LIFULLは4月24日、首都圏の新築一戸建てにおける専有敷地面積60m2未満の「狭小戸建」に関する調査結果を発表した。集計期間は2020年~2025年(一部は2026年2月まで)、同社が運営する「LIFULL HOME'S」に掲載された東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の分譲新築一戸建てを対象に集計した。

首都圏の「新築狭小戸建」掲載数は増加傾向

首都圏における新築狭小戸建の掲載戸数を調査したところ、2020年が1,011戸だったのに対し、2025年は2,815戸となり、2.8倍に増加している。また、新築一戸建てにおける新築狭小戸建の掲載割合も、2020年の1.2%から2025年の2.5%になっていることも分かった。

狭小戸建の数や割合は、市場全体の供給件数に対してまだ僅かだが、建築コストや地価上昇などによる住宅価格高騰を背景に、少しずつ需要が高まっていると考えられる。

  • 【首都圏】新築狭小戸建の掲載戸数

    【首都圏】新築狭小戸建の掲載戸数

  • 【首都圏】新築戸建における狭小戸建シェア

    【首都圏】新築戸建における狭小戸建シェア

東京23区の狭小戸建の価格は安定推移

LIFULL HOME'S総研の中山登志朗氏は次のように解説している。

新築狭小戸建(狭小三階建て)は、市街地でのアクセスの良さと生活利便性を考慮し、やや狭くても敷地を有効活用=三階建てにすることによって延床面積を増やし居住快適性を高めた住宅である。東京23区で敷地面積が100m2前後の一般的な戸建住宅は年々価格が上昇する傾向にあり、2026年の初動では平均で1億円を突破する状況だが、同じ新築でも狭小戸建は約半額の5,157万円となっていて、住宅価格が高騰を続ける現在にあって価格優位性が極めて高いと言える。

  • 【東京23区】新築狭小戸建の掲載価格(万円/平均)

    【東京23区】新築狭小戸建の掲載価格(万円/平均)

ただし、戸建住宅の購入を希望する世帯は、その多くが子育て世帯でもあり、独立した子供部屋や近隣に気兼ねなく子育てできるような庭や周辺環境、また家族で移動するための駐車スペースなどを必要とするケースが増えているため、ユーティリティスペースも含めて「広さ」を求めることが多く、狭小戸建の供給シェアは依然として2%超の水準に留まっている。

一方、狭小戸建を求めるユーザー層は、都心周辺や駅近など生活利便性と交通利便性が高いレベルで整っているエリアで、予算内・低コストでマイホームを購入することを優先している。本来であれば2つの利便性が高いエリアであるほど住宅価格も高くなるが、狭小戸建は立地条件を大きく譲ることなく、比較的安価に住宅を購入できるのが最大のメリットだ。

また、狭小戸建は圧倒的多数が3階建て(平均2.8階)であり、延床面積は一般的な戸建が104.75m2であるのに対して、狭小戸建は94.39m2と10m2ほどしか変わらない。もちろん階段など生活動線のスペースは必要だが、階段下を可動棚や引き出しなどで収納に活用する、在宅時のワークスペースにするなど、工夫次第で実質的な居住空間を広げることができるため、狭小戸建は決して狭小ではない。生活と交通利便性を確保しつつ居住快適性も追求できる狭小戸建は、敷地面積がやや狭いことで固定資産税など税金面でも効率が良く、空間を有効活用できるという点でも優れた居住スタイルといえる。