
3月12日(木)の放送では「NewsPicks Studios」取締役・エグゼクティブプロデューサーの木嵜綾奈(きざき・あやな)さんをお迎えしてお届けしました。
(左から)DJの福田淳(部長)、NewsPicks Studios取締役 木嵜綾奈さん、明石ガクト(副部長)
◆「偶然」の積み重ねで番組制作の世界に
今回、部室に招いたのは、NewsPicks Studioの取締役であり、数々のヒット番組を仕掛ける番組プロデューサーの木嵜綾奈(アヤーナ)さんです。
副部長(明石ガクト)と木嵜さんは同い年で、実は「カラオケサークル」仲間というフランクな間柄。一方、部長(福田淳)はSTARTO ENTERTAINMENT設立時の独占インタビューをNewsPicksで受けた際、彼女が仕切る現場の「ピリピリとしたスタジオの空気感」に圧倒されたと振り返ります。
そんな彼女がメディアの世界に足を踏み入れたきっかけは、驚くほど「偶然」に満ちたものでした。新卒で入社した東芝EMI(現ユニバーサルミュージック)で嵐やKAT-TUN、ノラ・ジョーンズを担当した彼女は、結婚を機に25歳で退社し渡米。ロサンゼルスでの生活を経て辿り着いたニューヨークが、彼女の運命を大きく変えることになります。
カフェでのバイトや、ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣装で知られるパトリシア・フィールドのもとでの仕事。そんな「フラフラ」とした生活のなかで、早稲田大学の同窓会(ニューヨーク稲門会)を通じてテレビ東京アメリカの社長と出会い、未経験のまま番組制作の世界へ飛び込みます。
「“君、うちに来ない?”ってスカウトされて。台本なんて書いたことがないのに、いきなり新聞を10冊渡されて“面白い記事を3つ選んで、今日の生配信の台本を書いて”って」と、そこから木嵜さんの制作人生が始まりました。この「ストリートで偶然出会い、ノリで決まる」というスピード感こそが、彼女の番組作りの原点となっているのです。
かつてのNewsPicksは、テキスト記事と有識者のコメントが中心のメディアでした。しかし、2018年にスタジオが設立され、木嵜さんが動画制作の初期メンバーとして加わってから、その色は大きく変わり始めます。
最近のNewsPicksのヒットコンテンツといえば、宇多田ヒカル×ユヴァル・ノア・ハラリ(歴史学者)の対談や、α世代に絶大な人気を誇る動画クリエイターのしなこの出演、そしていま、爆発的なヒットを記録している岸谷蘭丸と高校生クリエイターのMON7Aによる番組「newzZnew」。一見、硬派な経済メディアとは距離があるように思えるキャスティングですが、部長(福田)は「とらわれていないアップデート感がある」と絶賛します。
(左から)DJの福田淳(部長)、NewsPicks Studios取締役 木嵜綾奈さん、明石ガクト(副部長)
◆徹底した「ミーハー心」と「現場感覚」
では、「newzZnew」の企画はどこから生まれたのでしょうか。なんと木嵜さんの「バーの1日店長」というプライベートな場での出会いから生まれました。元々付き合いのある岸谷蘭丸さんと一緒に1日店長を務めたバーに、MON7Aさんが偶然現れ、周囲の熱狂を目の当たりにしたことで、「これは何かが起きている」と確信したといいます。「(MON7Aさんが)喋れるか分からないけれど、ノリで1本撮ってみたら、結構いろいろなカルチャーに詳しいし、高校生なりの分析がすごかったんですよ。面白いじゃんと思っていたら1本目から結構バズって」と木嵜さん。
自分たちの世代にはなかなか理解できないZ世代のミーム。それを「分からない」で片付けず、なぜ流行っているのかを徹底的に分析する。単なる流行の紹介に終わらせず、その裏側にある「プロデュース術」や「マネタイズの仕組み」を紐解く。この木嵜さんならではの「カルチャー×経済」の視点が、今の視聴者が求めるものに合致しているのかもしれません。
話の流れで、部長(福田)はメディア活性化のヒントとして「交際費の復活」を提唱しました。「昔の番組企画はストリートからきていた。会議室にこもっていても面白い企画は生まれない。街に出て、そこで出会う多様な人たちとの会話にこそヒントがある。ヒントは街にある」とインプットの大切さを説くと、木嵜さんも「街でフラフラしているからいい」と大きく同意します。
プロデューサーとして、ビジネスのコアな話題から、ストリートのゴシップまでを同じように面白がる木嵜さんが、最も大切にしているインプット源は10歳の息子さんとの会話です。1年以上前、息子さんから「謎のAIミームが流行っている」と教えられたときは、正直ピンとこなかったといいます。しかし、のちにそれがTikTokやSNSを席巻する大きなうねりになるのを目の当たりにして、「若い世代の感覚に耳を傾けること」が、ビジネスの未来を予測する鍵であることを確信したといいます。
最後に副部長(明石)から「番組のアップデートの秘訣」について問われると「学びがないとビジネス動画じゃないと思っています。単に流行っているものを追うのではなく、“なぜこれが流行っているのか”という分析があるのが重要。カルチャーとトレンドをどうやって作っているのかっていう。しなこさんも同じじゃないですか。プロデューサーとして何を考えてお金を生んでいるかっていうのが大事だと思います」。
徹底した「ミーハー心」と「現場感覚」で、流行りの現象の裏側にある「戦略」を可視化してみせる木嵜さん。NewsPicksの躍進を支えているのは、木嵜綾奈さんという「未確認人物」が持つ、軽やかさにあるのかもしれません。
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2026年3月14日(土)15日(日)に開催される、国内初の最大級ポッドキャストイベント「JAPAN PODCAST FESTIVAL 2026」に、インターエフエムから参加する「UMP〜未確認⼈物倶楽部〜」(3月15日(日))に、村上信五さんと中川安奈さんがゲスト出演することが決定しました。詳しくは公式サイトをご確認ください。
<番組概要>
番組名:UMP〜未確認⼈物倶楽部〜
放送日時:毎週木曜 22:30~23:00
DJ:明石ガクト、福田淳
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/ump