花王ビューティリサーチ&クリエーションセンターは6月3日、「花王BRCCカラー・メイク嗜好調査」の20年間のデータ分析結果を発表した。2005年~2019年は東京・大阪の2都市で会場調査、2021年~2025年はインターネット調査で行われた。なお、2020年は実施していない。調査対象は18~59歳。人数は年度によって異なる(262名~934名)。
メイク重視点は「ベースメイク」から「アイメイク」へ
「メイク重視点」とは、メイクを行う際に最も重視しているカテゴリーを尋ねた項目である。「アイシャドウ」「マスカラ」「アイライン」「眉」「チーク」「口紅」「ファンデーション」の7カテゴリーを対象に調査している。
2005年から20年間にわたる若年層における調査データを見ると、調査開始当初はファンデーションが約40%を占め、ベースメイクが最も重視されていた。
しかし、2006年以降は、目もと関連カテゴリー(アイシャドウ・マスカラ・アイライン・眉)が常に5割以上を占める傾向が続いており、その後のメイクにおいては、アイメイクが中心的な役割を担ってきたことがうかがえる。
アイメイク表現の進化
アイメイクのトレンド変遷を振り返ってみると、2005年~2011年の「くっきりアイライン」や「盛りマスカラ」、「締め色強調アイシャドウ」などの囲み目全盛期時代では「面・ライン・色」で肌に描く平面的(2D)なアイメイクの表現が中心だった。
その後、新型コロナウイルスによるマスク生活を経て、顔全体が再び見えるようになったことで、メイクにおいても各パーツの立体感(3D)が意識されるようになった。
その中でも特に目もとにおいては、「まつ毛」や「眉毛」の立体美を生かした「3Dアイメイク」が注目されている。
立体まつ毛でつくる「3Dアイメイク」とは?
「3Dアイメイク」とは、正面だけでなく、横や上下などあらゆる角度から見ても美しく立体的に仕上がるメイクであると、同社は定義している。
鍵となるのは、まつ毛や眉といった「毛」の存在感。まつ毛や眉は、顔の中でも特に顔立ちの印象を左右する「立体的なパーツ」。毛流れや一本一本の質感を活かすことで、色で「面」をつくる2D的アプローチでは得られない、奥行き・陰影・造形の美しさが生まれる。
「まつ毛」「眉」重視度は約7~8年周期で変化
3Dアイメイクを支える主要カテゴリーである、マスカラ(まつ毛メイク)と眉の重視度の過去20年の推移を分析すると、両者の重視度は、およそ7~8年周期で入れ変わっている傾向が見られる。
マスカラ(まつ毛メイク)と眉のメイクトレンド変遷からは、マスカラ(まつ毛メイク)にポイントが置かれる時期には眉の重視度が相対的に下がり、反対に眉がブームとなる時期にはマスカラ(まつ毛メイク)の重視度が低下するなど、目もとの「毛」は、パーツ同士のバランスが重要であることがうかがえる。最新の傾向を見ると、トレンドの軸は「まつ毛→眉→まつ毛」へと変化しており、今後は再びまつ毛の注目が高まる兆しが見て取れる。
「3Dアイメイク」のポイント
調査結果に、メイクアップアーティストの知見と近年のメイク潮流を掛け合わせて分析すると、今後のアイメイクは「描き足して盛る」発想から、「骨格・毛流れ・陰影を整えて立体感をつくる」方向へシフトしていくと考えられる。正面だけで完成させるのではなく、横顔・斜め・伏し目といった"他者から見られる角度"でも印象が崩れにくい、「全方位映え」の仕上がりを目指す考え方である。中でも、一本一本の存在感で奥行きを生む"立体まつ毛"が、その仕上がりを支える重要な要素となっていく。色数を増やすことではなく、まつ毛や眉など「毛」がつくる奥行き(陰影)を活かすことで、今後さらに目もとの表現の幅が広がっていく。





