視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、テレビ画面に視線を向けていた人の割合がわかる「注目度」の週間番組ランキング(6月30日~7月6日)をまとめた。
前週を上回る数値をマーク
この週のランキングは、フジテレビで一挙放送された『鬼滅の刃』シリーズが前週を上回る圧倒的な存在感を示した。個人全体ランキングでは、5位に『特別編集版「鬼滅の刃」遊郭決戦編』(63.9%)、7位に『刀鍛冶の里繋いだ絆編』(63.3%)、10位に『刀鍛冶の里敵襲編』(62.1%)と、トップ10圏内に3作品が堅実にランクイン。コア視聴層においても5位、7位、9位にそれぞれ位置し、幅広い世代から変わらぬ支持を獲得している。
7月18日の劇場版「無限城編」公開まで残すところ2週間となり、全七夜特別放送も佳境に突入。7月3日の『遊郭決戦編』では宇髄天元と上弦の陸との死闘が、4日の『刀鍛冶の里敵襲編』では炭治郎が刀鍛冶の里で霞柱・時透無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃と再会し、忍び寄る鬼の影との対峙(たいじ)が描かれた。そして6日の『繋いだ絆編』では、上弦の肆・半天狗と上弦の伍・玉壺に立ち向かう激闘が展開された。
連日の放送にもかかわらず視聴者の熱量は衰えることなく、『鬼滅の刃』が持つコンテンツ力の強さが、この週も証明される結果となった。
『あな奪』最終回に「涙崩壊でした」
食品事故で子どもを失った母親が、事故を起こした惣菜店の社長の娘を誘拐することから始まった『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)は、11年に及ぶ復讐と親子愛の物語がついに結末を迎え、最終回は個人全体で3位(66.2%)と高い数値を記録した。
最終話では、美海(一色香澄)を本来の家へ帰し、生きる気力をなくした紘海(北川景子)が、周囲との対話を経て再び前を向く。一方、梨々子(平祐奈)に人生を狂わされた玖村(阿部亮平)は、食品事故の真相と誘拐の事実をSNSで告発。これを受け、旭(大森南朋)は会見で、紘海と美海が親子として生きていくことを認めるという異例の決断を下した。
そして最終回のクライマックスで、劇中で描かれてきた美海の鉄道への深い愛情が、物語の重要な伏線だったことが明らかになった。美海が一人で向かった場所は、鉄道ファンの聖地として知られる姨捨駅だった。この駅の最大の特徴は、険しい斜面を克服するために採用された「スイッチバック」という独特な運行方式だ。
前進と後退を繰り返しながら高度を上げていくこの仕組みは、人生における挫折と再起、過去との対峙と前進という本作のテーマを象徴的に表現していた。旭が経営するスーパーマーケットの名称も「スイッチバック」であり、複数の要素が絶妙に絡み合う構成に、視聴者は深い感銘を受けた。
放送後、X(Twitter)では世界トレンド・日本トレンドともに1位を獲得。「最終回涙崩壊でした」「良かった。一番いい終わり方です」といった感想が寄せられ、緻密に構築された物語は、多くの視聴者の心に深い余韻を残す結末となった。