フジテレビ系オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語35周年SP ~伝説の名作 一夜限りの復活編~』が、きょう31日(21:00~)に放送。縁のある著名人たちから35周年を祝うコメントが寄せられた。
『世にも奇妙な物語35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~』では、『BLACK ROOM』(01年、主演:木村拓哉)、『夜汽車の男』(02年、主演:大杉漣)、『ロッカー』(90年、主演:織田裕二)、『美女缶』(05年、主演:妻夫木聡)、『恋の記憶、止まらないで』(19年、主演:斉藤由貴)を放送。
コメントを寄せたのは、『続・続・最後から二番目の恋』の脚本家で黎明期に執筆した、岡田惠和氏、2012年に『世にも』初の原作・脚本・出演の3役担当で脚本家デビューを果たしたバカリズム、『孤独のグルメ』の原作者で『夜汽車の男』原作『夜行』の著者・久住昌之氏、フジテレビで数々の名作ドラマを生み出し、『ズンドコベロンチョ』をはじめ『世にも』でも多くの作品を執筆した北川悦吏子氏、そして、今夜再び放送される『恋の記憶、止まらないで』主演の斉藤由貴、こちらも今夜放送される『夜汽車の男』主演・大杉漣さんの妻・弘美さんらだ。
コメントは、以下の通り。
■岡田惠和氏(『瞬』(1992)、『ガード下の出来事』(1993)・脚本)
「35周年おめでとうございます。私はたくさんは参加できませんでしたが、共に同じ時代を生きた思いがあります。一時間三話のオムニバスなので、監督たちが一秒の尺を本気で奪いあっていたのを横目で見てなんだか笑っていました。少しでも尺がほしいから「前回一秒貸したから今回は返してもらう」とか本気で言いあっていて。私が書かせてもらったのは「ガード下の出来事」というタイトルで、話のオチが聞けない謎の男の話でした。「ハイヌーン」という玉置浩二さん出演作がとにかく衝撃的に面白くて、それを撮った演出の坂本太郎さんと組めて緊張したし、幸せでした。しかも菅原文太さんが主演、上野顕太郎さんの原作。すごいです。今でも好きな、いい想い出です。これからもいつまでもドラマが続きますように祈っております。世界はいつだって奇妙ですから」
■バカリズム(『来世不動産』(2012)原作・脚本・出演)
「35周年おめでとうございます。12年前、「来世不動産」で原作・脚本・出演をさせていただき、それがドラマの脚本の仕事をいただくきっかけとなりました。『世にも奇妙な物語』は、僕の脚本活動の原点です。もしあの時お声がけいただかなかったら、きっとその後も脚本を書くことはなかったと思います。これからも変わらず“奇妙な物語”を作り続け、40周年の際にもまたコメントさせていただけると嬉しいです」
■久住昌之氏(『夜汽車の男』(2002)原作)
――今回復活放送される作品の想い
「初めてオンエアされたのを見た時は、正直、ちょっとがっかりしました。主人公の食のこだわりの「理由」が少年時代にさかのぼって描かれていたから。ボクはそういう「どうしてかというと」はマンガに一切描いてなかったので。だけど、時間が経つに従って「ドラマはマンガと違うから」という気持ちが強くなり、素直にこれはこれで面白いと思うようになりました。さらに大杉漣さんの演技がよくて「あの時こういうドラマになってよかったな」と思うようになりました。これはいつか書いておきたかった本心です」
――35周年を迎えた「奇妙」への想い
「ボクは短編ドラマが好きで、しかもそれがものすごく大変なこともわかるので、このシリーズが35年も続いたのはすごいと思う。ボクの描いてきたマンガも全て『世にも奇妙な物語』みたいなものです。ボクのキャリアの隣にずっとあった番組と言えます」
――視聴者のみなさまへ
「『夜汽車の男』はボクのデビュー作のドラマ化です。ここには『孤独のグルメ』の原点があると思います。どうぞよろしく」
■北川悦吏子氏(『ズンドコベロンチョ』(1991)脚本)
「『世にも奇妙な物語』は私が、まだ連ドラデビュー前の20代の頃、本当にたくさん書かせてもらいました。『ズンドコベロンチョ』は今も語り継がれる名作(迷作?)になりました。深夜から、ゴールデンに移行する頃に、たくさん書いた記憶です。立ち上がりから知っています。このような長く続く番組が、これからもたくさん生まれることを期待します」
■斉藤由貴(『恋の記憶、止まらないで』(2019)主演)
――今回復活放送される作品の想い
「怖い役の方々が皆さんものすごく温和で優しくて朗らかだったので、「これがホラー撮影の内幕か…!」と感動した覚えがあります(笑)。なので、撮影は怖いというよりとても面白かったです」
――35周年を迎えた『世にも奇妙な物語』への想い
「一つのシリーズが35年の長きにわたって愛され支持されるのは本当に並大抵のことではありません。それほどまでに視聴者の方々の心を掴む、稀有な作品に参加でき、しかもこのように記念の企画に選ばれたことが本当に名誉です」
――視聴者のみなさまへ
「不条理、不可解、恐怖、はたまた、滑稽。人間の心の闇を、短い分数の物語の中で、そっと覗く体験を、どうぞお楽しみください。見逃し配信がないというのが、『世にも奇妙な物語』っぽいですし」
■大杉弘美さん(『夜汽車の男』主演:大杉漣 夫人)
「【さまざまな奇妙な物語】を生みだし続け35年、これからもそのエネルギーに期待いたします。今回、大杉漣が最多出演と初めて知りました。おそらく大杉本人も(えっ?そうなんだ)と驚いているかもしれません。『夜汽車の男』は独特な味わいがあります。気持ちをほころばせつつ、おたのしみいただければこの作品に関わられた多くの方々、そして大杉にとってとてもうれしいことだろうとおもいます」
■石井克人氏(『BLACK ROOM』(2001)脚本・演出)
――今回復活放送される作品の想い
「まず「世にも」の新作をとお声いただいた時、実は以前いた会社を独立しようかなと思っていた頃で、いくつか自主映画を書き溜めていて、そのうちの1本が「世にも」っぽかったので、タモリさんのシーンを付け加えて、すでに描き終えていた絵コンテを提出し、それが採用されました。その後、樹木希林さんの出演を交渉した際も面白く、久々のドラマ出演で、しかもシナリオが訳わからないのよ、と言っていまして、樹木さんがその時食事をしていた六本木のお店に呼ばれまして、隣でビール飲みながら「出てくださいよー」と言っていたのもいい思い出です、樹木さん曰く、脚本はよくわからないけど、娘さんが「出たほうがいいよ」と言ってくれたおかげで、出演してくれることになりました。ありがたいことです。オタク的な言い回しや、動き方がわからないのよー、とも言っていましたので、現場で僕がやりますから真似してくださいというと、ソレならやるわ!といってくださり、現場でも楽しく過ごしていただきました。志賀廣太郎さんも当時は、僕は演劇を教えてはいるけど、長めのドラマにはまだ出たことないから心配ですよーと言われていたのですが、CM制作で頻繁に出演していただいていたので、いつも通りで大丈夫ですよ志賀さん面白いから!と励ましつつの撮影でしたが、みなさん撮影が始まってしまえばノリノリで、現場の3日間を過ごしていました。特に木村さんの気合いは凄まじく、ずっと現場に居続けてナオキの芝居作りや掛け合いを楽しんでいました、ソレ以外に我修院さんの思い出も面白いのですが、これは作品視聴前だとネタバレになるのでやめておきます」
――35周年を迎えた「奇妙」への想い
「35年も続いているということで、すごい番組過ぎて、驚きしかないです、まだまだ続いてまた参加できたら嬉しいですね!」
――視聴者のみなさまへ
「奇妙な部屋で起こる密室劇です。楽しんで見ていただけたら幸いです!ありがとうございます、感謝しています!」
■鈴木雅之氏(『夜汽車の男』(2002)演出)
「『世にも奇妙な物語』を立ち上げたころ 私たちは皆まだ若く、30歳前後の駆け出しのプロデューサー 演出 作家 でした 別の仕事おわりに毎日集まり、ワイワイと何か月もかけてうわさのマキオの本をつくったのを思い出します それから35年も経ってしまったその35年 私も 数多くのドラマや映画をつくってきましたが その作品たちの原点は、間違いなく『世にも奇妙な物語』にあります。大切なことを、ほとんど奇妙を作りながら学んだと言ってもいいでしょう。そんな世にも奇妙な物語を、私は23本ぐらい撮っていると思いますが、その中でも『夜汽車の男は』気に入ってる作品の一本です。『世にも奇妙な物語』のコンセプトに貴方の身近にというのがあり、まさしく身近、世界観、ナンセンスの加減等々好みの要素がてんこ盛りでした。最近は少々世にも奇妙な物語から遠ざかってしまっていますが 私自身は 今でも『世にも奇妙な物語』を撮りたいと思っています。時代が変わると新しい奇妙の種が生まれます。まだまだ『世にも奇妙な物語』を楽しみましょう」
■筧昌也氏(『美女缶』(2005)演出・脚本)
――今回復活放送される作品の想い
「“美女缶”はこの春で放送からちょうど20年でした。自分の子どもが「成人式」を迎えた、おそらくそんな感慨です。しかも、その式は周年祭。黄金時間でハレの舞台。みなさんのお陰で今も愛されており、誇らしい想いです」
――35周年を迎えた「奇妙」への想い
「“奇妙”はトップクリエイターの登竜門。昔から憧れていました。「美女缶」制作に至る前、他の企画が何本も通らない悔しい時期を経て、自身の映画のセルフリメイクをプロデューサーの皆さんから提案して頂きました。事実上、私の「地上波ドラマ」監督デビュー作になりました。まだ27歳。素人同然だった私に賭けてくださいました。映画版、奇妙版のスタッフ、キャストは勿論。評価してくださった全ての縁に感謝します。35周年おめでとうございます。これからもクリエイターに寄り添った登竜門として、奇妙な扉を開き続けて欲しいと思います」
――視聴者のみなさまへ
「“美女缶”はこの番組には珍しい『純粋な』ラブストーリーです。放送から20年、このドラマの鮮度がどうなっているか?是非、リアルタイムでこの物語を開封してください」
■岩田和行氏(『恋の記憶、止まらないで』(2019)演出)
――今回復活放送される作品の想い
「数多くの作品の中から「恋の記憶、止まらないで」が選ばれたことを大変光栄に思います。この作品は、精神的にジワジワと追い詰められる怖さをいかに表現できるかをスタッフと共に追求しながら取り組みました。特に劇中で流れる40年ほど前の古い地方C Mは、滝が流れ落ちる森を舞台に選んだり、VHSテープの再生時に理想的なノイズが出るようにするなど、こだわりながら作りました。デッキ2台を繋げ、映像トラッキングのつまみを微妙にずらしつつテープを何度もコピーし、再生時も微妙な調整を施すことで、一時停止した際の気味の悪い映像のブレを生み出すことができました。CGでは作り出せない、アナログならではの生々しい怖さがある作品になっていますので、その辺りにも注目してご覧いただけますと幸いです」
――35周年を迎えた「奇妙」への想い
「“奇妙”は自由度が高く、新たな挑戦をさせてもらえる幸せを感じる一方で、演出家の個性が反映される部分も多いためプレッシャーも感じながら毎回奮闘しています。オムニバスという枠組みの中で、様々なスタッフが互いに切磋琢磨する環境があり、それが「奇妙」ならではの醍醐味であり、数々の魅力的な作品を生み出し35年続いてきた秘訣でもあると感じています。これからも、まずは40周年を目指し、視聴者の皆様に楽しんでいただける作品をお届けできるよう挑戦し続けていきたいと思います」
――視聴者のみなさまへ
「歌手でもある斉藤由貴さんに主人公を繊細に演じていただいたことで、視聴者の方が感情移入しながらのめり込んで観られる作品になっていると思います。また、CMに登場するイチキ游子さんをはじめ、この作品ならではの個性的なキャスト陣や、唯一無二の独創的な諸橋さんの脚本、脳内に染みついて離れない蓜島さんの中毒性の高いメロディ、透明感溢れる斉藤さんの美しい歌声などなど、数多くの見どころがある作品となっております。ぜひご覧になってください!」
■高丸雅隆氏(『世にも奇妙な物語35周年SP」プロデューサー)
「“ロッカー”を今回放送するにあたり、権利者を探したところ、奇妙な世界に迷い込みそうになりましたが、なんとか皆様にお届けできることになりました。ぜひ、お楽しみください。関わるすべての人が熱い想いで創り上げ、日本中で愛され35周年を迎えた『世にも奇妙な物語』。 そんな作り手の熱い想いを感じながら、ぜひ今夜の放送を楽しんでご覧いただきたい。もちろん今夜のためだけに撮り下ろされたストーリーテラーの登場パートも必見。リアルタイム配信・見逃し配信なし、一夜限りの復活放送、お見逃しなく」
【編集部MEMO】
ストーリーテラーのタモリは、23日に行われた『世にも奇妙な物語』初のファンイベントにビデオメッセージを寄せ、「コアな人たちが見てるんですけども、その人たちのおかげで35周年、本当に続けられることができたことは感謝いたしております。これからもますます番組を続けていく予定ですので、今後ともよろしくお願いします」と、さらなる継続に意欲を示した。
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