『東リベ』シリーズでも共演 吉沢亮「どんどん役者としてステップアップしている」

――映画『東京リベンジャーズ』シリーズで共演経験のあるお二人ですが、今回は兄弟役だと聞いて、どう感じましたか?

吉沢:「出てくれるんだ!」というのが一番最初の率直な感想でした。『東リベ』の、特に1作目は彼自身まだ映画の経験が少なくて、そこからいろんな作品に出ているのを見て、どんどん役者としてステップアップしている印象がありましたから。「僕の兄貴役として出てくれるんだ」と嬉しい驚きでした。

実際に久しぶりに現場で会ってみると、監督との芝居の進め方だったり、現場での立ち振る舞いだったり、役者として、すごくいろんなものを経験してきたんだなと感じました。もちろん『東リベ』の頃も素晴らしかったですが、さらに素晴らしい役者になっていて頼もしかったです。

眞栄田:本当にありがたいです。でも、正直最初は「吉沢さんの兄貴!? マジか……大丈夫かな」という気持ちでした。同時に、間近で吉沢さんのお芝居を見られるというワクワク感もすごく大きかったです。

――兄弟という関係性を演じるうえで、意識されたことや、お二人で話し合われたことはありますか?

吉沢: 特別話し合ったことっていうのはないかもしれないです。そもそも、そういう話って現場であまりしないよね、役者同士で。

眞栄田:そうですね。話し合いというより、実際にやりながら決めていくような。

吉沢:実際に演じてみて、「あ、そう来るんだ」っていうのに対して「じゃあこうしようか」と対応していく感じでした。

眞栄田: 一緒のシーンは多くないのですが、個人的には、蘭丸と長可が450年の付き合いという説得力が少しでも伝わればいいなと思って意識していた部分はありました。

眞栄田郷敦「誘いはいつも兄から」兄弟とのエピソードも明かす

――蘭丸と長可は、お互い素直になれない関係性のように感じました。お二人はご自身のご兄弟とは、素直にコミュニケーションが取れるタイプですか?

吉沢:うちは普通ですね。男4人兄弟なんですけど、今でも普通に連絡を取っていますし。学生時代は多少ギスギスした時期もあったかもしれないですけど、20代を過ぎてからは仲もいいです。

眞栄田:兄(新田真剣佑)とはわざわざ会ったりはしないんですけど、何かあれば連絡取り合ったりはしますね。たまに「サウナ行こう」とか、「ジム行こう」「ご飯行こう」とか、向こうから来ます。

吉沢:彼、最近めちゃくちゃサウナ好きじゃない?

眞栄田:最近ハマってません?

吉沢:だよね。俺にもめっちゃ連絡来るんだけど(笑)。

眞栄田:ですよね、ちなみに僕は行ったことないです(笑)。

――お誘いはお兄さんの方から来ることが多いんですか?

眞栄田:そうですね。僕の方から誘うことはあまりないかも。連絡の頻度は多くなくても、言いたいことは何でも言い合える関係性です。

――お二人がもし現実で兄弟だったら、どんな関係性の兄弟になりそうですか?

眞栄田:吉沢さんが兄貴で、もういろんなもの買ってもらって、おいしいご飯もたくさん食べさせてもらって……って感じです(笑)。

吉沢:こんな風に言っていますけど、彼は結構寡黙なタイプで。僕も割とそうなので、たぶん家の中では静かだと思います。二人で黙々としているような感じじゃないかな。

――吉沢さんは、実際にご兄弟を甘やかすようなタイプでしたか?

吉沢:甘やかすってほどではないですけど、服をあげたりはします。まあ彼(眞栄田)は、良い服をたくさん持ってるので。

眞栄田:いやいや、僕、意外と服買わないんですよ?(笑)。

関口メンディーからのアドバイス “裸の付き合い”で感じた距離の縮まり

――吉沢さんは、実際の銭湯でロケを行ったと伺いました。現場の雰囲気はいかがでしたか?

吉沢:何人も集まって一緒にお風呂に入る、いわゆる“裸の付き合い”みたいなことが、現場の人たちとできたのは、純粋に楽しかったです。ただ、原作の蘭丸が結構体バキバキなので、お風呂のシーンでも魅せていかないとと思ってパンプアップしたりしていたんですけど。

眞栄田:そうだったんですね。

吉沢:この作品って、 彼(眞栄田)も大きいし、何より現場に脳筋番長(関口メンディー)もいたので、どうしてもそっちが目立ってしまって。僕なんかひょろひょろに見えちゃって、ちょっと悲しくなりました(笑)。

――メンディーさんから筋トレについて指南されたことも?

吉沢:結構いろいろ聞いていました。「今、ベンチ何キロ上げているんですか?」とか。現場でトレーニングの話はよくしていました。

――にぎやかな撮影現場ということで、笑いが絶えなかったのではと思いますが、ご自身や周囲のお芝居で、思わず笑ってしまったシーンやハプニングがあれば教えてください。

吉沢:バンパイアの役なので、撮影中は牙を装着していたんですけど、叫ぶとそれが結構取れちゃうんです。いわゆる“入れ歯の取れたおじいちゃん”状態になることがあって。それがコメディタッチのシーンだったりすると、後を引きずるレベルで笑っちゃって。

眞栄田:蘭丸は大体叫んでません?

吉沢:そう。だから結構な頻度で取れていたし、葵ちゃん(原菜乃華)とのシーンは、特に取れがちでした(笑)。

眞栄田:僕はあまりコメディシーンがなかった方なんですけど……最後の満島(真之介)さんとのシーンは、シリアスな場面なのに笑っちゃいました。あそこはスタッフもみんな笑いをこらえていました。

――今回はコメディの中に歌の要素もありましたね。

吉沢:事前に「歌がある」という話は聞いていたんですけど、もっと“おもしろ寄り”の曲になるのかなと思ってたんです。で、音源が来たら、普通にかっこいい曲だったので、「これ、歌えるかな」とちょっと不安になるくらいでした。

眞栄田:楽曲めっちゃおしゃれでしたよね。

――他に大変だったシーンなどはありましたか?

吉沢:ラストのバトルシーンは、爪で戦うからこその難しさはありました。剣だったらもう少しイメージしやすいんですけど、爪が伸びるっていうのが、どう動かせばいいのかイメージをつかむのが難しかったです。あと、二人でワイヤーアクションで飛んで刺し合う場面。あそこ、めちゃくちゃ怖かったです。

眞栄田:体勢がかなり難しかったですよね。体育館で3~4メートルくらい、一気にふわーっと飛ぶし、勢いがすごいからぶつかりそうになるし。

吉沢:そうそう。それでケガをしないように気をつけるのと、僕は高いところ苦手なので、それを顔に出さないようにするのとで、そこがかなり大変でした(笑)。

■吉沢亮
1994年2月1日生まれ、東京都出身。2009年にデビュー。『キングダム』シリーズ(19~)、『東京リベンジャーズ』シリーズ(21・23)などの人気作に出演。2021年には大河ドラマ『青天を衝け』(21)で主演・渋沢栄一役を務めた。2025年には主演映画『国宝』(25)が公開され話題に。日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞など受賞歴多数。NHK 2025年度後期連続テレビ小説『ばけばけ』への出演も控える。ヘアメイク:小林正憲(SHIMA) スタイリスト:荒木大輔

■眞栄田郷敦
2000年1月9日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身。2019年公開の映画『小さな恋のうた』(19)で俳優デビューし、以降『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(21)、『東京リベンジャーズ』シリーズ(21・23)、『ゴールデンカムイ』(24)など話題作に次々と出演。2021年には石原裕次郎新人賞、2024年にはエランドール賞 新人賞を受賞。近年は大河ドラマ『どうする家康』(23)、映画『ブルーピリオド』(24)などにも出演し、幅広いジャンルで活躍中。ヘアメイク:MISU(SANJU) スタイリスト:stylist MASAYA(PLY)