火縄銃で人を的にするシーンについても、「趣味でやっている」という解釈で演技。徐々に調整していき、何度もテイクを重ねて撮影したという。
「最初は悪い大名のイメージで演じていましたが、『どんどん力を抜いてください』『もっと楽しく明るくいきましょう』とディレクションを受け、最終的には「『幸楽』でラーメンを運んでいた時と何も変わりがないようなセリフの言い方にしたら、それが採用されました」とえなり。
銃に慣れるため、個人的にグアムで射撃の自主練も。「人生で1回も銃を撃ったことがなかったので、射撃はどんなものなんだと。火縄銃は射程距離が50メートルぐらいなので、同じくらいの反動の弾でずっと練習していました」と振り返った。
銃を撃つことに慣れたものの、発射音には慣れてなかったそうで、撮影では「驚いてしまって何テイクかNGが出ました」と明かす。
「グアムの練習は防音のイヤーマフをつけるので全然聞こえないんですけど、実際は火縄銃の火薬が爆発するのを生の耳で聞かないといけなくて、ビクっとしちゃいけないという心構えは必要でした。僕はビビりで、クラッカーも引けない人なので(笑)」
どうして道廣は人を的にする遊びを楽しむような極悪非道な人物になってしまったのかという、自身の解釈も語ってくれた。
「お父さんが亡くなり12歳で家督を継ぎ、松前はお米が取れないので商売で生きていくしかなかった。アイヌの方々との貿易で生きていくのですが、自分が責任者としてやらなきゃいけないという重圧から感情が壊れてああいうことをし始めてしまったんだろうなと。財力も人脈もあり、そこで遊びが変わってしまったという認識で、かわいそうな人だと思って演じました」
長年の目標だった大河ドラマへの出演を果たし、「大河ドラマの中でも、自分も視聴者として大好きな『べらぼう』に出演させていただき、こんな素晴らしい役をいただいたからには、これからもっとキャリアアップしていかないと、NHKさんにも『べらぼう』さんにも申し訳ないので、身を引き締めて頑張りたい」と気持ちを新たにするえなり。「大河ドラマにもまた出演したいです。呼んでいただけるように頑張ります」と力強く語っていた。
1984年生まれ。3歳でデビュー。4歳の時『ホットドッグ』でドラマデビュー。その後、ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』に出演。主な出演作は、ドラマ『ブギウギ』をはじめ、『オヤジ・ロック』(藤子・F・不二雄SF短編ドラマ シーズン3)、『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』、『Qrosの女』など。バラエティ『くりぃむクイズ ミラクル9』、『相葉◎×部』など。
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