視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、テレビ画面に視線を向けていた人の割合がわかる「注目度」の週間番組ランキング(4月28日~5月4日)を発表した。

  • 『PJ~航空救難団~』主演の内野聖陽

    『PJ~航空救難団~』主演の内野聖陽

「にやにやが止まらない」「愛おしい2人にキュン」

4月最終週のランキングは、ドラマ勢の勢いが一段と加速した。個人全体では上位7位を連続ドラマが独占し、春クールの物語がいよいよ視聴者を本格的に引き込み始めた形だ。

中でも『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ)は先週の2位から1位へ浮上。コア視聴層・個人全体ともに数値を伸ばし、「にやにやが止まらない」「愛おしい2人にキュン」といった声が今週も放送後に多く見られた。恋愛ドラマのトレンドが複雑化する中、ドロドロとした恋愛劇に疲れた視聴者が、昭和舞台の純度の高い新婚物語に癒やしを求めていることがうかがえる。

一方、コア視聴層7位に入ったのは、『金曜ロードショー』(日本テレビ)初放送の『君たちはどう生きるか』。暦上は平日夜の編成ながら、最新ジブリ作品という話題性で高い注目度を記録した。

劇場で見逃していた層やテレビでの“初見”にこだわるファンが集中した形で、国内外の映画賞を獲得し世界の興行収入でジブリ最高の成績を残した同作品への視聴者の興味を、改めて印象づけている。

長期連休前後の在宅率上昇が、ドラマと映画双方の数字を押し上げた週だった。

  • コア視聴層ランキング

  • 個人全体ランキング

過酷な訓練環境に苦しむ姿が強く印象に

個人全体3位(67.4%)、コア視聴層でも4位(64.3%)にランクインしたのは『PJ~航空救難団~』(テレビ朝日)。航空自衛隊の救難員、通称「PJ(パラレスキュージャンパー)」を目指す訓練生たちが、過酷な訓練を通じて心身の限界に挑み、成長していく姿を描いた青春群像劇だ。

脚本は高橋泉氏のオリジナルで、人命救助の“最後の砦”とされる精鋭部隊の日常をリアルに描いている。実在の組織をモデルにした訓練描写と人間ドラマが融合し、多くの視聴者の注目を集めている。

第2話では、海上救難を想定したプール訓練が始まり、訓練生の藤木さやか(石井杏奈)が水への恐怖心からパニックに陥る様子が描かれた。かつて水泳で国体に出場した経歴を持ちながらも、過酷な訓練環境に苦しむ姿は、多くの視聴者に強い印象を与えたようだ。

また、同期の沢井仁(神尾楓珠)の励ましに対し、「女性だからって上から目線はやめて」と藤木が反発する場面では、性別にまつわる意識のズレも描かれ、2人の関係に緊張感が走った。

SNSでは「色々と考えさせられるドラマ」「毎回神回です」といった声や、「宇佐美教官が素敵過ぎる」「泣きすぎました!!」という感想も見られ、内野聖陽演じる教官の人間味あふれる指導も注目を集めている。

訓練生たちが限界に挑みながら、どのように変わっていくのか。今後の展開にも関心が集まりそうだ。