『花子とアン』では、主人公・花子の親友・蓮子(仲間由紀恵)の3人目の夫・宮本龍一役を演じた中島。「駆け出しだったというのもあって全然うまくできなくて。それがトラウマになっているんだなと、今回準備しながら思いました」と打ち明け、「だからこんなに頑張れた」と語る。
今回手応えを感じることができたものの、今後も「トラウマはずっとあると思います」と言い、それが自身の原動力になっているという。
「『花子とアン』で簡単に認められていたら、こんなに芝居の勉強や訓練はしなかったと思います。今すごく芝居することが楽しくて、自分の想像を表現できるようになっていて、当時のつらい経験があったから今があるのかなと思います」
そして、『あんぱん』も自身にとって大切な経験に。
「朝ドラに出られたということが大きいですね。影響力が強いですし。11年前に出演した時は仕事が増えるということはなかったですが、幸いなことにいろんな素敵な演出家や監督に出会えて、すごくいい経験を積ませてもらって、舞台や映画で育ててもらい、そしてまた大舞台に出ることができ、これまで出会った人たちに本当に感謝だなと思いますし、これからも謙虚に取り組んでいかなきゃいけないなと思います」
さらに本作でも課題が見つかったそうで、「現代口語ではなかったり、制限がある中で心を振り絞った演技ができたという手応えがありますが、そこでまた課題も見えました。お母さん役の神野三鈴さんの芝居を見て、すごくいいなと感動して。今まで一生懸命リアリティを追いかけていましたが、もっと見せていく芝居、なおかつ、心がこもっていて演技に今後トライしたいなと思います」とさらなる成長に意欲を見せていた。
1988年10月7日生まれ、宮城県出身。2013年、舞台『黑蜥蜴』で俳優デビュー。初主演映画『グッド・ストライプス』(15)で第7回TAMA映画賞最優秀新進男優賞、映画『いとみち』(21)、『偶然と想像』(21)で第35回高崎映画祭最優秀助演俳優賞を受賞。近年は、ドラマ『不適切にもほどがある!』(24)、『海のはじまり』(24)、映画『サイレントラブ』(24)、『四月になれば彼女は』(24)、『ナミビアの砂漠』(24)、『HAPPYEND』(24)、『敵』(25)などに出演。映画『ルノワール』が現在公開中。2026年放送の大河ドラマ『豊臣兄弟!』で浅井長政役を演じる。
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