テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、1日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第8話「墨俣一夜城」の視聴分析をまとめた。

  • (左から)白石聖、仲野太賀=『豊臣兄弟!』第8話より (C)NHK

    (左から)白石聖、仲野太賀=『豊臣兄弟!』第8話より (C)NHK

「危ない! 逃げて!」

最も注目されたのは20時36~38分で、注目度78.7%。直(白石聖)が村同士の争いに巻き込まれ命を落とすシーンだ。

直と弥助(上川周作)は中村を後にして小牧へ向かっていた。「落とさないでくださいよ。大事な花嫁衣装なんじゃから」父・坂井喜左衛門(大倉孝二)と和解し、白無垢を贈られた直は上機嫌だ。風車を片手に笑顔で歩く。「ああ、分かっとるわ」大荷物を背負った弥助は息を切らしながら懸命に直の後を追う。

その時、直が突然歩みを止めた。視線の先には1人の農夫が倒れている。「どうしました!?」慌てて駆け寄り体を支えて声をかけるが反応はない。添えた手には違和感があった。見るとその手は鮮血で紅く染まっている。恐る恐る顔を上げあたりを見回すと、大勢の農民が農具を手に争いを繰り広げていた。「いかん! 逃げましょう!」弥助が直に呼びかける。しかしその瞬間、1人の子どもが足を取られて転んでしまう。「危ない! 逃げて!」直は我が身を省みず、子どものもとへ駆け寄った。

  • 『豊臣兄弟!』第8話の毎分注視データ推移

    『豊臣兄弟!』第8話の毎分注視データ推移

「自分より他人の命を優先するなんて…」

このシーンは、直に降りかかる突然の悲劇に視聴者が注目したと考えられる。

小一郎(仲野太賀)との結婚を前に故郷の中村へ帰ってきた直。一時は喜左衛門にだまされ蔵へ閉じ込められるが、幼いころの喜左衛門との思い出が記憶に蘇る。直は喜左衛門に本音をぶつけ和解すると、足取り軽く小牧へ出立したが、その道中で思わぬ事態に巻き込まれた。玄太(高尾悠希)が言っていたように、水を取り合う村同士の争いの中、目の前で幼い命が失われようとした瞬間、直は飛び出す。それはかつて身を挺して直を守った喜左衛門と同じ姿だった。

SNSでは「自分より他人の命を優先するなんて、小一郎と直は似ているな」「見知らぬ子供を助けるために飛び込むなんて、すごいな」「とっさに体が動いたんだね。血は争えないな…」と勇気ある直の行動にコメントが集まった。

戦国時代の水不足は単なる生活の不便ではなく、村落の存亡・農業生産・軍事行動・領国経営に直結する重大な問題だった。日本は降水量こそ多いものの、河川が短く急勾配で、洪水と渇水の両方に悩まされる地形的特徴を持っていたため、水の確保は常に重大な課題だった。稲作には大量の水が必要で、渇水はそのまま領国の収穫量を低下させ、大名の財政悪化につながったのだ。

また、戦国時代はちょうど約1300年頃~1850年頃まで続いた小氷期にあたる。世界中の平均気温が現在より約1℃未満低下した弱い寒冷期であり、地球規模の氷河期ではなく地域ごとに時期がずれて寒冷化が進行した。日本では冷夏、長雨、干ばつ、洪水などが頻発し農業は大打撃を受けた。