ヤマップはこのほど、「YAMAP」の登頂数(活動日記数)が多かった山をエリア別に集計した「登られた山ランキング2025」を発表した。

登山者志向の二極化が顕著に

2025年のランキングでは、登山者志向の「二極化」が浮き彫りになっている。1つは、ロープウェイ利用や低山など、体力的な負担が少なく気軽に登れる「アクセスの良い山」。もう1つは、高山でありながらSNS映えする圧倒的な絶景が楽しめる「フォトジェニックな山」。 特に蔵王の「御釜」や木曽駒ヶ岳の「千畳敷カール」など、メディアやSNSで話題の絶景スポットを持つ「映え」山が躍進。インバウンド需要の回復や、限られた時間で満足度を求める「タイパ」重視のライフスタイルにも合致している傾向がみられた。

【北海道エリア】都市近郊の眺望と大自然のダイナミズムが人気

  • 藻岩山・5月31日もいわ山の日(出典[写真]:yan.さんの活動日記)

    藻岩山・5月31日もいわ山の日(出典[写真]:yan.さんの活動日記)

北海道エリアは、1位が藻岩山、2位が三角山、3位が旭岳、4位が樽前山、5位が十勝岳となった。

都市部から近く夜景が美しい「藻岩山」が5年連続1位、自然歩道が整備された「三角山」が2位と、身近な山が上位を独占した。一方で、ロープウェイで森林限界へ行ける最高峰「旭岳」、荒々しい活火山「十勝岳」も根強い人気。活火山特有の溶岩ドームが織りなす異世界のような景観で人気の「樽前山」は2年ぶりに4位にランクインした。立ち入り規制が緩和され東山ピークからその絶景を求める登山者が戻ってきた。

【東北エリア】ロープウェイで叶える手軽な絶景がトレンドを牽引

  • 安達太良山・稜線にて(出典[写真]:よっちゃんさんの活動日記)

    安達太良山・稜線にて(出典[写真]:よっちゃんさんの活動日記)

東北エリアでは、1位が安達太良山(福島)、2位が月山(山形)、3位が一切経山(福島)、4位が蔵王 熊野岳(宮城・山形)、5位が磐梯山(福島)となった。

ロープウェイなどで手軽に絶景へアクセスできる山が上位を占めた紅葉の名所であり智恵子抄「ほんとの空」で知られる「安達太良山」は5年連続の1位に。次点で信仰の山「月山」が2位、「蔵王 熊野岳」が4位にランクインし、それぞれ前年比10%増で躍進した。「魔女の瞳」で有名な「一切経山」は4位、5位は「磐梯山」だった。

【関東エリア】「高尾山」一強に加え都心からのアクセス性がポイント

  • 高尾山・山頂近くの紅葉(出典[写真]:赤ちゃんさんの活動日記)

    高尾山・山頂近くの紅葉(出典[写真]:赤ちゃんさんの活動日記)

関東エリアでは、1位が高尾山(東京)、2位が筑波山(茨城)、3位が塔ノ岳(神奈川)、4位が大山(神奈川)、5位が御岳山(東京)となった。

都心からのアクセスとインバウンド需要で「高尾山」が、前年比20%増という圧倒的な強さで5年連続の1位に。上位の山はいずれも公共交通機関でアクセス可能で、ケーブルカーやロープウェイを備えた「筑波山」「御岳山」「大山」がランクインしている。3位の「塔ノ岳」は、富士山や相模湾を望む絶景と、トレーニングに適したコース設定で幅広い層に愛されており、全体として山歩き人口のベースアップを感じさせる結果となった。

【北陸エリア】立山の圧倒的人気とアクセス良好な絶景峰が牽引

  • 立山・みくりが池(出典[写真]:BLACK FIGさんの活動日記)

    立山・みくりが池(出典[写真]:BLACK FIGさんの活動日記)

北陸エリアでは、1位が立山(富山)、2位が白山(石川・岐阜)、3位が文殊山(福井)、4位が爺ヶ岳(富山・長野)、5位が五竜岳(富山・長野)となった。

アルペンルートで高所の絶景へ直行できる「立山」が5年連続で1位に。続く2位の「白山」は、歴史と豊かな高山植物が魅力の霊峰。3位には福井県民の日常的なハイキングスポットである里山「文殊山」が入った。 北アルプスからは、稜線歩きの入門として人気の高い「爺ヶ岳」が4位、そして5位にはゴンドラを利用したアクセスと360度の絶景が楽しめる「五竜岳」が初めてランクインした。

【甲信越エリア】「ロープウェイ×絶景」が上位を席巻

  • 木曽駒ヶ岳・千畳敷カール(出典[写真]:shunningさんの活動日記)

    木曽駒ヶ岳・千畳敷カール(出典[写真]:shunningさんの活動日記)

甲信越エリアは、1位が木曽駒ヶ岳(長野)、2位が燕岳(長野)、3位が唐松岳(長野・富山)、4位が大菩薩嶺(山梨)、5位が赤岳(山梨)だった。

中央アルプス「木曽駒ヶ岳」が前年比約20%増と急伸し、1位に輝いた。ロープウェイで千畳敷カールの絶景へ行ける手軽さが、タイパや映えを求めるニーズに合致した。2位の「燕岳」は北アルプスデビューの定番として、3位の「唐松岳」は白馬連峰を映す八方池へのハイキングコースとしても人気。また、都心から近く富士山の眺望が良い「大菩薩嶺」、八ヶ岳の主峰で荒々しい岩場とパノラマが楽しめる「赤岳」 など、稜線歩きの醍醐味を味わえる山々が選ばれている。

【東海エリア】地元密着の山々と不動の世界遺産「富士山」

  • 猿投山・大岩展望台(出典[写真]:charumiさんの活動日記)

    猿投山・大岩展望台(出典[写真]:charumiさんの活動日記)

東海エリアの順位は、1位が猿投山(愛知)、2位が金華山(岐阜)、3位が富士山(静岡・山梨)、4位が乗鞍岳(岐阜・長野)、5位が弥勒山(岐阜・愛知)となった。

名古屋近郊に位置し、駐車場も完備された「猿投山」が、日常的なハイキングの場として多くの支持を集め、今年は1位となった。僅差の2位は、山頂に岐阜城を冠し、観光と登山、そして夜景も楽しめる「金華山」。 日本一の山「富士山」は、入山規制の話題もあったが、そのブランド力とインバウンド人気で3位をキープ。バスで標高2,700mまで上がれる「乗鞍岳」、初心者やファミリーでも登りやすい「弥勒山」が続き、手軽に登れる里山と、一生に一度は登りたい名峰が混在する東海エリアらしい結果となった。

【近畿エリア】都市近郊の山「アーバンアウトドア」が主流に

  • 金剛山・山頂(出典[写真]:よっしーさんの活動日記)

    金剛山・山頂(出典[写真]:よっしーさんの活動日記)

近畿エリアは、1位が金剛山(大阪・奈良)、2位が六甲山(兵庫)、3位が摩耶山(兵庫)、4位が旗振山(兵庫)、5位が御在所岳(三重)だった。

毎日登山の文化が根付く「金剛山」が圧倒的な活動日記数を誇り、5年連続の1位となった。2位の「六甲山」、3位の「摩耶山」は、神戸の市街地からのアクセスが良く、夜景や自然を楽しめる「アーバンアウトドア」の象徴として、それぞれ前年比約10%の伸びを見せた。 また、4位には「旗振山」が初のランクイン。駅から手軽に登れ、大阪湾や明石海峡大橋を一望できる展望の良さと、「須磨アルプス」縦走の起点としての魅力がある。5位にはロープウェイがあり、四季折々の景観が楽しめる「御在所岳」が入った。

【中国エリア】中国エリア最高峰と観光できる低山が人気

  • 大山・山頂からの夕焼け(出典[写真]:シンさんの活動日記)

    大山・山頂からの夕焼け(出典[写真]:シンさんの活動日記)

中国エリアは、1位が大山(鳥取)、2位が福山(岡山)、3位が弥山(広島)、4位が右田ヶ岳(山口)、5位が三瓶山(島根)となった。

中国地方最高峰であり、「伯耆富士」とも呼ばれる美しい山容の「大山」が5年連続で1位を獲得した。地域に根ざしたハイキング文化が特徴で、2位には巨岩展望台が人気の岡山の「福山」がランクイン。 3位の「弥山」は世界遺産・宮島観光とセットで、5位の「三瓶山」は季節ごとに壮大な景色が楽しめ、それぞれ人気を集めた。4位の「右田ヶ岳」は低山ながら岩稜帯のアルペン的な雰囲気が楽しめ、アクティブな登山者を惹きつけている。

【四国エリア】日本百名山が不動のツートップ

  • 剣山・美しい稜線(出典[写真]:まなぶーんさんの活動日記)

    剣山・美しい稜線(出典[写真]:まなぶーんさんの活動日記)

四国エリアは、1位が剣山(徳島)、2位が石鎚山(愛媛)、3位が飯野山(香川)、4位が三嶺(徳島・高知)、5位が瓶ヶ森(愛媛)となった。

日本百名山で徳島県の最高峰「剣山」が2年連続の1位に。リフト利用の手軽さと、次郎笈へと続く美しい稜線歩きが人気。2位には西日本最高峰で修験の山「石鎚山」が続く。 注目は3位の「飯野山(讃岐富士)」。活動日記数が前年比約24%増と大きく伸びた。香川県のうどん屋巡りと合わせて登る「うどんハイク」を楽しんでいる人もいた。その他、自然林が美しい「三嶺」、UFOラインからのアクセスが絶景の「瓶ヶ森」がランクインしている。

【九州・沖縄エリア】火山が織りなす地球の息吹と花の名山

  • くじゅう連山・ミヤマキリシマ(出典[写真]:ayaさんの活動日記)

    くじゅう連山・ミヤマキリシマ(出典[写真]:ayaさんの活動日記)

九州・沖縄エリアでは、1位くじゅう連山(大分)、2位が宝満山(福岡)、3位が韓国岳(宮崎・鹿児島)、4位が立花山(福岡)、5位が阿蘇山・中岳(熊本)となった。

5月~6月に咲き誇るミヤマキリシマの名所「くじゅう連山」が、変わらぬ人気で1位に輝いた。2位には竈門神社があり、都市部から近くファミリー層にも人気の「宝満山」、4位には博多湾の展望が良い低山「立花山」が入り、生活圏に近い山が支持されている。 火山エリアも活況で、3位には巨大な火口が圧巻の「韓国岳」、5位には噴煙を上げる火口を間近に見られる、地球の息吹を感じるダイナミックな体験ができる「阿蘇 中岳」がランクインした。