フジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』(毎週水曜22:00~)の第9話(11日放送)が、FODで先行配信されている。

主人公は、命の最前線=修羅場で、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスーパー救命医・杏野朱羅(松本若菜)。命を助けたい、その純粋な思いと卓越した技術で患者を救う姿を描く。

  • 荒川良々=『Dr.アシュラ』第9話より (C)フジテレビ

    荒川良々=『Dr.アシュラ』第9話より (C)フジテレビ

【第9話あらすじ】病院を訪れた妊婦は梵天の妻だった

患者を“命の修羅場”から救いたい。その純粋な思いで救命を続ける朱羅は、ほとんど家に帰ることがなく、病院の屋上でテント生活を送っている。救急科・科長の大黒修二(田辺誠一)に「屋上のテントは片付けたのか?」と言われても適当にあしらう始末だ。しかも、空腹に耐えかねて大胆にバーベキューをし、テントの外にまで洗濯物を干す。さらに充実し、生活感は増す一方。はたしてどこまでエスカレートするのか。

大黒に口うるさく叱られながら病院の廊下を歩いていると、うずくまっている妊婦(村川絵梨)を見つける。朱羅と大黒は慌てて駆け寄り、妊婦を初療室に運んで手当てすると、妊婦は朱羅や大黒、看護師の三宝加代子(阿南敦子)の名を呼んで礼を述べる。名前を知っていることに驚く朱羅たち。するとそこへ梵天太郎(荒川良々)が「美鈴!!」と駆け寄ってくる。ニコニコと笑顔を振りまく美鈴は梵天の妻だったのだ。

一方、自動車にはねられ外傷を負った少女が運び込まれる。意識はあるものの、こちらの呼びかけへの反応に乏しい状態だった。朱羅は耳が聞こえていない可能性を悟り、筆談を試みる。するとそこへ彼女の父が飛び込んでくる。しかし、父親の姿を見るなり娘の表情が曇り…。

両親を失ったからこその朱羅の説得力ある言動

搬送された少女は、父との関係がぎくしゃくしているように見える。その上、「生まれてこなければよかった」とまで言う娘の言葉に、もうじき妻の出産を控えている梵天は気が気でない。

そんな梵天は、これまで“医師”としての様々な表の顔を見せてきた。心臓外科医としての自信に満ちた顔、そしてそれが崩れた時の焦りと喪失。さらに慣れない救急科に異動してからの不安そうな様子だ。

しかし今回、出産を控えた妻が登場したことで、 “夫”であり、もうすぐ“父”となる別の姿を見せている。病院で張り詰めている分、家ではまた違う姿を見せていたのだろう。

なかなか子どもができないことへの苦悩を抱えていたがゆえに、我が子との対面に心待ちの梵天。身重の妻に代わって家事をこなす姿、検診で撮った写真を見入る柔和な表情、そして高齢出産のリスクに不安な気持ちを抱く美鈴を懸命に気遣う様子には、こちらまで温かい気持ちになる。院内の梵天からは想像できず、また新たな、そしていい意味での裏の一面が見えた。

“子”を通して2組の家族の形を見る今回の第9話。生まれてくることの大変さ、大切さ。親が子を思う気持ちや名前に込めた思い。親はどんな時でも、子どもに対して生まれてきてくれたことに感謝していることを改めて考えさせられる。そしてストレートではあるが、両親を失ったからこその朱羅の言動には説得力があり、優しさを感じた。

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