東京商工リサーチは6月10日、2回目となる「中東情勢アンケート調査」の結果を発表した。調査は2026年6月1日~8日、7,614社を対象にインターネットで行われた。
「マイナスの影響」が80.6%、大企業は86.3%に拡大
米国とイスラエルのイラン攻撃による混迷が、世界経済に深刻な影響を及ぼしている。7,614社に事業活動への影響を聞いたところ、最多が「少しマイナス」の44.7%(7,614社中、3,404社)と回答。次いで、「大いにマイナス」が35.9%(2,738社)、「とくに影響はない」の18.4%(1,406社)の順だった。
前回調査で、「大いにマイナス」、「少しマイナス」の合計は78.7%(7,196社中、5,665社)だったが、今回調査は80.6%で、1.9ポイント上昇した。
規模別では、「マイナスの影響がある」の回答は、大企業が86.3%(564社中、487社)で、前回調査の80.9%から5.4ポイント上昇した。中小企業は80.2%(7,050社中、5,655社)で、前回調査の78.5%から1.7ポイント上昇で、大企業の方が深刻度が増している。
製造業などほぼ全産業に影響広がる
産業別に分析した。「マイナスの影響」の回答率で最高は、「製造業」の92.1%(1,783社中、1,643社)だった。次いで、「農・林・漁・鉱業」の90.1%(61社中、55社)、「建設業」の90.0%(1,233社中、1,110社)で、この3産業は90%を超えた。
前回調査で62.5%(256社中、160社)だった「不動産業」は、今回70.2%(292社中、205社)に7.7ポイント上昇。また、「建設業」は前回調査の83.7%(1,117社中、936社)から、今回90.0%に6.3ポイント上昇し、建築資材の高騰や納品遅延などの深刻な影響が広がっている。
一方、「とくに影響がない」との回答は、最多が「情報通信業」の58.3%(437社中、255社)、「金融・保険業」の55.2%(96社中、53社)の順だった。
「原油由来の素材・原材料の高騰によるコスト増」が7割超
中東情勢の悪化が事業活動に「マイナスの影響」の理由を聞いた。5,992社が回答した。最も多かった理由は、「原油由来の素材・材料の高騰によるコスト増」の73.3%(5,992社中、4,397社)で、前回調査の70.4%(5,567社中、3,923社)から2.9ポイント上昇した。また、「原油由来の素材・原材料の調達難」が前回調査は45.5%(2,537社)だったが、今回は59.7%(3,581社)で14.2ポイント上昇した。多くの企業で、ナフサやシンナーなど、原材料の価格高騰や品薄が大きな懸念材料になっていることがわかった。
一方、「ガソリン価格の高騰」は41.3%(2,475社)で、前回調査の64.8%(3,608社)から23.5ポイント低下した。政府のガソリン価格の激変緩和措置がプラスに働いたとみられる。「原油由来の素材・原材料の調達難」は、大企業が64.8%(470社中、305社)で、前回調査から15.9ポイント上昇。一方、中小企業は59.3%(5,522社中、3,276社)で、前回調査から14.0ポイント上昇した。上昇幅はほぼ同水準だったが、大企業が中小企業を5.5ポイント上回った。グローバルな活動や、生産規模が大きい大企業ほど、多様なサプライヤーとの取引に中東情勢が影を落とし、中小企業より資材調達に苦戦している可能性がある。
「すでに見直している」が8.8ポイント増加
どの程度紛争が長引いたら経営戦略を変更するか聞いた。6,974社から回答を得た。前回調査では、「すでに見直している」と回答したのは15.2%(6,602社中、1,010社)だったが、今回調査では24.0%(6,974社中、1,674社)と8.8ポイント上昇した。中東情勢の先行きは不透明な状況が続き、経営戦略を見直す必要に駆られる企業が増えている。







