私たちが生活すると必ず出る「ごみ」。身近にあるはずなのに、正しい捨て方やごみがどのように処分されるかなど、大人になっても意外と知らないものです。また、最近はモバイルバッテリーに入っているリチウムイオン電池をはじめ、捨て方自体がわからないというごみも……。

改めて調べたり学んだりする機会がなかなかない「ごみ」のことが"全部わかる"、という本がこの夏に出版され話題になっています。今回、書籍『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』(講談社)を上梓したごみ清掃員でお笑い芸人・マシンガンズの滝沢秀一さんにお話を伺いました。

  • 『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』作者、ごみ清掃員でお笑い芸人・マシンガンズの滝沢秀一さん

    『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』作者、ごみ清掃員でお笑い芸人・マシンガンズの滝沢秀一さん

"ごみのことが全部わかる本"をつくりたい

――『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』は、ごみに関する読み物や図版、また滝沢さんの著書『ゴミ清掃員の日常』からの漫画があったりと盛りだくさんな一冊です。今回、出版されたきっかけを教えてください。

『 世界一わかりやすいごみの本』というタイトルの通り、これを読めばごみのことが全部わかる本をつくりたかったんです。子ども向けの書籍ですが、ごみのことって大人もわからないと思うんですよ。家事をやっている方も手に取ってくれたらいいなという狙いがあります。

――今回の書籍、こだわったポイントはありますか?

とっつきにくいことをなくして、どこからでも読めるようにしたかったんです。なので興味のあるところから……漫画のページからでも、読み物のページからでも読んでも良いようにしています。読み物のページはイラストをたくさん入れて、食いつきをよくしているのも特徴ですね。

  • 清掃工場の仕組みなど、イラストや図版が盛りだくさん(『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

    清掃工場の仕組みなど、イラストや図版が盛りだくさん(『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

――書籍の反響はいかがですか?

ちょうど夏に出したので、ごみ収集車を描き写したりしくみを説明して、夏休みの宿題に使ってくれたというお子さんの読者もいました。清掃工場のしくみのように、図鑑っぽいところは男の子にウケそうですよね。

  • 読者のなかには、夏休みの宿題にも活用したというお子さんもいるそう(『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

    読者のなかには、夏休みの宿題にも活用したというお子さんもいるそう(『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

――滝沢さんはSNSやエッセイなど様々な方法で情報を発信されています。今作には、以前出版された漫画『ゴミ清掃員の日常』(講談社)より、一部の漫画も収録されていますね。

1作目のエッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)は、スマッシュヒットと言われるくらいウケましたね。でも文字を読むのが苦手な人にはなかなか手に取ってもらえないですし、もっと子どもたちにも見てもらいたいと思ったときに、やっぱり漫画じゃないかなって。

  • 滝沢さんが出版したエッセイ漫画『ゴミ清掃員の日常』の漫画も一部収録されている(『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

    滝沢さんが出版したエッセイ漫画『ゴミ清掃員の日常』の漫画も一部収録されている(『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

僕自身が漫画を描く案もあったんですけど(笑)、妻(滝沢友紀さん)が1年くらいかけて勉強をして漫画を描いて、そうして出来上がったのが漫画『ゴミ清掃員の日常』です。

――漫画の反響はいかがでしたか?

反響はよかったですね。わかりやすいですし、今も「本、よかったです」と言われて、何読みましたか? と聞くとこの漫画を挙げてもらうこと、結構多いです。

リチウムイオン電池の捨て方、みんなで考えないと

――ごみといえば、最近、「リチウムイオン電池」の廃棄方法や火災などのトラブルが度々話題になっています。『ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』でも触れていますし、滝沢さんもSNSで「今日のごみトリビア」として度々注意喚起をされていますね。

韓国では、飛行機の機内に持ち込まれたモバイルバッテリーから発火したというニュースもありましたよね。自分の上であんなのが燃えだしたら恐ろしいですよ。

モバイルバッテリーの対応について、日本は結構遅れているんです。例えばベトナムの空港では、モバイルバッテリーを機内に持ち込みむ際は、金属と接触しての発火を防ぐためビニールの袋に入れていると聞きました。

――2025年7月には、飛行機にモバイルバッテリーを持ち込む際、収納棚に入れないよう国土交通省から発表もありましたね。

今は手荷物で持ち込んで、目の前に置いておくルールになっていますね。飛行機に限らず本当に危ないですよ。高熱に弱いので、今年の夏のような猛暑の年に車内に置きっぱなしにして発火したり、ハンディファンを落とした衝撃で発火したり。しかもその場ですぐ爆発するわけではなくて、時間をおいて火を噴くなど、いつ発火するかわからないのも怖いですね。実際に、清掃車の中でモバイルバッテリーが発火する状況も起きています。

――スマホやデジタル機器を持ち歩いているとモバイルバッテリーは手放せないですし、簡単に手に入るものなので扱いには気を付けたいですね。

なぜこんなにモバイルバッテリーを簡単に販売できるようにしてるんでしょうかね? まだ法律の整備が整っていないですし、PSEマーク(電気用品安全法を満たしていることを示すマーク)の表示が義務付けられていますが、本当にちゃんと検査しているのだろうかという疑問もあります。

――モバイルバッテリーが不要になったとき、どう捨てればいいかわからないという声もあります。

まだ回収のシステムがきちんと整備されていないんです。危ないと思ったら土鍋に入れてベランダに出しておくとか、金属の箱に入れておく良いとか言われますが、火災が起きる前提の対応で怖いですよね。結局どこに捨てればよいのかわからず、可燃ごみに出す方もいます。タオルでぐるぐる巻きになんかされると、気づかずに回収してごみ清掃車が燃えてしまうことも……。さらに清掃工場で火災が起きた場合、何億もの損害が出ます。

それならば何かできないかと考えて、今は名古屋大学の石垣助教授と共に、リチウムイオン電池の安全な回収システムを考える取り組みも行っています。

消火剤が入っているリチウムイオン電池の回収箱を、火を扱うプロの消防署の前に設置したり、そのような感じで協力していけたら一番良いですよね。持っていけば回収してくれるしくみがあれば、みんなそうしてくれるはず。だって、お金を払ってでもモバイルバッテリーを捨てたいという人がいるくらいなんですから。

リチウムイオン電池に関しては、社会問題なのでみんなで考えないといけません。この10月には、リチウムイオン電池を他のごみと分別して収集する制度を環境省が検討するという動きもやっと出てきました。

――「バッテリー」「ハンディファン」のほかに、意外と知られていない・うっかり捨てられやすいリチウムイオン電池が入っている製品はありますか?

例えばワイヤレスイヤホン、それから掃除機とか電動自転車、電動工具など、充電したら繰り返し使えるもののほとんどにリチウムイオン電池が入っています。まだ全然知られていないので、多くの方に知ってほしいですね。

――最後に、マイナビニュース読者へメッセージをお願いします。

ごみって知ると奥が深くて面白いんですよ。僕は人間を見ているように、ごみを見ています。「この人は何を考えてごみを出しているのか、どんな性格の持ち主なのか……」ごみに全部現れるんですよね。実際に、ごみのことを考える人はほとんどいません。ごみは誰にも相談せずに捨てるものだから、むき出しの自分が出てくる。そこを知れば知るほど面白いですし、ごみを顧みるのは自己反省、自分はこんなことを考えているんだなとわかるんです。

それから、ごみを出すときに「誰が回収するんだろう?」と考えてくれるとありがたいですね。ごみを出したら終わり、じゃなくて、誰かが回収して、工場でリサイクルしたり、その人たちがどんな仕事をしているのか、ちょっとだけ想像してほしいです。ごみを捨てるところだけじゃなくて、食べ物なら誰が作ったんだろうとか、入口から出口まで想像すると、顔が見えてくるはず。顔の見える社会がつくられたら、ごみって減るんじゃないかなと思います。

  • (『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

    (『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

  • (『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

    (『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より抜粋)

『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』は、これ一冊でごみを知ることができます。ごみは種類も多いし、ストーリーもある。「ごみって何だろう?」というタイトル通り、ごみを読み解くための知識として面白く読んでほしいですね。


「日本一のごみ清掃員」を目指すため、ごみに関する情報の発信を始めたという滝沢さん。『世界一わかりやすいごみの本』や滝沢さんのSNSを通じてごみに対して興味を持つと、ごみに対する目線が変わるはず。捨てたらおしまいではなく、自分が出したごみを顧みて、ごみを減らしたり分別するアクションを起こしてみたいものです。

『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』

編:講談社、原作:滝沢秀一、著:滝沢友紀

シリーズ累計10万部を突破した、滝沢秀一(マシンガンズ)「ゴミ清掃員の日常」から「ごみって、なんだろう?」をわかりやすくまんがで学べる児童向けの「おもしろくてためになるごみの本」です。

「ごみとして捨てているものが本当は資源だったなんて!」「分別ももちろんだけど、ごみ自体を減らします」などなど、著者のところにはうれしい感想たくさん届いているようです。そして、何より多いのが「子どもに読ませたい」という感想なんだとか! この声にこたえるための1冊を企画します。夏休みの自由研究にもなる、「一家に1冊ほしい本」を目指します。

各章の導入部分には、原作まんが「ゴミ清掃員の日常」のカラー版の再収録やコラムがあり、楽しくどんどん読める1冊です!
全国の書店、Aamzon.co.jpなどネット書店、電子版取扱い書店で好評発売中

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