フランス発の世界的ホテルチェーン「アコー」グループの一員である「フェアモントホテル」が 2025年7月1日、日本初上陸を果たす。5月16日に行われたメディアブリーフィングでは、「フェアモント東京」(東京都港区芝浦)のレストランやバーについても新たに発表されたので、その全貌を先取りで紹介する。

  • 「フェアモント東京」

ジョン・レノンとオノ・ヨーコなど世界のVIP御用達ホテルが、日本初上陸

「フェアモントホテル」は、1907 年に開業した「フェアモント サンフランシスコ」を皮切りに、「ザ プラザ」(ニューヨーク)や「ザ サボイ」(ロンドン)など世界各国に展開するホテルブランドだ。1945年には国連憲章署名が「フェアモント サンフランシスコ」で行われたり、1969 年には「フェアモント ザ クイーン エリザベス」(カナダ・モントリオール)にてビートルズのジョン・レノンとオノ・ヨーコが世界中に平和のメッセージを発信したりするなど、歴史の重要な瞬間が世界各地のフェアモントで行われてきた。国王をはじめとしたVIP御用達のホテルとしても名高い。

  • 「ネバダ州上院議員で銀鉱山の億万長者であったジェームズ・グラハム・フェアの娘たちが、ホテルに父の名を冠した」と説明するマーケティングディレクターの藤川三智子氏

東京タワー&オーシャンビューが楽しめる天空のオアシス的ホテル

「フェアモント東京」は、野村不動産と東日本旅客鉄道が、芝浦で共同推進する再開発プロジェクト「BLUE FRONT SHIBAURA」のS棟35階から43階という高層階に位置する。羽田空港や銀座など東京の中心地からも至近で、⻄に東京タワー、東に東京湾を望む絶好のロケーションは唯一無二だろう。

  • フェアモントゴールドラウンジ

インテリアデザインを手掛けたのは、国際的に評価の⾼いデザインスタジオ「BAR Studio」。柔らかな⾊調と質感豊かな素材、洗練された照明デザインが都⼼の煌めきと⽔辺の静けさを引き⽴てる。さらに織物や⾦継ぎなどの⽇本の伝統技法をモダンに解釈し、アートやテキスタイルに取り⼊れ、匠の技への深い敬意を表現している。

  • フェアモントゴールド スイート

36階から42階に位置する全217の客室は、スタンダードでも52平米、最上級のスイートでは278平米に及ぶ。ベイビューもしくは東京タワービュー、もしくは東京スカイラインビューと眺望がすばらしい。⽇本家屋の「縁側」を思わせるシーティングエリアがあるほか、マキシバーにはオリジナルのアイスバケットやコースター、コーヒーマシンを完備するなど、このホテルならではの設えも魅力だ。41階・42階には、「ホテルの中のホテル」と称される特別フロア「フェアモントゴールド」があり、29のスイートルームも持つ。

また、20メートルの屋内インフィニティプール、サウナ、24時間利⽤可能なジムも備えている。

  • 20メートルの屋内インフィニティプール

鉄板焼や鮨、オールデイダイニングなど5つのレストランと2つのバーやスパも

ホテル内には、東京の食文化の躍動感を映し出す、個性豊かな5つのレストランと2つのバーがオープン予定だ。35階のロビー階に位置するオールデイダイニング「Kiln&Tonic(キルン&トニック)」は、薪窯を使った調理を施すモダンブラッスリー。名物の「アクアパッツァ」や「薪焼きピザ」、窯で丹念に仕上げたシーフードのほか、彩り豊かな旬の野菜を取り入れたヘルシーな料理も揃う。

  • ライブミュージックが彩る「サンデーブランチ」も開催予定の「Kiln&Tonic」

ロビーラウンジの「Vue Mer(ビュメール)」は、フランスと日本、それぞれのラウンジ文化を融合し、東京湾を望む屋外テラスを備えた特別な空間だ。シグネチャーのアフタヌーンティーでは、フレンチと和、2つのテーマが織りなす優雅なティータイムを堪能できる。

  • 「Vue Mer」内観

  • 和とフレンチ2つのアフタヌーンティーを展開予定の「Vue Mer」

36階にあるのは、鉄板焼「燈辻(とつじ)」と鮨「みぎわ」という2つのレストラン。「燈辻」では、もろみ・醤油・醤油麹・熊本産ベルモットなど、日本の素材の奥深さを生かした西洋風ソースとともに、厳選食材の魅力を最大限に引き出した鉄板焼が楽しめる。また、好みの部位を予約し、理想の熟成を施す「ミートキープ」という、これまでにないサービスもスタートだ。

  • 最高級和牛を保管するミートロッカーでミートキープが可能な「燈辻」

「みぎわ」では「芝海老しんじょ」をはじめ、旬の海の幸を盛り込んだ珠玉のコースを展開。東京で育まれた米と酵母、そして東京の水を使用し、東京23区唯一の酒蔵「東京港醸造」で醸されたホテルオリジナルの純米大吟醸も味わえる。

  • 「みぎわ」のシャリには、山形県つや姫に赤酢や米酢、昆布だしをきかせた自家製塩、青森県産の天然水を使用

最上階の43階には「社交場」をテーマにしたレストランとバーがそろう。「DRIFTWOOD(ドリフトウッド)」は、西洋の調理技法と食材を基盤に再構築された、日本の洋食文化がテーマのスペシャリティバー&レストラン。「オムライス」や「コロッケ」といった長年愛されて洋食を優雅に仕上げ、九谷焼の名門工房「鏑木商舗(かぶらきしょうほ)」が手がける雅な器とともに提供される。

  • 日本の洋食文化がテーマのスペシャリティバー&レストラン「DRIFTWOOD」名物のハヤシライス

「Yoi to Yoi」は、日本の活気あふれる"立ち飲み文化"を体現した、高級ホテルとしては珍しいコンセプトのスタンディングバーだ。職人技が光るサワーやハイボール、全国の蔵元やワイナリーが誇る地酒やワイン、希少な東京クラフトビールとともに、「つくね」や「おでん」など、日本のストリートフードを昇華させた逸品を味わえる。

  • "立ち飲み文化"を体現したスタンディングバー「Yoi to Yoi」

シークレットリスニングバーの「OFF RECORD(オフレコード)」はその名の通り、ドアに施された仕掛けを解いた人だけがアクセスできる、秘密のバーだ。厳選されたレコードコレクションと最先端のサウンドシステム、ライブ DJによる音楽と共に、匠の技が光るカクテルや日本の銘酒、自家製おつまみが楽しめる。

  • シークレットリスニングバー「OFF RECORD(オフレコード)」

このほか35階に3つのシグネチャートリートメントを用意した「フェアモントスパ」も開業予定だ。東京タワーを一望する開放的なスパデッキでは、贅沢で穏やかなひとときを過ごせる。

都内ホテル初の看板犬も! 愛犬との宿泊プランも展開予定

さらに「フェアモント東京」では、ラブラドールレトリバーの「セリーン(SERENE)」を従業員として迎え、「最高ハピネス責任者(CHO:チーフ ハピネス オフィサー)」に任命。この取り組みは世界の8つのフェアモントで導入されている「Canine Ambassador(ケイナイン アンバサダー)」という愛犬プログラムだ。都内のホテルでは初めてとなる看板犬として、ロビーでゲストを温かく迎える。

  • 総支配人のカラン・シン氏とCHOのセリーン

また、6月16日より、愛犬と一緒に滞在できる宿泊プラン「ワンタスティック」の予約受付もスタート。愛犬用のウェルカムアメニティ(オリジナルスカーフ、おもちゃ、スナックなど)や、オーガニックブレックファスト&グルメディナー、持ち帰り可能な愛犬の名前が刺繍されたアンビエントラウンジ社のラグジュアリーベッドと「セリーン Jr.」、ターンダウンサービス、家族専用のウェルカムアメニティが滞在を彩る。

  • フェアモントゴールド

すべての人に開かれたインクルーシブなラグジュアリーホテルとして、これまでにない価値を提供しようとしている「フェアモント東京」。立地や眺望、設え、サービス、食体験など、今年大注目のホテルの一つであることは間違いないだろう。