――演じる上で「軸」となった部分はどこでしたか?

亀梨:林冲としては、やはり愛する者を失った悲しみや想いですね。強い男でありながら、内側には人としての柔らかさや弱さを抱えている。そこを全話通してのキーとして大切に演じました。「誰かのために」という思いがあったからこそ、林冲として立っていられたのだと思います。

反町:目的は一緒でも、志の方向が少し違う。僕の場合はやはり宋江という存在がメインでしたね。あとは、晁蓋という男にどうして人間がついてくるのか、という「人望」の部分を大切にしました。それと劇中で描かれる「塩」の大切さですね。当時は塩が何より大切で、命を懸けて奪い合うものだった。その重みが身に染みて分かったというか。

織田:かつて日本でも専売公社が管理していた時期があったくらい、塩は重要なものでしたからね。反町くんは役を通じて、現代では当たり前にある塩の「本当の価値」に気づいたんだね。

反町:そうですね。塩は、海に溶かせば証拠もなくなるし、生きるために不可欠なもの。現代の感覚ではなかなか気づけない視点でした。

織田:宋江には「心」しか武器がないんです。周りは武道や戦略の達人ばかりなのに。でも、目に見えない「心」を動かすことが、一番厄介で怖い武器なんですよね。「自分には荷が重い役だな」とも思いましたが、周りに一流のプロがそろっているので、最後は「みんながなんとかしてくれる」という信頼感で臨んでいました(笑)

  • (C)北方謙三/集英社 (C)2026 WOWOW/NTTドコモ

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最高のチームで最高の作品を作った自負

――今回の現場で発見した“新たな一面”を教えてください。

織田:僕ね、書道って楽しいんだなって気づいちゃったんですよ。

――劇中の「替天行道」などの書は、すべて織田さんご自身の直筆だそうですね。

織田:そう、全部自分で書いてます。下手くそなんですけどね。

亀梨:えっ、あの劇中の書、織田さんの直筆なんですか!? すごい……!

反町:(感心したように拍手をしながら)それは知らなかった。素晴らしいね。

織田:みんなが槍(やり)や乗馬の練習をしている間に、僕は「じゃあ書道の練習をしましょうか」って(笑)。京都から先生が来てくれて、長時間みっちり稽古したんです。ドラマのメインのポスタービジュアルも、実は休憩中に僕が無心で書いていたところを、カメラマンが隠し撮りしていたものなんですよ。

――なんと、そうだったんですね! 最後に、反町さんと亀梨さんもお願いします。

反町:過酷なロケ地での経験も含めて、晁蓋を演じる喜びが自分自身をも成長させてくれたと感じています。

亀梨:僕は今回、若松監督から「もっと男らしく、男らしく!」という要求を受けていたので、声の出し方から表情までこれまで以上に意識していました。お二人のような男らしさにあふれる先輩が隣にいらっしゃって……。今日こうして改めてご一緒させていただいて、何より「年を重ねていくことが楽しみ」になりました。ずっとアイドルとして活動してきた僕にとって、「若さこそ正義」という意識がどうしても強かったのですが、お二人の豊かで、仕事も遊びも全力な時間の使い方を拝見して、自分の目指すべき先が見つかった。それが、今回の最大の発見でしたね。

織田:「ジジイたちは遊んでて楽しそうだなぁ」って(笑)?

亀梨:いやいや……(笑)。お仕事はもちろんのこと、これからは「人としての時間」もちゃんと豊かにしていきたいなと。お二人とお話しするたびいつもそう思います。

織田:そう思ってもらえたならうれしいね。

反町:そうですね。僕も最高のチームで最高の作品を作っている自負があります。

織田:本当にとてつもない熱量が注がれている作品です。ぜひ、放送を楽しみにしていてください。

  • (C)北方謙三/集英社 (C)2026 WOWOW/NTTドコモ

<織田裕二>
ヘアメイク:加藤まり子 Mariko Kato(MARVEE)
スタイリスト:加藤哲也 Tetsuya Kato

<反町隆史>
ヘアメイク:INOMATA(&’s management)
スタイリスト:二村毅 Tsuyoshi Nimura(hannah)

<亀梨和也>
ヘアメイク:豊福浩一 Koichi Toyofuku(good)
スタイリスト:佐藤美保子 Mihoko Sato