三井住友トラスト・資産のミライ研究所は6月26日、住宅ローンについての調査結果を発表した。調査は2025年1月、全国の18~69歳(関連業種(金融、調査、マスコミ、広告)従事者を除く)11,435名を対象にインターネットで行われた。

約3人に1人が住宅ローンに"後悔"

住宅ローンを返済中の方に、住宅ローンに対する後悔の有無を尋ねたところ、35.4%が「何らかの後悔している」ことがわかった。

  • 住宅ローンに対する後悔の有無(回答者数:住宅ローン返済中の方1,227名)

後悔の有無について、住宅ローンを借り入れた時期ごとにみると、最も借入時期が古い1991年~2000年に住宅ローンを借り入れ、現在も返済中の人(返済期間25年間~34年が経過している人)では、41.5%が「後悔あり」と回答しており、長期に渡る返済が、心理的・経済的な負担となっている可能性が伺える。

また、借入時期が最近になるほど、「後悔あり」の回答割合は減少するものの、直近の2021年~2024年で借り入れた人の「後悔あり」割合はやや増加しており、足元の金利上昇なども影響している可能性がある。

  • 住宅ローン借入時期別 住宅ローンに対する後悔の有無

住宅ローンに対する後悔として最も多かったのは、「借入金額を少なくすればよかった(30.1%)」。次いで「頭金の割合を多くすればよかった(24.9%)」、「借入期間を短くすればよかった(16.7%)」となった。また、「保障内容(疾病保障特約など)を充実させればよかった(13.8%)」も上位に挙げられており、借り入れ後に自身の健康リスクへの意識が高まり、「より手厚い保障を事前に検討すべきだった」と感じる人が少なくないものと思われる。

  • 住宅ローンに対する後悔の上位5項目

この結果についても住宅ローンを借り入れた時期ごとに確認したところ、最上位に挙がる項目は「借入金額を少なくすればよかった」「頭金の割合を多くすればよかった」が共通してみられた。

他方、「借入期間を短くすればよかった」は、借入時期が古い(=返済期間が長い)ほど上位にランクインする傾向がみられた。借入期間に関する後悔は、借り入れ当初には実感しにくいものの、長年にわたる返済を経験する中で、その「道のりの長さ」に気付き、後悔する人が増えているものと思われる。

また、借入金利に対する後悔も、2021年以前は「固定金利ではなく変動金利にすればよかった」が挙げられていたものの、2021年以降では「変動金利ではなく固定金利にすればよかった」に変化しており、時代ごとに多く選ばれていた金利形態の推移が伺える結果となっている。

  • 住宅ローン借入時期別 住宅ローンに対する後悔の上位5項目

ペアローン利用者の5人に1人が後悔

次は、住宅ローンに関する後悔を、「借入形態(単独ローンでの借入れか、ペアローンでの借入れか)」に分けて分析をしてみたところ、住宅ローンに関して「後悔あり」と回答した人の割合は、単独ローンでは36.2%だったのに対し、ペアローンでは41.6%とより高い割合になっていることがわかった。

  • 借入形態別 住宅ローンに対する後悔の有無

さらに、後悔の内容についてみてみると、単独ローンを利用した人は、「借入金額を少なくすればよかった」「頭金の割合を多くすればよかった」と、先ほどの図表でも上位に挙がっていた内容が多く見られた。

一方で、ペアローンを利用した人では、「ペアローンではなく単独ローンにすればよかった(22.4%)」が最も多く、5人に1人はペアローンで借り入れたこと自体に後悔していることがわかった。

また、「保障内容を充実させればよかった」が、他のランキングに比べても上位に挙げられている。ペアローンでは借主が2人となるため、どちらかに万が一のことがあった場合のリスクも、ケースによっては大きくなる。その分、しっかりと備えておくことの重要性を、より強く感じている人が多いようだ。

  • 借入形態別 住宅ローンに対する後悔の上位5項目