フジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』(毎週水曜22:00~)の最終話(25日放送)が、FODで先行配信されている。
主人公は、命の最前線=修羅場で、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスーパー救命医・杏野朱羅(松本若菜)。命を助けたい、その純粋な思いと卓越した技術で患者を救う姿を描く。
【最終話あらすじ】保の研修最終日に朱羅が負傷
救急外来の休憩室で薬師寺保(佐野晶哉)が外科の教科書を真剣に読んでいる。保にとってこの日が救急科の研修最終日で、翌日から外科の研修に移るという。大黒修二(田辺誠一)は杏野朱羅に「薬師寺ともお別れだぞ」と伝えるが、朱羅は「ふーん」と興味なさげに答え、その反応に保はショックを受ける。次の瞬間、朱羅が「…来る」とつぶやき、患者が運び込まれてくる。その患者は不穏状態にあり大暴れ。患者から仲間を守ろうとしたその時、朱羅は右こめかみを負傷し流血してしまう。
朱羅は念のためと頭部CTスキャンを受ける。目立った所見はなくひと安心する一同だったが、朱羅の様子がどうもおかしい。その後、運び込まれてくる別の患者の処置に当たる朱羅だが、いつも通りできず処置に手間取ってしまう。翌朝、保が救急科のメンバーに異動のあいさつをしていると、朱羅が前日に治療した患者の容態が急変したという連絡が飛び込んできて…。
また新たな修羅の顔を見せる松本若菜
数々の患者を救ってきたスーパー救命医・朱羅。最終話はどのような“修羅場”をどのような素晴らしい手技で切り抜けるのだろうか?と期待していたが、その朱羅にまさかの危機が及ぶ。病魔が朱羅を襲い、手術を行うことができない状態に。しかもその病気は症例数も少なく、手術の難易度は高い。
松本の演技と見事な感情表現には、最後までやはり惹きこまれる。「目の前の命を見捨てることなどできない」という意志がはっきりとわかる凛とした強さ。そして次第に、怒りや葛藤、悩みの感情をこれまで我々は見てきた。
しかし今回、さらに新たな朱羅を見ることに。決して感情を言葉にはしないが、よく視野が見えないことへの焦り。患者を助けることができないことで失意のどん底にいることがわかる悲しみ。そして自分の病は治るのだろうかという不安――いつもの強い目力はなく、自然と伏し目がちで戸惑いも見える。そんな時でも患者が優先で、「助けられていたはずの命がこぼれてしまう」と自己嫌悪に陥る。病を押してでも“命を助けたい”という強い想い。それが伝わるがゆえに、心身共にこんなにも追い詰められた朱羅を最終話で見ることになるとは…切なさで胸が痛くなる。
朱羅が保に“伝えたかったこと”とは
一方で救急科の研修を終えた保。一見味けない挨拶を交わす朱羅だが、本当に保に伝えたかったことは違ったようだ。朱羅が臆することなく感情を露わにして保に訴えかけるシーンは涙なくしては見られない。
かつて絶体絶命の危機から命を救った阿含百合(片平なぎさ)。朱羅が最も信頼を置く多聞真(渡部篤郎)。外科医としてスペシャリストの腕を持つ六道ナオミ(小雪)。そして朱羅に心を突き動かされた大黒修二(田辺誠一)、梵天太郎(荒川良々)をはじめとした救急科のメンバー。彼らが大事なことに気が付き、“朱羅を助けたい”という想いが一つになっていくシーンは、熱いものがこみ上げる。
そして朱羅も、新たなる決意を胸にする。最終話だと言うのに、彼らのこれからがまだまだ観たい。