小学生死体遺棄事件の報道で、被害者を知る子どもにインタビューすることは適切だったのか――。放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会で、事件報道における“子どもへの取材”をめぐる視聴者意見が取り上げられた。委員からは、事実を明らかにするためのインタビューの必要性を認める声が出る一方、子どものメンタル面を心配する視聴者感情に対し、放送局側がどのような配慮をしているのか説明することの重要性も指摘された。
4月28日に開催された委員会の議事概要が公表され、3月後半から4月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について報告が行われた。
その中で取り上げられたのが、京都府南丹市の小学生死体遺棄事件をめぐる報道。視聴者からは、被害者の小学生を知る子どもにインタビューしていたことに対し、「本人や保護者の許可を得たとしても、子どものメンタル面に配慮して取材は控えるべきだ」との意見が寄せられた。
これに対し、担当委員は、事件の事実を明らかにするためのインタビューについて「大人に対してであれ子どもに対してであれ必要だと思う」と述べ、報道取材そのものの必要性に理解を示した。
一方で、「小さな子どもにインタビューしてよいのか」という視聴者の感情的な反応があることにも触れ、そうした受け止めに配慮した説明が、放送局側から示されてもよいのではないかと指摘した。
別の委員も、この事件では容疑者が特定されるまで報道自体が抑制的だった印象があるとした上で、放送局側が「きちんと配慮している」のであれば、その点をしっかりアピールすべきだと強調。報道現場での配慮を、視聴者にどう伝えるかという課題が浮き彫りになった。
このほか、同委員会では、戦闘シーンのあるヒーローものの特撮ドラマについても視聴者意見が報告されたが、大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはなかった。
