俳優の鈴木亮平と有村架純が出演する、映画『花まんま』(2025年公開)が公開されることが7日、明らかになった。
同作は朱川湊人氏により、第133回直木賞を受賞した同名短編の実写化作。ある兄妹の不思議な体験を描いた物語で、表題の「花まんま」とは、子どものままごと遊びで作った“花のお弁当”を意味し、大切なひとへ贈り届けるキーアイテムとなる。
タイトルの『花まんま』に因み、8月7日の語呂合わせが「はな(8・7)」と読める“花の日”に解禁。鈴木と有村は初共演で本作の主人公となる大阪下町の兄妹を演じる。鈴木は、早くに亡くした両親との約束を守るため、たった1人の妹の親代わりとして大阪下町で生きる熱血漢の兄・加藤俊樹役で主演を務める。有村は、俊樹の妹で結婚を控えながらある秘密を抱えるフミ子役に。
監督は、最新作『九十歳。何がめでたい』が現在大ヒット中でもあり、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(2018年)や『そして、バトンは渡された』(2021年)など、人の心の揺れ動きに対する繊細かつ真摯な眼差しと豊かな表現力にも定評のある前田哲氏が強める。原作の映像化企画を長年出版社へ提案し続け、ラブコールが実を結んだ形となった。
鈴木・有村が演じる兄妹それぞれの表情とともに、子どものままごとで作った“花のお弁当”を意味するタイトルアイテム「花まんま」を写し出したファーストビジュアルも公開。兄・俊樹、妹・フミ子の朗らかな表情と「花まんま」を包む小さな手がまるでプレゼントを渡しているかのような印象的なショットが切り取られている。
鈴木亮平 コメント
本作は、兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品です。
また、時代が変わっても僕たちが「結婚」というものに感じる不思議な感情の正体を、自分でも見つけてみたいと思って臨みました。
演じた俊樹はぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間です。
関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした。
同じ関西人である有村さんや前田監督ともたくさんコミュニケーションを取り合い、『花まんま』の世界を一緒に作り上げることができたと自負しています。
有村架純 コメント
ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて。
兄やんとの日々はとても不思議でした。
生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました。
花まんまが導く大きな家族の物語。皆さんに届くと良いなと思います。
前田哲監督 コメント
小説『花まんま』に出会ってから15年余りの年月が経ちます。
ずっと心から離れない「大切な愛しい人を思い続ける」切なくも優しい物語を、
映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました。
映画では小説にある小さな兄妹のその後も描いています。
初顔合わせの二人、鈴木亮平さんと有村架純さんが、
数十年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、
スクリーンの中で存在しています。
撮影は春に実際の舞台となる近畿圏で終えて、今は仕上げの真っ最中です。
しばし完成まで、楽しみにお待ちください。
朱川湊人/原作 コメント
私が書いた『花まんま』は八十枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった『花まんま』です。
【編集部MEMO】
『花まんま』あらすじ
「花まんま」それは、大切な人に贈る小さな花のお弁当。大阪の下町で暮らす2人きりの兄妹。兄・俊樹(鈴木亮平)は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹のフミ子(有村架純)を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったのだが、遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子の秘密が今になって蘇り…。
(C)2025「花まんま」製作委員会