1995年に芸能活動をスタートさせ、今年30周年の節目を迎えた歌手・俳優の今井翼。現在配信中のDMM TVオリジナルドラマ『ドンケツ』では、東京下町出身の漢気ヤクザ・相場桃次郎を演じている。今井にインタビューし、本作出演について話を聞くとともに、仕事に対する思いや自身の変化について語ってもらった。
たーし氏による同名の極道漫画を原作とするこのドラマは、敵対組織の事務所にロケットランチャーをぶちこんで以来、「ロケマサ(ロケットランチャーのマサ)」の異名で恐れられているヤクザ・沢田政寿(伊藤英明)の物語。今井が演じた相場桃次郎は、かつて所属した白鷺一家を麻生と小田切によって壊滅まで追い込まれ、仇討ちのためロケマサの舎弟となる男気ヤクザだ。
今井は「日常とは真逆の世界を描いているので、自分とは切り離して完全に役に沿って演じましたが、悔しい思いや信念などは誰もが抱えているものだと思うので、そういうものを自分自身の中に落とし込んで演じました」と撮影を振り返る。
そして、「今まで演じたことがない役でしたし、そうそうたる役者さんたちの中で桃次郎を演じるということは勇気のいることでしたが、監督が迷いなく推し進めてくださったり、伊藤英明さんの存在だったり、いろんな人に支えられて演じ切ることができました」と述べ、「どの作品でもクランクインはすごく緊張するのですが、伊藤さんがほぐしてくださったり、セリフの分量が多いシーンで柔軟に対応してくださったり、座長としていろんなことに気を回してくださって、すごく頼りになる先輩です」と主演の伊藤に感謝した。
年齢を重ねて柔軟に「若い頃はこだわりが強すぎて…」
1995年4月23日に芸能界入りし、今年30周年の節目を迎えた今井。
「ありがたいことに芸能生活30周年。この仕事が自分にすごく向いているのかというのは未だにわかりませんが、13歳の頃から続けてこられた30年というものがあるので、それを誇りに持って、年齢の変化とともに皆さんにいろんな表現を楽しんでいただけるようになれたらいいなと思います」
そして、ファンやスタッフへの感謝の思いを口にする。
「どんなお仕事でも続けることがすごく大事だと思っていますが、この世界は1人では成り立たないもので、支えがあるから続けられているので、感謝の気持ちをこれからも変わらず持って活動していきたいと思います」
また、「年齢とともに柔軟性が出てきていると思います」と自身の変化を語る。
「若い頃はこだわりが強すぎて、自分を譲らないというか、求められることよりも自分が求めるものに重きを置いていて。でも今は、人が何を求めているかということを考えるようになりました。いただくお仕事によって表現の仕方も変化しますし、年齢やキャリアとともに幅を広げていくことが今後の楽しみにつながっていくのかなと思います」
音楽活動においても俳優業においても、求められていることを意識するように。
「ライブにしても、お客さんが何を求めているのかということを、若い頃よりも捉えて表現しようと思えるようになったのかなと。お芝居に関しても今だから気づくことがたくさんあって、いろんな監督や共演者の方と出会って、幅を広げていただけているということに、よりありがたみを感じています」