京王電鉄は12日、鉄道事業において2025年度に総額434億円の設備投資を行うと発表した。おもな取組みのひとつに新型車両の導入と既存車両のリニューアルを挙げ、新型通勤車両2000系は今年度に2編成を導入。9000系は今年度に2編成のリニューアルを計画している。

  • 京王線の新型通勤車両2000系。2025年度は2編成を導入する

  • 京王線の通勤車両9000系は2025年度、2編成をリニューアルする

京王線の新型通勤車両2000系に関して、2026年初めに1編成(10両編成)の営業運転を開始し、2027年3月までに計4編成を導入する計画と発表されていた。今回、2025年度に2編成を導入するとしており、2025年度と2026年度に2編成ずつ導入する見込みとなった。

「もっと、安全に、そして安心して、これからもずっと、のっていただける車両を。全ての世代に、やさしく、そして、ワクワクしてもらえる車両を」をコンセプトに掲げ、幅広い世代の利用者や多様な社員の声から得られたニーズをAI等も用いて解析。コンセプトにマッチする外観・内装を採用した。年齢や性別、目的を問わず、あらゆる人が安全・快適に鉄道を利用できることをめざし、5号車に同社初となる大型フリースペース(仮称)を設置する。

京王線の通勤車両9000系(10両編成)のリニューアルも進めており、今年3月に1編成(サンリオキャラクターのラッピングトレイン)が営業運転を開始。利用者のさまざまな移動ニーズに対応できるよう、すべての車両にフリースペースを設置するほか、全体の色調を落ち着いた色に統一することで、時代が変わっても愛される車両をめざすという。2024年度の1編成に続き、2025年度は9000系2編成をリニューアルする予定となった。

  • 京王線新宿駅の改良工事。2031年度の工事完了に向け、2025年度は既設躯体の解体工事等を進める

  • 京王多摩川駅の改良工事。2026年度の供用開始に向け、2025年度はホームドア整備や駅事務室の改修など進める

  • 自動運転(ワンマン)化に向けた自動運転設備の導入・改修。2025年度は井の頭線の車両設備や地上設備の導入・改修を進める

  • 保守業務に資する新たなシステム構築に向け、2025年度はAIの精度の検証、撮影データの収集等を進める

  • 2025年度は永福町駅(1・3番線)や高井戸駅などでホームドアの整備を進める

同社は5月12日に公表した「京王グループ中期経営計画『HIRAKU 2030(2025年度~2030年度)』」にもとづき、「日本一安全でサービスの良い持続可能な鉄道の実現」をめざし、連続立体交差事業をはじめ、ホーム安全対策、大規模災害への備え、自動運転(ワンマン)化に向けた自動運転設備の導入・改修、バリアフリー設備の整備など実施。環境に配慮し、AI等のデジタル技術を活用しつつ、安全性・利便性の向上へ着実に推進するとしている。