今年3月に終了したNHK Eテレの番組『バリバラ ~障害者情報バラエティー~』が、第62回ギャラクシー賞(主催:放送批評懇談会)でテレビ部門特別賞を受賞。2日、都内ホテルで行われた贈賞式に、出演者の玉木幸則さんとNHK大阪放送局の森下光泰チーフプロデューサーが出席し、喜びを語った。
月1企画でスタート「怒られたらすぐやめようと」
「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティのためのバリアフリー・バラエティ」として放送された同番組は、感動ポルノや部落問題など、これまでタブーとされてきたテーマにも切り込んできた。
脳性まひを持つ玉木さんは、森下CPらに手を携えられて登壇し、「今年3月に番組終わって、こうい舞台に立つとは夢にも思ってなかったんですけど、(番組を)見ていただいていたんだなあと思いまして、感無量です」と挨拶。
最初は番組内コーナーとして月1企画で始まったが、その理由を「怒られたらすぐやめようということだったんです」と語り、「それが意外や意外、評判が良かったので、まさか15年やるとは誰も想像してなかったです」と驚きを語った。
「Eテレなんで視聴率はあまり良くないんですけど(笑)」
番組に出演しての一番の収穫を聞かれると、「街で声をかけてくれる方がいっぱいいます。Eテレなんで視聴率はあまり良くないんですけど(笑)、全国どこに行っても“『バリバラ』見てますよ”と言ってもらえました。最近は“『バリバラ』終わって残念でした”とか、“またやらないんですか?”と声をかけてもらえます」とのこと。
その上で、「一番大事なのは、“あなたはあなたのままで生きていったらいい”ということを、他の番組でも伝えてもらえるとありがたいと思います」と願った。
森下CPは「玉木さんがよくおっしゃっていたのは、“しんどい時はしんどいって言ったええねん”ということなんです。それはすごく大事なことで、人に迷惑をかけたらあかんという価値観が強い社会では、ほんまにしんどい人は声を上げにくくてつらいはず。だけど、“しんどい時はお互い様”というメッセージを玉木さんはずっと発してくださって、そのことによってマイノリティの当事者だけじゃなくて、いろんな人たちに届いたんだと思います」と、15年にわたる長寿番組になった理由を述べた。