クリニックフォアグループは11月4日、インフルエンザ流行を受け「今できる、3つのインフルエンザ対策」を公開した。

インフルエンザ対策ニーズが急増

  • インフルエンザワクチン接種の受診数/インフルエンザ予防薬の受診数

    インフルエンザワクチン接種の受診数/インフルエンザ予防薬の受診数

同クリニックによると、インフルエンザ患者数が前年比3倍を超えて増加しており、同時にインフルエンザ感染対策を目的とした受診数も急増しているという。今年10月のインフルエンザワクチンの接種数は、昨年比約3倍となっているほか、「どうしてもインフルエンザにかかれない事情がある」「身近な方がインフルエンザに罹患して、感染したくない」などといった場合の予防として、オンライン診療でのインフルエンザ予防薬を希望する受診者数も、昨年比約12倍となっている。

今できる、3つのインフルエンザ対策

  • 今できる、3つのインフルエンザ対策

    今できる、3つのインフルエンザ対策

1.日常的な対策の徹底

インフルエンザ対策の1つ目は、「日常的な対策の徹底」。マスクの着用、外出後の手洗いやうがいの励行、適度な湿度の維持、人混みや繁華街への外出を控えるなど、基本的な対策を徹底することが推奨されている。

2.ワクチンの接種

インフルエンザワクチンは、インフルエンザの感染を予防する不活化ワクチンで、重症化や合併症のリスクを減らす効果がある。接種後2週間ほどで免疫効果が現れ、約5か月間持続するとされている。13歳未満の子供は、効果を高めるために2回の接種が推奨されている。

3.インフルエンザ予防薬

日常の対策やワクチン接種を行った上で、身近な人がインフルエンザに罹患し感染したくない場合や、試験や出張など大事な予定を控えている場合の予防として、「インフルエンザ予防薬」が有効とされている。抗インフルエンザ薬を服用または吸入することで感染を予防することができ、約10日間効果が期待できる。なお、本予防薬は100%感染を防ぐものではなく、患者の症状や体質、既往歴などにより、医師の判断で処方できない場合がある。

今年は「隠れインフル」に注意

インフルエンザの流行は例年11月以降に増えることが多いが、今年は非常に早く、10月3日には厚生労働省が「全国的な流行シーズンに入った」と発表した。

「インフルエンザ=高熱」というイメージがあるが、同クリニックの医師によると、発熱を伴わない「隠れインフルエンザ」も少なくないという。特にワクチン接種をしている人や高齢者、免疫力が落ちている人は、熱が出にくい一方で、強い倦怠感や関節痛、喉の痛みなどの症状だけが現れることがある。風邪だと思い放置してしまうと、職場や家庭内で感染を広げてしまうリスクもあるため、体調に違和感を感じた時点で、早めに医療機関を受診することが重要とされる。

さらに例年、インフルエンザだけでなく、新型コロナウイルスやRSウイルスが同時に流行する「トリプルデミック」が懸念されている。いずれの感染症も発熱・咳・倦怠感など症状が似ているため、見分けがつきにくいことが特徴だという。予防と、発熱・咳・倦怠感が見られた場合の早期診断・隔離対応が重要となる。