女優の今田美桜が主演を務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、朝田家の次女・蘭子を演じている河合優実にインタビュー。実生活では3姉妹の長女で、以前はのぶのようだったが大人になるにつれて蘭子のような立ち位置に変わってきたという自身の変化について話を聞いた。

  • 連続テレビ小説『あんぱん』のぶ役の今田美桜、蘭子役の河合優実、メイコ役の原菜乃華

    連続テレビ小説『あんぱん』のぶ役の今田美桜、蘭子役の河合優実、メイコ役の原菜乃華(左から)

長女・のぶ役は今田美桜、次女・蘭子役は河合優実、三女・メイコ役は原菜乃華

112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けている。

河合が演じている蘭子は、真面目で器用なしっかり者の次女。実生活でも3姉妹だが、次女ではなく長女とのことで、「私はのぶみたいな姉だったかもしれないです」と明かす。

「下の姉妹のこととか何も考えずに自分の進路を決めていったり、すごく自分勝手だったので。のぶはそれでもいい姉だと思いますが、私は本当に奔放にやってきたので、今になってもうちょっと面倒を見てあげればよかったなと思うこともあります」

大人になってから変化があったそうで、「一歩引いてみんなを見るということができるようになって、今は蘭子のような立ち位置な気もします。蘭子は影で支えたり、自分の行動によって家族が幸せになるように動いていると思いますが、やっと今、蘭子みたいな目線が持てている気がします」と語る。

いつも落ち着いている印象の河合だが、そうなったのも大人になってからだという。

「小さいときから1人で遊ぶようなところもありましたが、猪突猛進に進んでいくというか、みんなの前でリーダーをやることも多かったですし、家の中ではずっとしゃべっているし、いろんな面があります」

朝田家3姉妹に共感「補完し合う部分も、反発し合う部分もある」

そして、高校卒業してから「落ち着いているね」と1日に何回も言われるように。

「お仕事を始めたタイミングでそう言われるようになりました。1人の人として立たなければいけない環境になったときに、自分の中の落ち着いた部分、冷静な部分が強くなったのかもしれないです」

また、3姉妹の関係性について、「きょうだいによって違うと思いますが、みんな違うことをやりたがる面はあるのかなと。お姉ちゃんがこれをやっているから、私はこういうことで人の役に立てるかなとか。補完し合う部分もあるし、反発し合う部分もあるし、そういうところはすごくわかります」と共感。「うちの家は、朝田家の3姉妹みたいに相談し合います」と話した。

原豪(細田佳央太)が戦死し、その悲しみを乗り越える上でも、のぶとメイコは「すごく大切な存在」だと言い、「姉妹は親とも違うし、ちゃんと背中を押してもらったと思います」と語った。

そして、「6週、8週あたりで、蘭子は、曲げない強い気持ちがある人だというのが伝わるといいなと思っています」と述べ、今後も「言葉で気持ちを常に出している人ではないけれど、意外に思うほど人とぶつかり合うし、信念がある人」だという蘭子の魅力が視聴者に届くことを願っていた。

■河合優実
2000年12月19日生まれ。東京都出身。2019年にデビューし、映画『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』(21)での演技が評価され、各賞の新人賞などを受賞。2024年1月に放送されたドラマ『不適切にもほどがある!』で話題を集めた。主演映画『ナミビアの砂漠』『あんのこと』で第67回ブルーリボン賞、第98回キネマ旬報ベスト・テンなどで主演女優賞を受賞。近年の出演作にドラマ『RoOT / ルート』、劇場アニメ『ルックバック』、映画『敵』『悪い夏』『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』など。2025年度前期の連続テレビ小説『あんぱん』で朝ドラ初出演。映画『ルノワール』が6月20日公開予定。

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