テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、22日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第11話「本圀寺(ほんこくじ)の変」の視聴分析をまとめた。

  • 『豊臣兄弟!』第11話より (C)NHK

    『豊臣兄弟!』第11話より (C)NHK

「皆の者! うろたえるな!」

最も注目されたのは20時27分で、注目度74.7%。三好三人衆と斎藤龍興(濱田龍臣)が、本圀寺の足利義昭(尾上右近)を襲撃するシーンだ。

1569(永禄12)年の正月、本圀寺に滞在している蜂須賀正勝(高橋努)が用を足していると、突然鳥が飛び立ち轟音が響いた。三好三人衆による襲撃である。そしてそこには元美濃国主・斎藤龍興の姿もあった。彼らの狙いは十五代将軍・足利義昭の命だ。奉公衆の多くが国元に戻り、松永久秀(竹中直人)も岐阜に帰った隙を狙ったのである。

「門を閉めろ! おのおの持ち場につけ!」明智光秀(要潤)の指揮のもと、明智勢が防衛態勢に入った。「明智殿、ここはわしらが! 明智殿は公方様を奥へ」小一郎(仲野太賀)が正勝、前野長康(渋谷謙人)とともに助力を申し出る。しかし光秀はその申し出を断り、鉄砲隊、弓矢隊に迎撃の指示を出し、三好勢の出鼻をくじいた。「こういう時のために兵を調練しておいた」と光秀は冷静だ。

「公方様を頼む」光秀が小一郎に義昭の護衛を依頼すると、小一郎は「分かりました。正勝殿、長康殿、明智殿をお助けするのじゃ!」と正勝と長康にそう言い残すと、奥の間にいる義昭の元へ向かった。やがて塀を乗り越えてきた三好勢と明智勢の兵の激しい戦闘が始まる。

奥の間では「ご無礼を。奥に隠し蔵がござりまする。ひとまず、そちらにお移りになるようにと」と、小一郎が義昭を隠し蔵へと誘導しようとした。その間にも境内での戦闘は激しさを増していた。正勝や長康も奮戦しているが、徐々に三好勢に押されている。

その時、「皆の者! うろたえるな!」と義昭の声が境内に響き渡った。「わしはそなたらと共におる! 逃げも隠れもせぬ! 今少しだけ持ちこたえよ。さすれば必ずや味方が駆けつけよう! それまで共に戦うのじゃ!」義昭は懐から扇を取り出し兵たちを鼓舞した。将軍自らが前線に姿を見せたことで、正勝や長康をはじめ、明智勢の士気は一気に高まる。小一郎も槍と刀を両手に持ち、一心不乱に応戦を続けた。

  • 『豊臣兄弟!』第11話の毎分注視データ推移

    『豊臣兄弟!』第11話の毎分注視データ推移

漢気をみせた義昭の人気が急上昇

このシーンは、本圀寺の変という将軍の大ピンチに、視聴者の視線が「クギづけ」になったと考えられる。

畿内の支配に執念を燃やす三好三人衆。彼らは堺の会合衆・津田宗及(マギー)と通じており、織田方へ納められるはずだった鉄砲300丁はそのまま三好方へ流れた。さらに義昭の護衛が少なくなった正月を狙って襲撃を開始。竹中半兵衛(菅田将暉)はこの襲撃によって義昭は討たれると予測する。さらに三好方には復讐に燃える斎藤龍興も合流しており、小一郎たちは追い詰められた。総崩れになりそうになった小一郎たちだが、義昭のゲキで士気を高める。

身の安全ではなく、兵と戦うことを優先した義昭の姿には小一郎も心を動かされたようだ。SNSでは、「あえて隠れずに士気を上げるために出てくるなんて、将軍の器は十分だな」「奥に引っ込むと思っていたから意外だったな」「ただのボンボンじゃないんだな。これからの活躍にも期待できるかも」と、漢気をみせた義昭の人気が急上昇している。

会合衆の拠点である堺は、当時日本有数の国際貿易都市として繁栄していた。南蛮貿易の拠点として中国やポルトガルなどとの交易が行われ、鉄砲や絹織物、香料などの輸入で莫大な富を蓄えた。自治都市として町衆による合議制の政治が行われていた点も特徴だ。堺は単なる商業都市ではなく、武装した町衆による防衛体制を持つ半ば都市国家のような存在だった。町の周囲には堀や土塁が築かれ、外敵に対して自衛する体制が整えられていた。ポルトガル人の宣教師ガスパルヴィレラは、堺を東洋のベニスとして海外に紹介している。

また今回、会合衆の一員として人気お笑いコンビのタイムマシーン3号の2人が登場したことも話題になっている。信長(小栗旬)の要求に「そんな理不尽なこと、のめるわけないやろ!」と真っ先に拒否感を示した能登屋を山本浩司が、藤吉郎(池松壮亮)のもとへ「鉄砲を売ることはでけへんようになってしもうた」と報告に来た橘屋又三郎を関太が演じた。昨年の「べらぼう」でも多くのお笑い芸人がゲストとして登場したが、今年もサプライズ出演には期待できそうだ。