(左から)タッカー、大谷翔平

 

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 大谷翔平を筆頭にスターが並ぶロサンゼルス・ドジャース打線。オフにはオールスター選手、カイル・タッカーが加入するなど補強の手を緩めず、ワールドシリーズ3連覇へ虎視眈々と歩みを進めている。一方で主力の年齢や故障、不振といった不安要素も見え隠れする。そこで今回は主力野手9人の成績と指標から、来季の成績展望を行う。(文:Eli)

 

大物加入で破壊力アップ…上位打線の成績展望は?

[caption id="attachment_247654" align="aligncenter" width="1203"] ドジャース上位打線成績予測[/caption]

 

 

大谷翔平

 昨季はもはやルーティーンの如くMVPを獲得。大谷MVPと言えば二刀流ブーストがあるが、打者単体でもwRC+172はNL1位、55HRは2位。DH専任で守備貢献がマイナスにも関わらずfWAR7.5はソトやターナーなどの打者を抑えて1位であった。

 

 打者としては三振/空振りこそ目立つが、それを帳消しにしてお釣りが大量に来るレベルで長打が多い。バットスピードや打球関連指標を見ても衰えは見られず、来季もまたMVPシーズンを送ってくれるだろう。

 

 懸念点としては疲労で、二刀流で春からポストシーズンまでをフル稼働するのは厳しいことが昨PSでの不振から示唆された。これまで以上に、シーズンを通した起用・マネジメントが重要になるかもしれない。

 

 

カイル・タッカー

 ドジャースが獲得した新戦力。昨季はカブスでwRC+136、fWAR4.5の成績を残し4年連続4度目のオールスター。

 

 大谷のように圧倒的なパワーで押し切るタイプではないが、引っ張り方向への長打を量産でき、優れた選球眼で四球を選び、さらに高いコンタクト能力で三振もしない。「何でもできる」完成度の高い打者だ。

 

 走塁能力も高く、過去5年の盗塁数105はリーグ18位。また米分析ツール『Statcast』の進塁による得点価値ではリーグ59位/252人の+1.1を記録している。

 

 昨年はチームの走塁価値が平均以下だったドジャースにはジワリと響くかもしれない。

 

ムーキー・ベッツ

 このトップ5の中では、唯一不振に苦しんだシーズンとなったベッツ。開幕直後に罹患した胃腸炎による体重減少から完全には回復しきれず、最後まで本来の打撃を取り戻すことはできなかった。

 

 それでも、高いコンタクト能力とショートでの安定した守備により、fWAR3.4を記録。不調なりに価値を生み出すあたりは、さすがベッツと言える。

 

 来季に向けては、昨季異常に低かったBABIPの揺り戻し、不振の裏で改善が見られた空振り関連指標など、バウンスバックを期待できる材料は多い。

 

 昨オフはショート守備への対応に時間を割いたが、今オフはより打撃面に集中できる点もプラス要素だ。OOPSYの成績予測ではwRC+118とベッツ基準では控えめながら、一定の回復は見込まれている。

 

フレディ・フリーマン

 安定感の代名詞とも言えるフリーマン。昨季も打率.295、wRC+139と、35歳とは思えない高水準の成績を残し、依然としてリーグ屈指の一塁手であることを証明した。

 

 一方で、打球指標や空振り率には継続的な悪化が見られ、年齢による衰えが少しずつ表れ始めているのも事実だ。成績予測ではエイジングカーブを考慮し、打率.273、wRC+127までの低下が見込まれている。

 

 ただし、この「低下後」の数値ですら、昨季換算ではリーグ10位以内に入る水準であり、衰えを織り込んでもなお驚異的な打者であることに変わりはない。

 

ウィル・スミス

 ドジャースでは大谷翔平をはじめとするスーパースターの存在に隠れがちだが、昨季チーム2位のfWARを稼ぎ出したのがスミスである。

 

 その価値の源泉は明確に打撃にあり、wRC+153はリーグ8位。捕手というポジションを考えれば、異常と言っていい水準だ。

 

 また、ドジャース側のマネジメントも非常に巧みだった。トッププロスペクトであるドルトン・ラッシングとの併用により、起用は週4試合前後に抑制。

 

 これによってパフォーマンスを維持するだけでなく、疲労を最小来季も同様の起用が見込まれており、成績予測では昨季のような“モンスターシーズン”は想定されていない。

 

 それでもなおwRC+120台前後が見込まれる捕手というだけで、リーグ全体では希少な存在だ。

 

隙の無いラインナップに…下位打線の成績展望は?

[caption id="attachment_247655" align="aligncenter" width="1179"] ドジャース下位打線成績予測[/caption]

 

 

テオスカー・ヘルナンデス

 新たに3年契約を結びドジャースへのコミットを決断したテオスカー。しかし契約初年は失望に終わった。5月に負った怪我もあってか長打力が失われ、元々低い出塁率も相まってリーグ平均程度の成績に終わった。

 

 OOPSYはwRC+116とある程度のバウンスバックを予測している。本人曰く長年体の状態が悪くWBCを辞退してまで治療にあたっているとのことだ。

 

 プレーオフでは精神的支柱、勝負強さ要員として重要な役割を担っており、テオスカーは必要な存在だ。昨季の不振を吹き飛ばすくらいの活躍に期待したい。

 

 

アンディ・パヘス

 

 初めてのフル稼働、初めてのセンター、初めての主力野手と多くの「初めて」があったパヘスの2025だが、打撃ではwRC+113、守備では外野手5位となるFRV+12、ベッツやフリーマンを抑えてのfWAR4.1と良いシーズンだった。

 

 来季に向けては今季を基礎としたさらなる成長に期待だ。特に高Tilt、高バットスピードのスイングは大きな武器であり、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、Chase%(ボール球スイング率)の抑制が鍵となるだろう。

 

 焦らず、自分のスイングを信じてストライクゾーンで勝負できれば、パヘスは単なる「良い若手」から、ドジャース打線を支える中核の一人へと進化する可能性を秘めている。

 

トミー・エドマン

 延長5年契約の1年目として、スーパーユーティリティとしての活躍が期待されたトミー・エドマン。しかし昨季は足首の故障に悩まされ、守備・打撃ともに本来の力を発揮できない不本意なシーズンに終わった。

 

 本来は、パワーと四球を重視するドジャース打線にコンタクト能力を持ち込む存在として計算されていたが、打率は.236にとどまり役割を果たせず。

 

 守備面でも故障の影響で外野起用が難しくなり、ユーティリティ性という最大の武器を失ってしまった。

 

 今季は開幕には間に合わない見込みだが、昨季中ごまかし続けてきた足首を手術によって根本的に治療できるのであれば、ドジャースが本来求めていた姿に近づく可能性は残されている。

 

 実際、昨季も3〜4月にかけては本塁打8本でリーグ10位と、短期間ながらパワー面での進化を示していた。

マックス・マンシー

 依然としてリーグ上位クラスの攻撃力を保っているのがマンシーだ。引っ張り方向への強烈な打球で長打を量産する力と、驚異的な選球眼は35歳となった今も健在。

 

 四球で出塁し、甘く入れば一発で試合を動かすというスタイルは、ドジャース打線に欠かせない要素となっている。

 

 昨季は序盤にスタートダッシュを失敗したものの、原因となっていた乱視をメガネ着用で改善すると、打撃内容は急速に好転。以降は“いつものマンシー”に戻り、打線の中軸として機能した。

 

 成績予測ではエイジングを考慮してwRC+116とやや控えめな数字が並ぶが、四球をもぎ取る打撃スタイルそのものの価値は依然として高い。

 

 一方で課題は故障だ。近年は年齢の影響もあり、毎年のように故障者リスト入りしており、フルシーズン稼働できるかは不透明。

 

 マンシーの真価は、健康な状態でどれだけ打席に立てるかに大きく左右される。万全でシーズンを走り切ることができれば、予測以上の数字を残しても不思議ではない存在である。

 

【著者プロフィール】

Eli

主にXでドジャース、MLBに関する情報を発信。

X:@byeli_dodgers59

note: https://note.com/lim33

 

 

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【了】