女優の高石あかり(高ははしごだか)が主演を務める連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の第2回が30日に放送され、雨清水傳(堤真一)&雨清水タエ(北川景子)夫婦が初登場。圧倒的な存在感を放った堤と北川の起用理由や現場でのエピソードなどを、制作統括の橋爪國臣チーフ・プロデューサーとチーフ演出の村橋直樹氏に聞いた。

  • 連続テレビ小説『ばけばけ』雨清水タエ役の北川景子

    連続テレビ小説『ばけばけ』雨清水タエ役の北川景子

113作目の朝ドラとなる『ばけばけ』は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描く物語。小泉セツがモデルのヒロイン・松野トキを高石あかり、小泉八雲がモデルの夫レフカダ・ヘブンをトミー・バストウが演じ、脚本はふじきみつ彦氏が手掛ける。

第2回で初登場した雨清水家はトキの親戚。『マッサン』以来の朝ドラ出演となる堤が演じる傳は、松江藩に名をはせる上級武士だった。文武両道のエリートで、トキを大変可愛がっていて、幼い頃からなにかと気にかける。朝ドラ初出演の北川が演じる傳の妻・タエは、凛とした気品と厳しさを兼ね備える女性。トキにも武士の娘としての品格を求め、礼儀作法やお茶など武家の娘としての教養を厳しく教えている。

第2回では、トキ(福地美晴)が母・フミ(池脇千鶴)とともに、稽古のために雨清水家へ。そこへ、タエが「ごきげんよう」と気品あふれる着物姿で現れた。

そして、将来は先生になろうと考えたトキが、先生にはお茶や三味線などは必要ないため、お稽古事を終わりにしたいと言うと、タエは「武士の娘は金を稼いだり致しません」「先生になどなりませぬ」などと武士の娘としての心得を伝えた。そこへ、ちょんまげを切った散切り頭の傳が現れ、呆然とするタエ。傳は「武士の時代はとうに終わりじゃ」と述べ、近いうちに織物の向上を始めると言うと、タエはさらに放心状態に。トキらが帰った後、傳はタエに改めて、「このままではいずれ路頭に迷う。もう武士ではおられんのじゃ」と語った。

橋爪氏は、北川と堤の起用理由について「雨清水家はすごく名家として描きたいと思っていましたし、幕府の中でずっとトップだった家の象徴として描きたいと思っていたので、それ相応に説得力のある人たちに出ていただかないと、高貴な人だったり、幕府の中だけで生きてきた浮世離れした人たちを描けないと思い、そういった雰囲気を出せる人をとても大切にしました。こんなことができる俳優さんは北川景子さんしか今思いつかないぐらいでしたし、それを温かく見守って全部を包み込んでくれるような方は堤真一さんしかいないということでお声がけしたら、オファーを受けていただきました」と説明した。

村橋氏も「この時代の中で揺らいでいった人たちを描きたい」という思いを述べた上で、「堤さんも北川さんも、僕らから見て、揺らがない人に見える。揺らがない軸みたいなものを持っているように見えるけれど、その中で揺らいでいるということを表現するのがとても長けた人たち」と2人の魅力を語り、「お二人のまとわれている空気感も利用させていただいて、惑わないけど惑う人たちを。自分がこうだと決めたことよりも大きいことが世の中で動いてしまっている中で揺らいでいる人たちを表現できる方は数えるほどしかいないと思うので、お二人に出演していただけたことはありがたいなと思います」と感謝した。

村橋氏は、大河ドラマ『どうする家康』でも北川と作品を共にしている。当時北川は、織田信長の妹・お市と、その娘・茶々の一人二役を演じたが、村橋氏は「揺るがない絶対的な気の強さを持っているのに揺らいでいる人間を好演していただいたので、あの佇まいをもう1度撮ってみたい、ご一緒したいなと思ってお声がけしました」と述べ、「堤さんも北川さんも『私たちがいるときだけ大河ドラマみたいだね』とおっしゃっていて、すごく朝ドラらしくないシーンを撮り続けています」と笑顔で話した。

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