lead=俳優の横浜流星が主演を務める大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ ※きょう22日は19:14~ ほか)で松前家第八代当主・松前道廣を演じているえなりかずきにインタビュー。大河ドラマ初出演の感想や役作りについて話を聞いた。

  • 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』松前道廣役のえなりかずき

    大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』松前道廣役のえなりかずき

江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。えなりが演じる松前道廣は、自由奔放で非道な人物で、「北辺に巣食う鬼」と恐れられている。御三卿の一橋治済(生田斗真)などとも親交があり、蝦夷の上知を進めようとする田沼意次(渡辺謙)に対して、政治的な駆け引きを実行していく。

2023年度後期の連続テレビ小説『ブギウギ』で朝ドラ初出演を果たした際、「次は大河ドラマに出たい」と話していたえなり。早くも実現し、大いに喜んだという。

「1年経たないくらいでお話があったので、本当にびっくりしましたし、うれしかったです。どんな役柄でも大河ドラマに出演させていただけるならやりますという気持ちでしたが、脚本を読ませていただいたら、物語も面白い上に役柄もトリッキーな感じだったのでうれしかったです」

芸能界の仲間たちも大河ドラマ出演を祝福。くりぃむしちゅーの上田晋也は「よかったじゃん」と喜んでくれたという。カズレーザーとのクイズ練習会でも大河ドラマの問題が出るたびに「いつか出たいな」とつぶやいていたそうで、「カズ先生からも『よかったですね』というコメントをいただきました」と明かした。

6月1日に放送された第21回では、酒宴の余興として、ミスをした家臣の妻を桜の木に縛り付けて頭上の的を狙って火縄銃を発砲。妻は泣き叫び、夫は許しを請い、2人とも失神してしまった。えなりの怪演にSNSでは「サイコえなり」「えなりかずき、改め えなりかず鬼。」「悪役ハマるな~~」「えなりかずきが怖すぎた」「サイコパスすぎる」などと大きな話題を呼んだ。

“いい人”というパブリックイメージとかけ離れた役で新境地の演技を見せたえなり。「こんな悪い役をやるの初めてで、楽しかったですし、やりがいはありました」と述べ、知り合いからもたくさん連絡が届いているそうで「『めちゃくちゃ怖かった』というコメントは絶対いただく」と反響を明かした。

えなり自身、当初は道廣役に「怖い」という印象を抱いていたものの、チーフ演出の大原拓氏から「本人の中では普通のことだから怖いと思わないでほしい」と言われ、「これを怖いと思わないでやらなきゃいけないんだ」というマインドに変えたという。

役作りの参考として大原氏から例に挙げられたのが、三池崇史監督の『十三人の刺客』で稲垣吾郎が演じた松平斉韶で、それよりも「もっとニコニコして人を刺す感じ」と演出を受けたという。それ以降、「悪い人をやるという観念を一切取り払いました」と言い、稲垣の演技を見て「これぐらいのことを自分はこれからするんだぞと、気合いが入りました」と語った。