長時間のデスクワークや立ち仕事、重い荷物を持った後など、日常生活の中には腰に負担がかかる場面が数多くあります。一方で、「特に思い当たるきっかけがないのに腰が痛む」「病院を受診したものの、はっきりした原因が分からなかった」という経験がある人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、20~60歳の男女300名を対象に、腰痛に関するアンケート調査を実施。その結果をもとに、腰痛が起こる背景や、日常生活で意識したいポイントについて医師に話を聞きました。

  • 【イメージ画像】腰痛で苦しむパジャマ姿の男性

    ※画像はイメージです

約半数が「現在も腰痛に悩んでいる」と回答

まず、「これまでに腰痛を感じたことはありますか?」と聞いたところ、「ある(現在も悩んでいる)」と回答した人が49.2%と、全体の約半数を占めました。

  • 【グラフ】Q1.これまでに 腰痛を感じたことはありますか?

そのほか、「ない(今はほとんどない)」が33.2%、「ない」が17.6%という結果に。 多くの人が過去の一時的な不調ではなく、現在も腰の痛みを抱えていることがうかがえます。

腰痛は一時的なものではなく、繰り返し続く人が多数

続いて、腰痛の状態について尋ねたところ、「良くなったり悪くなったりを繰り返す」と答えた人が37.5%で最多となりました。

  • 【グラフ】Q2. 腰痛の状態として、最も近いものはありますか?

次いで、「特定の時だけ痛む」(31.5%)、「慢性的に続いている」(24.2%)が続き、 「一度きりだった」という回答は6.9%にとどまっています。

この結果から、腰痛は明確に完治するものではなく、長期間付き合っている人が多い症状であることが分かります。

腰痛のきっかけが分からないという人も

「腰痛を感じやすい、または感じたことがあるのはどんな時か」を聞いたところ、最も多かったのは「長時間同じ姿勢を続けた時」(56.5%)でした。

  • 【グラフ】Q3. 腰痛を感じやすい(感じたことがある)のはどんな時ですか?

次いで、「重い物を持った時」(44.0%)、「起床時・就寝前」(32.7%)と、体に負荷がかかりやすい場面が上位を占めています。

一方で、「特に思い当たるきっかけはない」と回答した人も12.5%いました。 こうした結果から、腰痛の原因には、動作や姿勢だけでは説明しきれないケースがあることも見えてきました。

「特に思い当たるきっかけがない腰痛」医師はどう見る?

アンケート結果からは、腰痛を経験したことがある人が多いだけでなく、「良くなったり悪くなったりを繰り返している」「特に思い当たるきっかけがない」といった声も一定数見られました。

実際、医療機関で検査を受けても、「はっきりとした異常が見つからない」と言われるケースは少なくありません。こうした“原因が分からない腰痛”とは、どのように付き合っていけばよいのでしょうか。

そこでここからは、腰痛が起こるメカニズムや、検査で異常が見られない場合に考えられる背景について、医師に話を聞きました。

佐藤 章子(さとう あきこ)医師

日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 リウマチ認定医/日本リウマチ学会 リマウチ臨床研修指導医

――まず、一般的に腰痛の原因にはどのようなものがありますか。

佐藤医師:腰痛の原因として多いのは、重い物を持ち上げる動作や、長時間の不良な姿勢など、腰に負担がかかる生活習慣です。また、腰椎に関わる疾患が原因となるケースも少なくありません。

具体的には、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、腰椎症、腰椎分離症、骨粗しょう症による圧迫骨折、シュモール結節などが挙げられます。こうした骨や神経の異常が、腰の痛みとして現れることがあります。

――一方で、検査をしても異常が見つからない腰痛もあります。そのような腰痛は、医学的にどのように捉えられているのでしょうか。

佐藤医師:整形外科的な検査でははっきりとした原因が分からない場合でも、腰痛が起こることは珍しくありません。例えば、膠原病類縁疾患によって腰痛が生じるケースも知られています。

また、身体的な異常が明確でない場合には、「心因性腰痛」と呼ばれる状態が背景にあると考えられています。

――今回のアンケートでは、「良くなったり悪くなったりを繰り返す腰痛」に悩む人が多い結果となりました。このような腰痛には、どのような特徴がありますか。

佐藤医師:良くなったり悪くなったりを繰り返す腰痛は、日常生活に支障をきたしやすい点が特徴です。強い痛みというより、鈍痛として続くことも多く、完全に治ったと感じにくいケースもあります。

――原因がはっきりしない腰痛と付き合っていくうえで、日常生活で意識できることや、受診の目安があれば教えてください。

佐藤医師:日常生活では、まず姿勢に気を付けることが大切です。また、無理をせず、痛みを我慢しすぎないことも重要です。

痛みが強くなったり、再発を繰り返したりする場合は、自己判断で済ませず、医療機関を受診してください。医師の指示に従い、適切な対応をとることが腰痛と向き合ううえで欠かせません。

腰痛は身近な不調だからこそ、対処をつい後回しにしてしまいがちです。しかし、原因がはっきりしない痛みであっても、体からの大切なサインであることに変わりはありません。無理をせず、必要に応じて医療機関の力を借りながら、腰痛と向き合っていきましょう。

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