民放キー局を傘下に持つ持株会社の2024年度決算が相次いで発表され、フジテレビでのCM差し止めの影響が浮き彫りとなった。

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テレ朝、5局シェア過去最高更新

問題発覚後、1月17日の“クローズド会見”などを受け、フジテレビでのCM差し止めが続出する事態に。TBSホールディングスの決算資料によると、スポットCMの東京地区投下額の推計は、第2四半期(24年7~9月)で6.8%増、第3四半期(同10~12月)で5.1%増と堅調に推移してきたが、2月に前年比15.2%減、3月も11.4%減と大幅にダウン。第4四半期(1~3月)は、8.3%減となっている。

フジで差し止められた分、スポンサーの出稿が他局に振り替えられるケースもあるとみられる。特に第4四半期では各局で前年同期を大きく上回る実績が相次いだ。

テレビ朝日は、1月が前年比19.1%増、2月が6.9%増、3月が11.2%増。この結果、第4四半期で12.3%増となり、5局シェアは第3四半期(24年10~12月)の24.0%から28.3%へ4.3ポイントの急上昇となった。24年度通期のシェアは前年を1.5ポイント上回って24.7%となり、過去最高を更新した。

TBSテレビのスポット実績は、1月が12.5%増、2月が4.7%増、3月が1.5%増となり、第4四半期で5.7%増。5局シェアは、第3四半期の20.9%から23.2%へ2.3ポイント伸びた。

テレビ東京は、第4四半期で10.5%増。5局シェアは、第3四半期の7.06%から1.29ポイント伸びて8.35%に。

売上トップの日本テレビは、1月が1.4%減、2月が横ばい、3月が8.6%増。一方で、番組提供のタイム収入は3月で17.9%増と大きく伸びた。

フジの決算発表は16日を予定

フジテレビは1月30日に、大幅に下降修正した放送収入の予想を公表。ネットタイムは従来予想から108億円減、ローカルタイムは5億円減、スポットは120億円減で、合計233億円下回る見込みを立てていた。

同局の清水賢治社長は2月27日、「放送収入は前年比で10%弱のレベルまで落ち込んでいます」と説明していたが、16日に発表予定のフジ・メディア・ホールディングスの決算で実績が明らかになる。