GNヒアリングジャパンは、若手社員300名(20-35歳)とベテラン社員300名(60-75歳)を対象に行った「職場における世代間の会話実態調査」の結果を2026年3月12日に発表した。本調査は、2026年1月19日〜20日の期間、インターネット調査にて実施されたもの。

若手社員の約6割が「ベテラン社員と話したい」と回答

  • 上司・先輩との会話意向 仕事の進め方

    上司・先輩との会話意向 仕事の進め方

職場の60歳以降の上司・先輩との会話意向について聞いたところ、仕事の進め方・考え方に関して「もっと話したい」は20.7%になった。「機会があれば話したい」は38%となり、合計58.7%がベテラン社員との会話に前向きであることがわかった。

  • 上司・先輩との会話意向 経験や失敗談

    上司・先輩との会話意向 経験や失敗談

また、これまでの経験・失敗談についても計56.7%が話したいと回答しており、若手社員はベテランの経験やスキルを学びたい意向を持っている。

若手はテンポ、ベテランは声量。物理的なすれ違いが判明

  • 上司・先輩との会話聞き取りテンポで気になること

    上司・先輩との会話聞き取りテンポで気になること

若手社員が上司・先輩と話す際に感じるきこえの理由は、「会話のテンポが合わない」が15%で最多となった。次いで「はっきりとした話し方にしたほうがいいと思う時がある」は13.7%、「聞き返されることがある」は13%と続いている。

  • 若手との会話聞き取りで気になること

    若手との会話聞き取りで気になること

一方、ベテラン社員が気になる点は、「声が小さくて聞き取りにくい」が26.3%で最も多く、「会話のテンポが速い」が10%、「話すスピードが速い」が9.3%となった。会話のズレは価値観の違いだけでなく、物理的な要因も阻害因子となっている。

ベテラン社員の約54%が聞き返さず「分かったふり」を経験

  • 若手社員との会話で聞き取れなかったこと

    若手社員との会話で聞き取れなかったこと

  • 若手社員との会話を「わかったふりした」ことがあるか

    若手社員との会話を「わかったふりした」ことがあるか

若手社員との会話で言葉がうまく聞き取れなかった経験があるベテラン社員のうち、聞き返さずに「分かったふり」をした経験がある人は53.7%になった。

  • 「わかったふり」をした理由

    「わかったふり」をした理由

その理由として最も多いのは「会話の内容から、何となく分かった気がしたから」で45.9%となった。次いで「聞き返すのは相手に申し訳ないと感じたから」は29.8%となった。相手への配慮や会話の流れを止めないために、曖昧なまま進めてしまう心理が浮き彫りになった。

きこえの改善によるコミュニケーション促進への期待

  • 若者との会話が聞き取りやすくなったら

    若者との会話が聞き取りやすくなったら

若手との会話が聞き取りやすくなった場合に期待することとして、「より職場の人に声をかけてコミュニケーションを取れる」は35.7%になった。また、「職場での関係が良くなる」は33.3%、「若い考え方に触れられる」は30%と続いている。

70歳までの就業確保措置を実施している企業が34.8%に達する中、きこえの改善はベテラン社員がノウハウを発揮し、いきいきと働き続けるための前提条件といえる。

専門家による解説

上智大学の荒井隆行先生によると、加齢性難聴では高い周波数が聞こえにくくなり、「7時(しちじ)」と「1時(いちじ)」を聞き誤るなどの症状が出る。円滑な対話には、若手側はゆっくり、大きな声ではっきりと話すことを心がけ、ベテラン側は相手の口元を見ることや静かな場所を選ぶ、補聴器を活用するなどのアプローチが有効である。互いをリスペクトし、声やきこえに配慮することが社会に求められている。