――登場人物でいうと、鈴木亮平さん演じる兄やんが本当に素晴らしくて。兄やんは鈴木亮平さん以外はあり得なかったと思わせる説得力がありました。今作が初共演だったと思うのですが、共演してみて、いかがでしたか?

以前から実直でストイックな印象があったのですが、器用か不器用かで言ったら、きっと不器用なタイプの役者さんなのかなというふうに思っていて。だからこそ、ご自身が納得するまで勉強して撮影に臨まれていると思うんですけど、そういうおごらない姿勢や熱さを風格から感じるというか、にじみ出てくるものがあるので、その説得力みたいなものを感じました。

  • 鈴木亮平

――お芝居について、何か話し合ったりはされましたか?

お芝居については深く話さなかったんですけど、それはなぜかというと、言葉を尽くしすぎるとちょっと昇華されちゃう部分が私の中ではあって。秘めていたほうが新鮮味を残せるといいますか。なので、役者の方々と、お芝居について細かい話はあんまり多くはしないようにはしてるんですね。亮平さんからもお芝居に対しての話はなかったので、お互いに身をゆだね合って、信頼し合って撮影していました。

撮影現場は「コテコテな関西の匂いがしていました(笑)」

――個人的な話なのですが、関西出身の身としては、キャストの皆さんの関西弁もすごく心地良かったです。撮影の合間も皆さん、関西弁でお話されていたんですか?

キャストの皆さんはほとんど関西出身で、プロデューサーも監督も関西出身の方だったので、コテコテな関西の匂いがしていました(笑)。

有村架純

――作中でも、話をちょっと盛って話したり、普通の会話なのにボケとツッコミの役割を自然と担ったり、コテコテな関西の匂いを感じるシーンがあったのですが、東京に出てきて初めて、あれは関西ならではだったんだなと思いました。関西人は、ならではの合いの手がありますよね。

確かに、おもしろおかしくではないけど、場の空気をほぐすために関西弁を使ったりすることはありますね。例えば、誰かがミスしちゃったなっていうときに、そこで関西弁を使うと、ちょっとだけ場が和むというか。そういうパワーがあるなと思っていて。ただ、関西弁がきつく感じる方もいるじゃないですか。なので、みんながみんな好きなわけではないっていうのは、ちゃんと理解した上で使います(笑)。

――関西弁に慢心していた部分があるので、心得ます……(笑)。

そこのおごりには気をつけないといけません(笑)。

不思議体験をしたことはある?

――今作は別の誰かの記憶があるという不思議な体験が描かれていますが、有村さんは何か不思議体験をされたことはありますか?

そうですね……古着屋さんで買ったイヤリングがあるんですけど、そのイヤリングを失くしたと思ったらまた出てきて、また失くしたと思ったら今度も出てきて。絶対失くならないイヤリングが1個あります。

  • 有村架純

――それは不思議ですね!

ちょっと怖いんですけど(笑)。でも、必ず戻ってくるんですよ。それはちょっと不思議です。

――古着屋さんで買ったものというのがまた、背景を勘繰ってしまいますよね。貴重な不思議体験のお話ありがとうございました。では最後に、『花まんま』の見どころを改めてお願いいたします。

観て頂いた皆さんが感情移入していただけるヒューマンストーリーができました。どの世代の方にも家族という形で親和性があるのではないかと思っていて、懐かしい気持ちになったり、いろんな目線で観られる作品なので、心をほぐしたい方にぜひ観ていただきたいなと思います。

(C)2025「花まんま」製作委員会 配給:東映

■プロフィール
有村架純
1993年、兵庫県生まれ。2010年に俳優デビュー。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(17)、映画『花束みたいな恋をした』(21)、Netflixシリーズ『さよならのつづき』(24)など多数出演。今年は映画『ブラック・ショーマン』の公開が控えている。