2025年春より、漫画家・やなせたかしとその妻がモデルとなったNHKの朝ドラ『あんぱん』の放映がスタートする。ドラマの舞台となった高知県には一体何がある?! 高知に旅行したことがある人や、高知を愛する人たちが推す「高知の魅力」「高知あるある」1,000件以上の中から選出されたおすすめ王道スポットを巡ってきたので、紹介したい。
1. 木組みの意匠が光る隈研吾建築「雲の上の図書館」でのんびり
高知市から愛媛県境の山側に向かって車で1時間半ほどの場所に、梼原(ゆすはら)という町がある。町内の91%を森林が占める、林業が盛んな木材の町だ。この豊かな木々に惹かれたのが、建築家の隈研吾氏。町内には彼の手掛けた建物が複数存在する。
その一つが梼原町初の図書館として2018年に誕生した「雲の上の図書館」だ。天井に張り巡らされた杉材の木組みが森を表現しており、高低差のあるライブラリーが起伏に富んだ梼原町のランドスケープを表している。木組みは見た目のインパクトだけでなく梁の役割を果たしているそうだ。
図書館は「温かみのある木の質感を体験してほしい」という隈氏の想いから、靴を脱いで利用するスタイル。公共施設のため利用は無料だ。「雲の上の図書館」以外にも町内には「梼原町総合庁舎」や「まちの駅ゆすはら」などいくつかの隈氏が手掛けた建築物が点在しているので、巡ってみるのも良さそうだ。
2. 池公園の土曜市「高知オーガニックマーケット」で青空市を体験
高知といえば300年以上の歴史を持つ「日曜市」が有名だが、実は日曜日以外にも各地で青空市が催されている。その一つが毎週土曜日に池公園で開催される「高知オーガニックマーケット」だ。
その名の通り農薬や化学肥料、除草剤使わないオーガニック農業をしている人たちが集まったマーケットで、今から16年ほど前にスタートしたという。現在100以上の事業者が登録しており、毎週40ほどが出店している。
オーガニックの野菜や果物が直売されているのはもちろん、オーガニックハーブティーやドリップコーヒー、デリやお弁当、焼きたてパンやスイーツ、出来立てのご飯ものなどが並ぶほか、マッサージや占いなどの出店も。ベンチやチェアも用意されているので、買ったものをその場ですぐ味わうこともできる。
3. お土産を買うなら高知の特産品が大集合した「JAファーマーズマーケットとさのさと」へ
高知土産に特産品を購入したいなら2019年にオープンした「とさのさと」へ。JAが運営するファーマーズマーケットで、高知産の野菜や果物のほか、畜産物や加工品、特産品などが数多く揃い、観光客だけでなく地元客でも連日賑わう。
高知ならではの地酒や調味料、「芋けんぴ」や「ミレーのビスケット」をはじめとしたお土産品も充実。高知の名産品であるゆずを使ったポン酢も種類豊富に揃う。ここに来れば目当ての高知土産が見つかる、そんな場所だ。
4. 高知の素材を使ったビアスタンド「TOSACO」で乾杯
高知市の北東にある「香美市立やなせたかし記念館」(2025年春リニューアルオープン予定)。このほど近くに2023年春にオープンしたのが、ビアスタンドの「TOSCO TAP STAND」だ。島根県「石見麦酒」でビール造りの基礎と小規模醸造システムを学んだブルワーの瀬戸口信弥氏が移住し創業した「TOSCO BEER」の醸造所兼タップルームとなっている。
四万十町産の米麹を使った「和醸ケルシュ」や北川村産の土佐文旦という柑橘を使った「土佐IPA」など、高知県産食材を使ったクラフトビールが、常時9種類ほどオンタップ。5席のみのこぢんまりとした店内席のほか、広々としたガーデンエリアもあり、目下には物部川ダム湖畔が広がる。高知の大自然を感じながら、高知ならではのビールで乾杯したい。
5. よさこい、名物グルメ、大浴場など充実した新ホテル「OMO7高知」に宿泊
高知に宿泊するならば、滞在を通じて活気あふれるよさこい祭りや、高知のもてなし文化を体感できる「OMO7高知(おも) by 星野リゾート(以下、OMO7)」がおすすめ。
2024年6月にオープンしたばかりの最新ホテルで、星野リゾートが全国に展開する街ナカホテルブランドのフルサービスラインで、OMO7としては大阪に次ぐ2軒目だ。
高知の郷土料理と調理法を取り入れたビュッフェスタイルのダイニングでは、高知ならではの大皿の盛りつけスタイルである「皿鉢(さわち)」に見立てて料理が並ぶ。
カツオの藁焼きや揚げたての芋けんぴや芋天など高知名物グルメが朝食や夕食で味わうことができる。
1階OMOベースの大階段で毎晩行われる、「よさこい楽宴LIVE」(無料)も必見だ。内湯、露天風呂、サウナを備える大浴場「トサノユ」もあり、旅の疲れもじっくり癒すこともできる。
よりディープに高知の文化を体験したいなら、宴会文化「おきゃく」をコンセプトにした客室にある円卓と皿鉢をイメージした台で、「酔っちょれセット」(4,800円)を楽しむのもいいだろう。高知の地酒2本、おつまみ数種に風呂敷、さらには高知のお座敷遊びで使われる盃の「べく杯」がセットになっているので、本場ならではのおきゃくが体感できる。
高知の魅力、あるあるが詰まった「高知かるた」をガイドブックに
今回紹介したスポットは、高知県を愛する人々から募った1,000件以上の応募の中から選ばれた「高知の魅力」「高知あるある」がつまった46のネタで構成された「高知かるた」で紹介されている。例えばかるたの「ね」は「寝ころんで 本読む心地は 雲の上」、「そ」は「それぞれの 曜日が楽しい 街路市」といったような具合だ。「高知かるた」は県内の人の地元愛を育むだけでなく、県外の人にとっては高知の魅力を存分に味わってもらうためのガイドのような役割を担う。「高知かるた」を元に、旅のプランを計画してみるのも面白そうだ。
取材協力: 高知県/どっぷり高知旅キャンペーン推進委員会