官民一体となって熱中症予防の啓発活動を推進する熱中症予防声かけプロジェクト事務局は、救急科専門医であり熱中症のスペシャリストである本プロジェクト実行委員長:三宅康史医師と、残暑が厳しい9月にかけての「居座り熱中症」の注意点を取りまとめた。

  • 熱中症予防声かけプロジェクト

    熱中症予防声かけプロジェクト

背景として、総務省消防庁から発表された、2025年8月25日から8月31日までの熱中症による救急搬送車数は5,486人となり、昨年度の同時期の救急搬送車数2,661人から2,825人増えて倍増している。また、気象庁の予想では、9月・10月も平均より気温は高いと予想されている。夏の疲れや季節の変わり目による体調不良がでてくる時期でもあり、体調が悪いときは体温の調整機能も低下しているため、秋だから大丈夫!と油断せず、普段よりも熱中症に注意が必要。

そこで、2011年から官民一体で熱中症予防の啓発を推進している、本プロジェクトでは、国民の皆さんに分かりやすく啓発するため、長く暑い残暑を「居座り熱中症」と呼び、三宅康史先生と連携し、「居座り熱中症」の注意点を3つに取りまとめた。

「居座り熱中症」の3つの注意点は以下の通り。

1つ目、“夏バテ“と決めつけない!「居座り熱中症チェック」を習慣に。

だるさや食欲不振を“夏バテ”で済ませず、体温・水分・尿の色などをセルフチェック。

2つ目、“一気”は危険、グラデーションライフ。

長期休暇や夏休み明けに一気に元の活動レベルに戻さず、早寝早起きや朝食摂取を心がけ、自宅のエアコンを少しずつ緩めていくなど、生活リズムをゆっくり戻していくような対策をして体調を整えると良い。一気に衣替えなどもしない。

3つ目、 “二重リスク“に備える:暑さ×感染症対策。 
今年の夏は例年以上に暑さが厳しく、体に大きな負担がかかっている。そのため疲労がたまり、免疫力が低下しやすく、コロナをはじめとする感染症にもかかりやすい状況。

一方で、感染症対策として求められるマスク着用や室内の換気、密閉環境の調整は、熱中症リスクと表裏一体の関係にあるので、エアコンを正しく使って室温を下げる、定期的に換気を行い、空気を入れ替える、人混みや密集した環境ではマスクを活用しつつ屋外や距離を取れる場面では外すなど柔軟に両立させていくと良い。

「暑さ対策」と「感染症対策」を切り離さず、一体的に実施することが、健康を守るための最善策といえる。

総務省消防庁の発表などを受けて、この8月末~9月においては「居座り熱中症」と言えそうである。

特に厳しい暑熱環境にある職場においては、職場での熱中症対策がようやく広がってきた事もあるが、お盆明けの熱中症リスクを皆が再認識し、引き続き「居座り熱中症」に対する対策を意識する必要がある。

また、9月から2学期が始まる学童における熱中症対策も重要。例えば、日傘使用の許可、リラックススタートとともに、来年度以降、2学期開始を遅らせる等も検討し実施してほしい。いずれにしても、職場や学童のシーンにとどまらず、引き続き「居座り熱中症」への3つの対策が必要である。