新年度が始まって1カ月ほど経つ5月は、子どもが「なんとなく元気がない」「朝起きられない」「お腹が痛いと言う」「学校や園に行きたがらない」といった不調を訴えることがあります。

いわゆる五月病や六月病なのか、たださぼりたいだけなのか……。不調の原因は何なのでしょうか。注意したい症状や対策について、医療法人つばさ会高座渋谷つばさクリニック病院の武井智昭先生に伺いました。

――5月になると、子どもの体調不良が増えるのはなぜでしょうか。

4月の新生活による緊張が、GWの連休で一度途切れることが大きな要因です。新しい環境に適応しようと1カ月間張り詰めていた糸が、休みを機に緩み、溜まっていた心身の疲労が一気に表面化しやすくなります。自律神経が乱れることで、腹痛や頭痛、倦怠感といった身体症状として現れることが特徴です。

――子どもでもいわゆる「五月病」や「六月病」はあるのでしょうか。五月病の症状のサインや、親の対応について教えてください。

子どもにも成人と同様にあります。医学的には自律神経失調症・適応障害・抑うつ状態と重なる部分となります。

症状としては、朝起きられない、食欲低下、怒りっぽくなる、これまで楽しんでいた遊びに興味を示さない、勉学に集中できないなどの症状が見られます。

対応としては「頑張れ」と励ますことは逆効果となり、「疲れたね」とまずは共感した上で、ゆっくりと休息をとってよいという安全基地を提供してください。基本的にはお子さんのペースに寄り添って見守ってください。

――「五月病・六月病」や風邪などと症状が似ている部分もありますが、例年5月から熱中症が増えていると聞きます。子どもの熱中症の症状と風邪や五月病と熱中症の症状の違いについて教えてください。

最近では5月においても急な気温上昇となり夏日となる傾向があります。このため体が暑さに慣れていないため自律神経のバランスが崩れ熱中症リスクが急増します。

五月病・六月病が精神的な倦怠感から始まるのに対し、熱中症は高温下での活動に伴って急激に発症するのが特徴です。喉の痛みや咳・鼻汁があればウイルス感染などの風邪の可能性が高いですが、最近は温暖化の影響で5月上旬から熱中症患者が増えています。

――子どもの熱中症が疑われるときの対処法について教えてください。

熱中症が疑われる際は、すぐに涼しい場所へ移動し、衣服を緩めて体温を下げます。首筋や脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通る場所を保冷剤などで冷やすのが効果的です。水分補給は経口補水液など塩分を含まれるものが推奨されます。しかし、自力で水が飲めない、呼びかけへの反応が鈍い、嘔吐が続く、しびれなどの神経症状があるといった場合は、重症化の恐れがあるため、躊躇せず速やかに医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。

――最後に、健康に過ごすため、日常から心がけたいことを教えてください

規則正しい生活リズムの再構築が基本です。特に質の良い睡眠は自律神経を整え、免疫力を高めます。また、本格的な夏を前に、入浴・適度な運動で汗をかく練習(暑熱順化)の開始が熱中症対策にもなります。

朝食をしっかり摂って体内に水分と塩分を蓄えて、日頃からお子さんの身体の症状や精神面への配慮が五月病や不調を早期に発見し、健やかな毎日を守るための何よりの土台となります。

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