帝国データバンクは、2026年5月8日、全国の企業を対象とした「2026年4月の国内景気動向調査」の結果を発表した。本調査は2026年4月16日〜30日にかけて、全国2万3,083社(有効回答企業1万538社)を対象にインターネット調査にて実施された。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や調達コストの負担増が、国内景気にどのような影響を及ぼしているかを算出している。
国内景気は2カ月連続の後退。景気DIは41.5に低下
2026年4月の景気DIは前月比1.4ポイント減の41.5となり、2カ月連続で悪化した。国内景気は、原油価格の高騰や調達コストの負担増、価格転嫁の遅れ、個人消費の落ち込みにより大きく後退している。
4月は中東情勢を背景とした燃料・原材料コストの上振れが企業の収益環境を悪化させた。資材不足が顕著な建設業などで厳しく、節約志向の拡大も悪材料となった。一方で、株価が終値で6万円台をつけるなど金融市場は好調で、売り上げや雇用環境は改善傾向を維持している。
今後の見通しは「弱含み」。下振れリスクを抱える状況
今後の景気は、原油高が企業収益や家計負担を下押しし、金利上昇も設備投資の重荷になるとみられる。政府の成長投資や賃上げが家計を支えれば底堅さを保つ見込みだが、急激な円安や株価急落、不安定な国際情勢により下振れする可能性が高い。不確実性のなかで弱含みに推移すると予測されている。
業界別動向:10業界中9業界が悪化。建設や製造が苦境に
仕入れコストの上昇により、全10業界中9業界で景況感が悪化した。
・「建設」(42.4):前月比3.9ポイント減。2カ月連続の悪化。原油由来の資材不足や高騰、燃料費上昇による運搬コスト増が押し下げ要因となった。
・「農・林・水産」(43.0):同1.2ポイント減。5カ月連続の悪化。肥料や燃料費、資材の高騰が経費を圧迫している。
・「サービス」(46.9):同0.9ポイント減。人件費や材料費負担が重く、旅館・ホテルや飲食店が悪化した。
・「製造」(39.8):同0.7ポイント減。2カ月連続で悪化し、7カ月ぶりに30台へ下落。輸送用機械や化学品、機械製造などが軒並み落ち込んだ。
規模別動向:全規模で悪化。小規模企業は3年8カ月ぶりの30台
「大企業」「中小企業」「小規模企業」のすべてが2カ月連続で悪化した。
・「大企業」(45.8):前月比1.5ポイント減。卸売や製造の悪化が重石となった。
・「中小企業」(40.7):同1.4ポイント減。建設や製造で資材の入荷難と価格上昇が直撃した。
・「小規模企業」(39.3):同1.7ポイント減。コロナ禍の2022年8月以来、3年8カ月ぶりに30台に落ち込んだ。
地域別動向:全10地域が悪化。供給不安が全国に波及
2022年2月以来4年2カ月ぶりに、2カ月連続で全10地域が悪化した。
・「中国」(39.3):前月比2.2ポイント減。小売や製造など10業界中6業界が30台となった。
・「南関東」(45.0):同1.3ポイント減。建材の調達難により建設が1年10カ月ぶりに50を下回った。
・「東北」(38.2):同0.4ポイント減。卸売の落ち込みが激しい。
価格転嫁が追いつかない企業の苦悩
仕入単価DIが急上昇する一方で、販売単価DIとのギャップが高まっている。燃料や原油関連商品の供給制約による価格高騰に対し、企業の価格転嫁が追いつかず、コスト負担が増大している状況が浮き彫りとなった。





