近年の円安と物価高は、食料品や日用品に広がり、家計をじわじわと圧迫しています。「スーパーで値札を見てびっくりした」という経験は一つや二つではないでしょう。上手に家計をやりくりしていても、そろそろ限界を感じている人も多いのではないでしょうか。

そこで、3つの視点から家計を守るためにできることをご紹介します。すぐに実践できる具体的な防衛術なので、ぜひ試してみてくださいね。

  • 円安・物価高で家計はどうなる?

    円安・物価高で家計はどうなる?

消費者物価指数は48ヵ月連続上昇

まずは現在の状況を確認してみましょう。総務省が発表した8月の消費者物価指数(生鮮除く総合指数)は、2020年の平均を100として111.6となり、前年同月と比べて2.7%上昇しました。上昇は48カ月連続となっています。特に生鮮食品を除く食料は8.0%上昇と高止まりが続いています。

<上昇率が高い食品>
・米類: 69.7%上昇
・チョコレート: 49.4%上昇
・コーヒー豆: 47.6%上昇
・おにぎり: 18.5%上昇
・鶏卵: 16.4%上昇
・鶏肉: 9.3%上昇
※前年同月比

物価を商品などのモノと、旅行や外食などのサービスに分けると、上昇率はモノが3.7%、サービスが1.5%となっており、サービスの中では外食が4.8%の上昇となりました。生活費の中でも食費が上がっていることを実感する人は多いのではないでしょうか。

家計防衛術の3つの視点

物価が上昇している中で、家計を守る方法としてすぐに思い浮かぶのは、支出を減らすことでしょう。しかし、支出を減らすだけでは、生活の質が下がっていくだけで限界があります。物価高の中で家計を守るためには、「支出の見直し」、「収入を増やす取り組み」、「資産の持ち方の工夫」といった3つの視点を持って取り組むことが大切です。それぞれの取り組みを具体例とともに解説します。

【防衛術1】 支出の見直し

食品の値上がりが激しいと、高い食品は避けて安い食品で代用するなど、買い物を工夫して、少しでも支出を減らす努力をしているご家庭は多いと思います。こうした工夫はもちろん必要ですが、支出を大きく捉えて見直しをする方が効果的に減らせる場合があります。特に効果的なのが「固定費の見直し」です。

一般的に、固定費の中で一番支出割合が高いのが「住居費」、その次に「通信費」や「保険料」、「水道光熱費」などがくると思います。「住居費」や「水道光熱費」の見直しは難しい面があるので、見直ししやすい「通信費」や「保険料」に目を向けてみましょう。

通信費の削減は、大手キャリアから格安スマホに切り替えることで可能になります。保険料は重複している補償がないか、ライフステージに合わない保険をかけていないかといった視点で見直しをしてみてください。固定費は一度見直しをすれば、削減効果はずっと続くので、手間は一度きりと思って行動してみましょう。

また、有料コンテンツや有料会員サービスなどのサブスクリプションの見直しも効果的です。使っていないものがないか整理し、本当に必要なものだけを残して解約することで毎月数千円程度削減できるかもしれません。

固定費の見直しの次に試してほしいのが外食費です。一般的に食費は住居費の次に大きい支出なので、外食を減らすだけで食費を大きく削減できます。週に2回外食しているなら、週に1回にするなど、回数を減らしてみましょう。

●大手キャリアから格安スマホに切り替えて通信費を削減
●保険の見直しをして保険料を削減
●使っていないサブスクを解約
●外食の回数を減らして食費を削減

【防衛術2】 収入を増やす取り組み

本業の収入が物価上昇に追いついていれば家計は圧迫されません。ところが、収入の伸びが物価ほど見込めないことこそ、家計が苦しくなる大きな原因です。本業での収入アップが難しい場合は、副業で収入を得ることにチャレンジしてみましょう。

リモートワークの普及により、副業や在宅ワークの機会が増えています。クラウドソーシングを通じた仕事や動画配信、ハンドメイド品の販売など、隙間時間を活用してお金を稼ぐことが可能になっています。最初はお小遣い程度でも、継続することで将来的に大きな収入源へと育つこともあります。

副業収入とは異なりますが、日々の買い物でポイントを貯めることも収入アップにつながります。ポイント還元率の高いキャッシュレス決済にまとめることで、年間数万円ポイントが貯まることもあります。おすすめは、電気、ガス、水道、電話料金、NHK受信料などの公共料金をクレジットカード払いにすることです。支払い方法の変更はホームページ上で簡単に手続きできる場合がほとんどです。一度変更すれば、自動的にポイントが貯まっていくので効率良く"ポイ活"ができます。

●副業をする(クラウドソーシング、動画配信、ハンドメイド品販売など) ●ポイントを貯めて家計の足しにする

【防衛術3】 資産の持ち方の工夫

円安・物価高の局面では、お金の価値が目減りするリスクがあります。たとえば1年前は100円で買えていたものが、今は125円払わないと買えない状況だったら、お金の価値は20%減少したことになります。このような場合は、現金を別の資産に置き換えることでリスクを回避することができます。

資産の持ち方の工夫として次のようなものがあります。

●外貨建て資産の活用
円安が進むと円の価値が下がるため、外貨建て資産を持つことが有効な対策になります。外貨預金は為替手数料が高い傾向があるため、投資信託を通じてドルやユーロ建て資産に分散投資するといいでしょう。新NISAでの投資信託積立を活用すれば、初心者でも手軽に始められます。

●物価上昇に強い資産への分散
株式投資やREIT(不動産投資信託)、コモディティ投資(金など)は、インフレに強い資産です。資産の一部をこれらの資産に変えて持つことで、円安・物価上昇によるメリットが受けられる場合があります。これらの資産はファンドとして新NISAでも買うことができます。

新NISAを活用しよう

資産を現金だけにせず、資産の形を変えて持つことによって、為替や物価の変動に振り回されない家計をつくることができます。

いきなり投資は怖いという人は、生活費の6か月分程度の現金を確保した上で、新NISAを利用して少額の積立投資から始めてみるのがいいでしょう。

まとめ

「コーヒーは高いから紅茶を飲む」、「チョコレートはもう買わない」など、値上がりしたものを避ける方法では、もはや太刀打ちできなくなってきている物価高。ここは3つの視点="3本柱"で家計を防衛していきましょう。すべてを一度に実行する必要はありません。まずは取り組みやすいことから始めてみてくださいね。