今年8月に宝塚歌劇団を退団し、約16年の男役人生に区切りをつけた礼真琴。今は東京に拠点を移し、10月には稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が在籍する芸能事務所「CULEN(カレン)」への所属を発表した。12月に退団後初となるソロコンサート『Flare』を開催し、来年はミュージカル『バーレスク』での主演が控えるなど第2章が本格的に動き出している。大きな環境の変化の中、どのような思いで日々を過ごしているのかだろうか。今の心境を語ってもらった。
――8月に宝塚を退団されたということで、まず退団を決意されたときの思いからお聞かせいただけますか。
トップになった2019年から「次に待っているのは退団だな」という考えが頭の片隅にありました。「いつ卒業する」と決めていたわけではなかったんですが、コロナ禍があけて世の中が少しずつ日常を取り戻していく中で、ちょうど宝塚歌劇が110周年を迎えたんです。「節目の年を見届けてから卒業かな」となんとなく思うようになり、劇団とも話し合いを重ねて決定しました。「鐘が鳴ったからやめなきゃ」というドラマチックなきっかけではなく、本当に慎重に決めていきましたね。
――特に大きな不安もなく退団できた感覚だったのでしょうか。
一緒に舞台に立つ仲間の環境が、110周年を機にグッと固まってきたんです。舞台に立つメンバーが明らかに責任を持ち始めていたので「もう任せても大丈夫だ」と安心して卒業できた感覚があります。ただ、その先に待っている自分の人生にはたくさんの不安がありましたが、今はやっと地に足がつき始めて「楽しみ」が徐々に増えているような感じです。
――退団され生活も気持ちも大きく変わったと思いますが、今の心境はいかがですか?
この数カ月間は本当に目まぐるしく、怒涛のように過ぎていきました。宝塚から東京に引っ越しもしましたし、所属先も決まって、やっと「新たな人生が始まった」という、まさに今がその瞬間という感じです。ただ、何をするにもわからないことだらけで、不安でいっぱいではあるんですけど、わけのわからないことに飛び込んでいく楽しさもあります。一つひとつ経験させていただけているのが、すごく刺激的だなと思いながら日々過ごしていますね。
――やはり、環境は丸ごと変わりましたか?
継続しているものはほとんどないくらい、全部が変わりました。「ずっと同じ家に住んでいて、会社だけ変わる」ではなく、住んでいる場所から変わっていますから。全てが新しい。逆に言うと、いい意味で昔の自分に頼る場所がない。だからこそ、満を持してちゃんと前を向けるきっかけでもあるのかなと思います。
――まさに第2章が始まった感覚ですよね。
本当に第2章ですね。自分でもそう思います。
――約16年間の宝塚での活動を経て第2章が始まった今「これは大切にしていきたい」と感じていることは何ですか?
特に勉強になったことは「人とのつながり」、あと「団体で見せる力」です。団体でやってきたからこそ、人への注意力や観察力が身についたと思っています。前を見ながらでも、周りの空気感で呼吸を合わせたりしてきたので、そういったアンテナは今後もどこかで役に立つんじゃないかな、と思っています。自分の長所として大切にしていきたいです。
男役だったからこその地声や音域の広さを活かした仕事に意欲
――新たな所属先には「CULEN(カレン)」を選ばれました。その理由をお聞かせください。
ずっと宝塚のことしか考えてこなかったので、卒業後のビジョンが正直ありませんでした。ただ、宝塚での経験は武器になるだろうなと思っていました。舞台で歌ったり踊ったり、芝居をすることはやっぱり楽しいですし、今後も勝負できる場所であると感じています。一方で、外の世界に目を向けると、小さい頃から見ていたテレビの世界にもすごく興味があったので、舞台だけではなく、映像や音楽など自分の知らない世界にも挑戦していきたいという気持ちがありました。そうした中で、以前からご縁のあったCULENさんとご一緒させていただくことになった、というわけです。
――特に挑戦したいと思っているお仕事は?
「声」のお仕事に興味があります。男役だったからこその地声や音域の広さは、男役ならではの武器だと思うので、男性役や女性役、子どもの役など老若男女いろいろな役に挑戦してみたいです。
――普段からアニメはご覧になるんですか?
見ます。『名探偵コナン』はずっと見ていますね。子どもの頃からのオタクなんですけど、そこはブレないです。あと、最近では『東京リベンジャーズ』も好きです。もちろん『美少女戦士セーラームーン』なども通ってきましたが、どちらかというと「男の子が好きそう」と言われるような作品をよく観ている気がします。


