フジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』(毎週水曜22:00~)の第3話(30日放送)が、FODで先行配信されている。

主人公は、命の最前線=修羅場で、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスーパー救命医・杏野朱羅(松本若菜)。命を助けたい、その純粋な思いと卓越した技術で患者を救う姿を描いていく。

  • 『Dr.アシュラ』に出演する荒川良々 (C)フジテレビ

    『Dr.アシュラ』に出演する荒川良々 (C)フジテレビ

日本屈指の心臓外科医が移籍

朱羅が働く帝釈総合病院に日本屈指の心臓外科医とうたわれる梵天太郎(荒川良々)が移籍してきた。「成功率99%のゴッドハンド」と称され、メディアでも注目を集める梵天がなぜ移籍してきたのか、と首をひねる薬師寺保(佐野晶哉)と九曜沙苗(結城モエ)に、三宝加代子(阿南敦子)は理事長の阿含百合(片平なぎさ)が新病院設立のためにスカウトしたのだと話す。

その頃、大黒修二(田辺誠一)は院長の不動勝治(佐野史郎)に呼び出されていた。病院のルールをまたしても破ったことを理由に、不動は大黒に救急科科長からの降格を告げる。

一方、救急科に路上で意識を無くして倒れていた70歳の女性が搬送されてくる。しかし循環器内科も心臓外科も多忙を理由に受け入れを拒否。すると朱羅は自分が処置にあたると言う。

新病院設立を巡る権力と思惑

いつもなら朱羅の「来る」をきっかけに、急患を受け入れ、ノンストップ救命劇場がスタート。しかし今回は違う。阿含が東大病院から呼んだ梵天が早速手際よく手術を成功。さらに阿含は、資金繰りのために世界有数の金融会社のCEOを病院に招く。冒頭から錯綜する思惑と権力の気配を感じる。

梵天は “BEST OF GOD HAND”の異名を持ち、テーマソングをかけてオペを行ったりと、まさに威風堂々だ。自分のオペは“成功率は99%”なので自信がある、と笑みを浮かべて言う。阿含の依頼を快く引き受け、移籍した理由を問われると、“大学時代の同期で親友の多聞が副院長に就任したから”だと親しみを込めて答える。仰々しい回診に「目立つのは得意でない」と態度は謙虚。朱羅に対してもいとも簡単に頭を下げ、「アシュラ君との出会いに感謝しなくては」とまで言う。

ここまで見ると、梵天は極めて控えめで穏やかな立ち振る舞いだ。特に奇をてらった言動も見せていない。しかしそこは、個性的な存在感で独特の雰囲気と空気感を微妙に演じることの巧い荒川良々だ。あえて存在感を押し殺して穏やかに見せることで本心を隠していることが分かり、虎視眈々と“何か”を狙っている。徐々に見せる野心に満ちた目と、含みを帯びた笑み。その微妙な表情の変化には目が離せない。奥底に潜む野望と本心。そして“99%”の本当の理由が明らかになる。

“修羅場”を経験することで見えてくることとは

一方、救命科には大量の急患が搬送され、とてもではないが手が回らない状態に。曲をかけて優雅に、そして決められた時間通りにオペを行う梵天とは大違いだ。「こんなの医療じゃない」と混乱する保に、朱羅は「助けを求めている患者がいたら見捨てることなんて絶対できない」と諭す。

前回、自分の子どもの“修羅場”を朱羅に救ってもらった大黒は、救命医としての本来の姿を取り戻すことを決意。医師なら誰もが朱羅の言う“修羅場”に遭遇するのだろうが、それを経験して乗り越えた時に、本当に大切なことが見えてくるのかもしれない。

そして徐々に明らかになる朱羅の経験した“修羅場” 。「私は一度死にかけたことがある」と言うのだが……今後の展開が気になる。

  • (C)フジテレビ