアには、各クラスに分かれたマシンたちが並ぶ。
まずはモーターサイクルのレース”Vintage TT”(ビンテージ ツーリスト トロフィー)、”Production TT”(プロダクション ツーリスト トロフィー)の2クラス混走レースの予選から始まり、続いて”THOROUGHBRED GRAND PRIX”(サラブレッド グランプリ)そして”GOLDEN ERA TROPHY”(ゴールデン エラ トロフィー)の予選だ。
この日のテーマ”スプリジェット トロフィー”の予選と決勝の間には、走行会の”RACメモリアルラン”があり、さらにはスプリジェットだけのパレードも行われ、この日集まった17台がコースをジャック。
”SEBRING 40m”(セブリング40m)というタイトルの通り、40分の耐久レースは19台がエントリー。スプリントレース出場の車両も、ダブルエントリーして仲間たちと耐久レースを楽しむチームもいるようだ。
続くレースは、葉巻型を中心とした1970年代初期までのフォーミュラカーによる”HISTORIC FORMULA CUP”(ヒストリックフォーミュラ カップ)。
この日、最後のレースはスポーツカーでの”EVERGREEN CUP”(エバーグリーンカップ)と2座スポーツカーによる”GLORIOUS TROPHY”(グロリアス トロフィー)の混走による決勝レースだ。そして和気藹々とお互いの健闘を称える表彰式までを楽しんだ1日であった。
また、昨年の夏にプレ開催されて好評だった真夏の4時間耐久レースは、今年も8月16日、秋のフェスティバル オブ サイドウェイトロフィーは11月29日に開催が決定。ヒストリックカーファン、それぞれがマイペースに楽しめる1日、予定に入れてみてはいかがだろうか。
文・写真:奥村純一 Words and Photography: Junichi OKUMURA