豪は史実にはないオリジナルキャラクター。倉崎氏は「釜じいに弟子はいるよねというところから始まって、戦前の職人ですから、無口で寡黙で、でも男気あるというキャラクターがいいと。そして、常に朝田家にいるけど、口出しせずに、でも全体を見守っているようなキャラクターに」と豪という登場人物が生まれた経緯も説明し、「戦争が近づいてきて、豪ぐらいの世代だとそろそろ出征するよねという話で、こういうストーリーにしました」と語る。

蘭子については、「3姉妹の中では、自分が一歩引いて、自分よりも人の幸せをどちらかというと願っているタイプ」だと言い、豪への恋心をあからさまに表に出すことはなかったものの、河合の演技によってにじみ出るものがあったと振り返る。

「河合優実さんは目線一つで人の心を、気になる人だなと思わせる力があるので、セリフがなかったとしても、蘭子が豪をちょっと見るだけで、すごく感じるものがありますよね。パン食い競走の受付のときもそうだし、釜じいが冗談でのぶと豪が結婚したらどうだという話をした時の目線一つとっても、河合さんでしか出せない雰囲気があります」

河合はヒロインオーディションに参加しており、そこでの演技や佇まいなどから次女・蘭子役としてオファー。オーディションのときから「只者ではない」感じが出ていたという。そして、「表には出ない蘭子だからこそ豪に惹かれるのかなという議論もチームでしていて。なので自然と、蘭子と豪をそういう関係にしたらどうかということになりました」と語っていた。

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