リクルートは6月18日、「じゃらん 夏に訪れたい世界遺産ランキング」を発表した。調査は2025年4月11日~4月14日、47都道府県在住の20代~50代1,036名を対象にインターネットで行われた。
1993年に日本で初めて登録された世界遺産。毎年増え続け、2025年3月時点で文化遺産21件、自然遺産5件の計26件が登録されている。数ある魅力的なスポットのなかから、今回は"夏に訪れたい"をテーマにアンケートが実施された。
1位「小笠原諸島」(東京都)
夏に訪れたい世界遺産1位は東京都「小笠原諸島」が獲得した。東京都心の南方約1,000kmに位置する父島や母島とその周辺の島々で、火山活動によって形成された「海洋島」。夏は、"ボニンブルー"と呼ばれる透明度抜群の海での海水浴やダイビングのほか、イルカと泳ぐアクティビティのほか、夜には満天の星と天の川が見られる「スターウォッチング」もあり、自然と海を満喫できる。
2位「知床」(北海道)
2位には北海道の「知床」がランクインした。日本最北端の世界遺産で、車を使って世界遺産の中に入ることができ、手つかずの自然や豊かな陸・海の生態系を見られる。観光船では、陸路ではたどり着かない秘境へ赴くことができる。なかでも小型船は、海岸線ギリギリまで近づくことが可能なので、野生動物の営みを肌で感じることができ、知床岬の海岸段丘を身近に感じられる。また、知床は8月でも最高気温が26度ほど(2024年8月宇登呂の最高気温の平均値)と、涼しく過ごせるのも特徴だ。
3位「白神山地」(青森県・秋田県)
続く3位の青森県・秋田県「白神山地」は、日本で最初に登録された世界遺産のひとつ。青森県南西部から秋田県北西部にまたがる広大な山地で、東アジア最大級のブナの原生林が広がっており、氷河期を生き延びた貴重な生態系が残されている。春から夏の正午ごろが最も青く美しい姿を見せるといわれる「青池」や、4月~11月のみ立ち入れる「十二湖」でのトレッキングなど、涼しい気候の中で自然観察ができる。
4位「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県・沖縄県)
4位は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」だった。日本の南西部に位置する島々で、亜熱帯の常緑広葉樹林が広がり、アマミノクロウサギやイリオモテヤマネコなど、エリア特有の希少な動物が生息している。奄美大島でのシュノーケリングやダイビングから徳之島でのウミガメ観察、沖縄県北部でのリバートレッキング、西表島のマングローブクルーズまで、どの島にも夏ならではの魅力が満載だ。
5位「屋久島」(鹿児島県)
5位の「屋久島」は、白神山地とともに、日本で最初に登録された自然遺産のひとつ。樹齢数千年の縄文杉をはじめとする屋久杉が生息し、島全体が原生的な森林に覆われている。夏は縄文杉トレッキングのほか、透明度の高い安房川でのカヤック体験、海辺ではウミガメ観察など豊かな自然とアクティビティが楽しめる。
6位「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」(山梨県・静岡県)
6位の「富士山」は古くから山岳信仰の対象として崇められ、絵画や文学作品にも影響を与えたことから「文化遺産」として登録されている。7月~9月に登山シーズンを迎えるほか、富士五湖ではカヌーやSUPなどのウォータースポーツが楽しめる。また涼を感じながら散策ができる白糸の滝など、自然と文化を同時に堪能することができる。
7位「嚴島神社」(広島県)
7位は広島県の「嚴島神社」だった。日本三景のひとつ「安芸の宮島」で知られる厳島。潮の干満で変化する社殿の姿が美しく、満潮時は、まるで海に浮かんでいるように造られた荘厳な社殿群の様式は、約850年前に平清盛が修造させたものとされている。大鳥居がライトアップされる夏は、ひときわ神秘的。宮島を巡るナイトクルーズでは、昼とは違う景色を見ることができる。
8位「琉球王国のグスク及び関連遺産群」(沖縄県)
8位は「琉球王国のグスク及び関連遺産群」だった。沖縄本島を中心に点在する「グスク(城)」や関連する遺跡群を含め、琉球王国の歴史と文化を感じられる貴重な遺産で、今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡、首里城跡など9つのスポットで構成されている。特に夏は青空と城壁のコントラストが美しく、歴史と自然を感じながらの散策にぴったりだという。
9位「白川郷・五箇山の合掌造り集落」(岐阜県・富山県)
9位は「白川郷・五箇山の合掌造り集落」だった。日本の原風景ともいえる美しい景観を持つ独特な合掌造りは、叉首(さす)と呼ぶ材を合掌形に組んで棟木(むなぎ)を支える構造で、急勾配の茅葺き屋根が印象的。夏の白川郷・五箇山は、緑豊かな絶景が広がり、避暑地としても最適で、涼しい気候の中でのんびりと過ごすことができる。
10位「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」(岩手県)
10位に選ばれたのは「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」。岩手県平泉町に位置し、仏教の浄土を表した寺院や庭園、遺跡が集まる貴重な文化遺産で、中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の5つで構成されている。毎年8月には「平泉大文字送り火」が開催されるなど、夏の平泉は、歴史と自然が調和した美しい景色を満喫できる絶好のシーズンとされている。