子供の健やかな成長を支援することを目的に、おもちゃの販売やあそび場づくりなどを展開する株式会社ボーネルンドは10月10日、六本木ヒルズ店をリニューアルオープンした。
同店では、世界のあそび道具の販売に加え、「小さな子供とゆっくり過ごせる場所がない」「小学生の放課後の居場所がない」といった声に応えるため、親子の新しい居場所として親子ラウンジを新設。当日は、リニューアルオープンの背景や店舗内に“居場所"を設けた経緯などについて、同社の社長・中西みのり氏が説明した。
■六本木はビジネスパーソンの街ではない?
まず中西氏は、少子高齢化の進行や待機児童問題の浮上など、子供を取り巻く環境が変化している中で、常に「子供の教育環境をいかに整えるか」という課題を抱えていたという。そのため、おもちゃの販売だけでなく、あそび場づくりの活動にも積極的に取り組んできたと振り返る。そして、「商環境と遊環境を合わせた楽しい居場所づくりをしていこう」という思いから、親子ラウンジを備えたショップになったと紹介した。
続けて、「誰もが楽しめるショップ」を目指し、店内をカラフルに装飾。さらに中西氏は「遊びは子供だけのものではない」「『ありのままでみんな素晴らしいよね』と大人が理解することが、子供の幸福感につながる」と述べ、そうした視点を意識した商品を揃えたと話す。
また、六本木はビジネスパーソンが多く、かつては子育て世帯が気軽に足を運びにくい印象もあったが、中西氏は「ボーネルンド 六本木ヒルズ店は開店から15年になりますが、地元のお客様がとても多いです」と説明。周囲には小学校が多く、決して“六本木=ビジネスパーソンの街"というわけではないと口にした。
■個性豊かな看板商品
次にリニューアルオープンした店舗内を見学。中西氏が話していた通り、店内はカラフルで居心地が良い。
アメリカ発の「バンパス」という抱きぬいぐるみを、リニューアルオープンの看板商品として位置づけている。手の部分にビーズが入っており重みがあるため、握手をしたり首周りに乗せたりなど、さまざまな触れ合い方が可能だ。
商品部長の吉岡誠氏 は、「歯医者にバンパスを持っていき、『痛かったら手を挙げて』と伝えると、バンパスの手を挙げたお子さんもいました。子供の感情表現を代わりにしてくれる存在でもあります」と説明。バンパスがさまざまなシチュエーションで活躍する“友達"であることを示した。
なお、マイナビニュースの編集部員Kが実際にバンパスを購入し、高校2年生長男と小学5年生次男の“もうすぐW受験生"が使ったところ「勉強中に椅子に座って腹に抱えているだけで落ち着くし、足のソワソワ感がなくなった。ふとしたときに手を握っては癒されている」(長男)、「寝るときに抱き枕に使っている。胸に抱っこしてバンパスの手を肩にのせると少しだけの重さが気持ちよくて、すぐに眠ってしまう」(次男)とのこと。年齢問わず、不思議な落ち着きや癒しを与えてくれるようだ。
また、ニューヨーク発のビーズキット「SUPER SMALLS(スーパー・スモールズ)」も紹介。吉岡氏は「小学生になると『大人と同じ物を使いたい』と思うお子さんは増えます。子供だましではなく、『本当に可愛いものを作りたい』という思いに応えるエイジレスな商品です」と語る。実際、一般的なビーズとは異なり、サイズや色合いも本格的で、ビーズ遊びをアップデートしてくれそうだ。
■パーティー会場として利用することも可能
六本木ヒルズ店の目玉・親子ラウンジにも足を運んだ。大人1人と子供1人、9~15歳1人の利用はいずれもワンドリンク付で60分1,650円。バラエティに富んだおもちゃが置かれ、思い思いの過ごし方ができる。また、0歳向けワークショップ「赤ちゃんとPLAY TIME」や、乳幼児期向けの身体の動きを引き出す遊び方を紹介する「ボブルス 赤ちゃんエクササイズ」など、子育てのヒントや“自分らしさ"を分かち合える特別プログラムも実施している。11月からはSTERMをテーマにした英語のレッスンや、脳の個性を発見する親子参加型の「ニューロワークショップ」も開催予定。
同社の執行役員でコンシューマー事業部長の橋本潤氏は「親子でゆっくりできる空間としてだけでなく、放課後に居場所がない小学生にも気軽に足を運んでほしい」と利用方法を話す。
さらに、Wi-Fiや充電設備も完備しており、「子供を近くで遊ばせながら、親が仕事をする」といった使い方も提案。続けて、六本木周辺には外国人も多く住んでおり、パーティーを頻繁に開催する家庭も多く、「最大20人を収容可能なので、レンタルスペースのようにパーティー会場として使ってもらうのも良いのでは」といろいろな人の居場所になってほしいと思いを語った。
■親子で楽しめる街へ
リニューアルオープンに伴い、10~11日には六本木ヒルズ内のヒルズアリーナで、忍者体験やパルクール体験など、ダイナミックな遊びを親子で体験できるエリアも設置。都心の真ん中でありながら、多くの親子が一緒になって身体をめいっぱい動かす姿が見られ、歓声や笑顔に包まれていた。
オフィスビルが立ち並ぶ六本木。ボーネルンド 六本木ヒルズ店のリニューアルオープンを皮切りに、親子で楽しめる街へとますます変わっていくことに期待したい。








