
ラッパーのYoung Cocoが、ニューアルバム『BIG C』をリリースした。トラックメイキングを自ら手がけ、数多くのオリジナルなフロウを展開した本作は、現行の世界のヒップホップと並べて聴いても、圧倒的な強度を誇る作品に仕上がっている。
しかも今回は、グローバルに活躍するグラフィックデザイナー・VERDYが主宰するレーベル〈VERDY SOUNDS〉からのリリース。近年、海外とのコネクションを活かした活動が増え、「チーム友達(Remix)」のヒットも記憶に新しいYoung Cocoは、次のフェーズへと確実に歩みを進めているようだ。兵庫県西宮市出身で、若くから関西のラップシーンを牽引してきた彼が、いま東京を拠点に世界と繋がろうとしているのはなぜなのか。ここまでの道のり、そしてこれからの未来について、じっくりと話を訊いた。
「チーム友達」につながる出会い
―ヤンココさんは、最初はスケボーからヒップホップに入ったんですよね?
Young Coco(以下、YC):そうです。まずは5歳くらいの時から、家族でずっとサーフィンに行ってて。その後、中学になってスケボーにハマったんですよ。うまくなりたいなと思って本格的にやってたんですけど、そこでバックグラウンドで流れている音楽がヒップホップだった。同じくらいの時に、TVで千原ジュニアさんのドキュメンタリーをやってて、そこで流れてたのがエミネムの「Sing For The Moment」で。これ何?って母親に訊いたらエミネムやでって教えてもらって、CD買ってがっつり聴きましたね。
―スケボーは周りにもやる人がいたんですか?
YC:いや、全然いないです。地元で一人だけ一緒にやる友達がいて、そこから段々と地方の友達もできて。大阪にスケボーしに行く機会があって、そこで出会ったのがタカ(WILYWNKA)ですね。毎週、タカとスケボーでどこかに行って遊ぶようになりました。タカはアメ村の一二三屋っていうお店で働くようになって、そこで(韻踏合組合の)HIDADDYさんと出会ったりする中でラップするようになったのかな。タカがフリースタイルバトルに出たりする中で自分もやりはじめるようになった。それが高校生くらいの頃。
―初めてラップした時のことは覚えていますか?
YC:覚えてますねぇ(笑)。地元の先輩たちでラップしてる人がいて、その周りにエンジニアもいて。その人たちと、西宮の実家で録りました。一二三屋でインストゥルメンタル集を買っていっぱい聴きながら「このトラックにしよう」とか言って。タカくんと二人でリリックも書きました。
―当時ハマっていたラッパーはいましたか?
YC:New Boyzとかかな。
―懐かしい!
YC:そうそう(笑)。あと、iPodにDJ KAORIさんのミックスが入ってて、色んなサウスの曲も知ったんですよ。それをきっかけにサウスにハマっていきました。当時ちょうどリル・ウェインがヤング・サグを見つけてきて。
Photo by Yuta Kato
―ヒップホップも様々ある中で、なぜサウスにハマったんでしょう?
YC:いや、なぜかは分かってなかったですね。分からないままサウスにハマっていって。ただカッコいいからって。ラッパーも曲名もあまり認識してなかった。あとスケボーはロックの曲も使われてるから、ペンデュラムとかも聴いていました。でも、ロックをやってる先輩に出会わなかったんですよ。スケートパークに来る先輩が皆ラップやってる人ばかりで。
―ちなみに、所属していたコレクティブ〈HIBRID ENTERTAINMENT〉との出会いもその頃ですか?
YC:一番初めはJin Doggだったんですよ。彼が最初の曲を出した時に、カッコいい! ってなって。高校の時でしたね。それでライブに行って「俺ジェイクくん(※Jin Doggの本名)の曲全部歌えますよ、ライブでサイドMCやらせてくださいよ!」って言ったら、「いいよ」って。そこから一緒にやるようになりました。でもその時はまだHIBRIDはなかったので、ただの友達。朝まで遊んで実家に泊めさせてもらったり(笑)。
―Jin Doggさんもロックやメタル、ハードコアのバックグラウンドがある方だから、ヤンココさんと共鳴するところはあったんじゃないでしょうか。
YC:そうですね。一緒にシャウトスタイルを始めたのを覚えてます。
―その仲が「チーム友達」につながっていくわけですから、今考えたらすごいですね。
YC:ですよね(笑)。ジェイクのお母さんにもずっと昔から会ってるから、なんだか感慨深いですよ。
Jin Dogg「チーム友達 Dirty Kansai Remix feat. Young Coco」のパフォーマンス映像、2024年のPOP YOURSにて
関西とサウスはノリが近い
―そういった大阪のストリートカルチャーって、東京とはまた全然違うんじゃないでしょうか。
YC:全然違う。東京はポップアップのカルチャーがあるじゃないですか。ファッションと音楽の人がクロスしやすい。大阪は、ラッパーはお洒落せんでいいからって感じなので(笑)。先輩に言われましたもん、「ラップだけしてたらええ!」って。大阪は、土臭くいかんとあかん、っていうのがある。だから、タカが高校生ラップ選手権で東京に一緒に行った時に、そうじゃない世界を初めて知った。有名なブランド以外にも、ストリートのブランドでこんな人らがいるんやって。
―関西は、サウスに近いノリがありますよね。
YC:それはめっちゃ思います。サウンドにそれを感じますね。良い感じのいなたさがある。人間味があって好きですね。でも他にも色々あって、僕はやったことないけど、ウェッサイのカルチャーはアメ村が強い。去年はデトロイト系が流行ったけど、LAの奴らも今デトロイト系をやったりしてて、その感じで福岡の人たちもそういう音楽をやってたりする。みんな意識してないかもしれないけど、ウエストな人たちが土臭いがゆえにデトロイトに乗ってる気がします。自分の周りも、KenayeboiとかYVNGBOI Pとかはモロにデトロイト系やってて、その影響で若い人たちもたくさんやってる。でも、それが「チーム友達」を出したことでメンフィス系に変わりつつあるのがまた面白くて。
―USの地域性と紐づいたサウンドが、日本の土着文化と融合してまた形を変えていくという。ヤンココさんは当時からサウスヒップホップの影響をずっと受けているとのことですが、『05:56 KOKORO』(2021年)や『The quiet before the storm』(2022年)とアルバムをリリースされてきて、サウンドも変化を重ねてきました。
YC:『05:56 KOKORO』の時はジュース(・ワールド)とかインターネット・マネーがいてギターものが流行ってたし、自分も好きだったからそういう色が強くて。でもロックまでいかない、ヒップホップのドラムが入ったギター曲というかね。あと、元々好きなハイパーポップっぽさも入ってるかな。自分は歌ものもハードな曲もどっちも好きなんですけど、『05:56 KOKORO』に関しては当時のレーベルサイドが歌ものがいいかもっていうのでそっちを選んだ。それで、『The quiet before the storm』ではハードなことをしようかなって思ってやってみた。実験的に、自分のリスナーがどれ好きなんだろうなっていうのも確かめてみたくて。ライブでも混ぜてやってたしね。でも自分のライブって、どっちにしたってみんなモッシュして盛り上がるんですよね。
―そうなんですよね。ヤンココさんのライブはいつも盛り上がりがすごい。というか、Jin Dogさんも含めて関西の人たちはライブの盛り上げ方が巧いですよね。ああいった盛り上げ方は、プレイボーイ・カーティなどの人たちからインスパイアされているんですか?
YC:あれは、単純に場数な気がします。高校生の時から、マジで意味分からんくらいの数のライブやってきたから。大阪って若い子たちがやってるイベントがめっちゃあるんですよ。南大阪はレゲエが盛んで、レゲエの子もヒップホップのアーティスト呼ぶし。あとはもう、色んな人が出るオムニバスのライブでも、あくまで自分が主役だと意識してやってます。現場を見て、今日これできそうだな、やれそうだな、と一体感をどのように作るか考えてます。
―ヤンココさんのライブは、お客さんとのやり取りが多いから、フロアがみんな引き込まれますね。本場のUSのノリをみんなに伝えたい、という気持ちもすごく伝わってくる。
YC:海外と比べて、日本は色んなファン層が入り混じってる。過半数が自分のことを知らんっていう状況であれば、ちゃんと教えてあげないといけないですよね。ロックは、説明しなくてももうカルチャーとして根付いてる。でもヒップホップはまだない。ジェイクもそうだけど、僕ら当時から色んなライブをやってきた中で、徐々にモッシュが主流になっていった。自分がもう歌えない年齢になった時に、そういうヒップホップの文化が普通に根づいていてほしいから、今はみんなに教えてるんです。
Photo by Yuta Kato
進化するフロウ、DAWは海外と繋がる鍵
―最新アルバム『BIG C』は、とにかくフロウがやばい。何種類試すんだってくらいのフロウのバリエーションで、今こんなのが熱いんだよっていうのを手を変え品を変えみんなに伝えたいという気持ちを強く感じます。「教えたい」というのが根っこにあるんですね。
YC:そうですそうです(笑)。みんな知りたいと思うし。
―ということは、『BIG C』のフロウって、どれもインスパイア元があるということですか?
YC:いや、でも実際はとにかく毎日作りまくってる中で見つけていく感じですよ。もちろん最新の曲も聴いてはいますけど、最近はほぼ自分の新曲を聴いてばっかりなんですよ。一日4曲とか5曲とか作ってる中で、繰り返し聴いて、「ここはもうちょっとフロウ変えられるよな」とか柔軟にできるようになって。素振りをめっちゃたくさんやってる感じです。
―聴きながら、何かに似てるなと思ったら変えていく?
YC:何かに似てるなと思ったら、出さないようにしてます。途中でやめるのは嫌なので、一応作り切るんですよ。それで、似てると思ったらボツにする。自分の場合、作り切る方が気持ちがクリアになるから。
Photo by Yuta Kato
―ちなみに、似がちなラッパーはいるんですか? ヤンココさんのスタイルだと、カーティとかケン・カーソンとかでしょうか。
YC:友達で彼らと仕事してる人も多いし、もちろん自分もあの辺の人たちは好きだけど、僕があのスタイルをやるとモロ似ちゃうと思うので一応距離を置いてはいますね。極力似ないように歌おう、と意識してます。でも自分は声が高いので、(ヤング・)サグとかは似てるなって時々思う。今作は、チルいけどハードというのを意識してるんですよ。僕は見た目はこんな感じだけどキャラクターは接しやすいって言われるし、それってチルいけどハードだと思うんです。サグも、チルいサウンドなのにめっちゃハードなことを歌ってたりするじゃないですか。影響を受けてるのかもなって思います。
―ヤンココさんがすごいのは、今ではもうトラックも自分で作っている点ですよね。トラック制作とラップを行き来しつつ一人でやっている?
YC:まさにそうです。まずは、ラップできそうなトラックになるまで作るんですよ。毎日5曲作ってると、5曲目で良いのができたな、ってなる。やっぱり、素振りが多い方が良いのができる。数をこなさないと質が上がらないから。それでラップを入れた後に、ここドラム要らないなって抜いたり色々編集したりしてます。
昔は、どうしてもタイプビートを買う方が早かったんですよ。もっとその前、僕がラップやりはじめた時は、リミックスカルチャーがすごく流行ってた。千葉(雄喜)もKOHH時代にめちゃくちゃリミックス出してたし、自分もやってて。そこでUSのラッパーをたくさん知ったんですよね。そこでカマした奴が、オリジナルのトラックに乗っけられる、っていう流れだった。だからタイプビートを使ってた時は、オリジナルトラックに乗せてる人にほとんど出会えてなかったんです。そういうのもあって、もう自分で作った方が早いんじゃないかと思って作りはじめた。DAW触ってるとゲームしてる感じになるんですよ。楽しくて仕方ない。
―へぇ! そこまでヤンココさんがトラックメイキングにハマっているとは知りませんでした。
YC:以前は、英語が苦手で全然喋れなくて。でも向こうの人と仕事はしたいじゃないですか。そうなった時に、DAWって使い方自体は共通だから、やり方だけ覚えたら一緒に曲録れるなって思って。最初はレコーディングから始めたんですよ。そのあと、トラック制作もやるようになった。
―DAWが言語の代わりになっていると。
YC:そうですそうです(笑)。
VERDYや東京への思い、今こそ関西の土臭さ
―先ほど地域性の話が出ましたけど、今作では「123」「Satellite」といった曲で、東京拠点のトリオバンド・gliiicoとも組んでますね。
YC:VERDYと出会った時と同じくらいに、tokyovitaminのvickと知り合って、そこから東京の代々木にあるスタジオに入り浸るようになって。そこにgliiicoがいて、ずっと一緒に曲作ってたんですよ。実はロック調のアルバムがすでに完成してて。「Satellite」とかはそこに繋がるような曲ですね。gliiicoの長男のNicoも自分と同じAbletonを使ってて、それで一緒にやってます。
―スタジオ起点で、ヤンココさんの東京の人脈ができているんですね。
YC:そうです、入り浸ってますね。
―もともとVERDYさんに対しては、どういった点にフィールされたんですか?
YC:僕は世代的に、NIGO®さんとかTERIYAKI BOYZの動きってリアルタイムで触れられてなくて。カニエが日本に来ていたくだりとかも、YouTubeでアーカイブとして見る感覚だったんですよ。それで初めて間近で見たのがVERDYで、彼はたくさんのストリートの人をフックアップして海外にも紹介してるじゃないですか。スケートカルチャーに根ざしながら、日本で新しい音楽をやってる奴と海外でやってる奴を繋ぐ役割をしてますよね。それでVERDY主催でセントラル・シーを呼んだイベントに自分が出演できたり。色んな人が恩恵を受けていると思う。
―ヤンココさんの中に、関西をルーツに東京を経由して海外へ出ていくルートが出来つつあるけれど、そのきっかけにVERDYさんのつながりもあるんですね。
YC:海外で、「日本人だろ? 東京知ってるぜ」って言うじゃないですか。もちろん全員と時間があれば「俺は大阪から活動始めて」とか説明できるんですけど、そんな時間もとれないので、まずは「東京拠点で」って言う。もっと仲良くなればちゃんと説明するんですけど。そしたら「次、東京行った時に会おうよ」とも言ってくれるしコネクトしやすい。
VERDYとYoung Coco(Photo by Yuta Kato)
―作風や音楽性としては、今後はどんな方向に向かっていくのでしょうか。
YC:関西の土臭さを出していきたいんです。チーフ・キーフが流行ったのって、土臭さがすごいからだと思うし、とにかくチーフ・キーフって海外のどこに行ってもめちゃくちゃリスペクトされてる。シカゴと大阪って姉妹都市らしくて、そういう土臭さを反映した曲を出したい。今、グッチ・メインとかあの時代の曲をサンプリングする流れがめっちゃ来てて。イアンとかの世代がやってるじゃないですか。そう考えると、グッチとかはもうレジェンドになってきてる。若い子が、フレッシュだなって感じるようになってきて。いっぱいシャウトが入って、いっぱいガンショットが入って、というその土臭さが新鮮なんだろうなと。自分はそういうのをやりたいです。ルーツを見せていきたいんですよ。Datpiffでずっと曲を落としてたから、Datpiffに上げたい(笑)。
―レイジ・ドリル世代って、まず音の密度がすごいじゃないですか。90年代〜00年代のサウスってスカスカで、やたらバウンシーで。あれは、今の若い人たちにとってみたら新鮮だと思います。
YC:ですよね(笑)。僕も知らなかったんですけど、2000年初期に皆が使ってた機材って、これだけしか入れられないっていう音数の量が決まっていたんですよね。だから、少ない音でいかに渋くするかって勝負をしてたわけで。今って、いくらでも積めるじゃないですか。EDMの派生のレイジとか、トラック数積みまくりですよね。
―積めば積むほど、凝縮されすぎて同じに聴こえてきたり。
YC:そうそう、だからこそ今2000年代のニュアンスで作ったら逆にカッコいいってなるじゃないですか。しかも、当時から有名なビートメイカーのラインナップってあんまり変わってないんですよね。808 Mafiaがいて、そこにSouthsideやTM88がいて、メトロ・ブーミンが集まってグッチ・メインのプロデュースして……って。Lex Lugerもいて、となると主流の布陣ってあまり変わっていない。ヒップホップのカッコいいスタイルって、変わらずにそこにあるということ。そういった先駆者をリスペクトしないといけないし、その点が、自分が日本でヒップホップをやっていく上でリスペクトしているところでもある。影響も受けてきたしね。皆、そのあたりの人たちにヒントを得ますから。フレッシュなものって何? ってなったらまずあの周辺に立ち返る。
エイサップ・ロッキーにラップが届いた夜
―今後ヤンココさんは、日本のヒップホップシーンをどう変えていきたいですか?
YC:先月、神戸にライブしに帰ってびっくりしたんですけど、めちゃくちゃ若いラッパーが増えてるんですよ。ほんとにすごい。それは、うちらや上の世代がイベントをどんな時代でも続けてきたからだし、ああいうのを見ると、地元ももっと活性化させたいと思いました。地元に影響を与えるアーティストになりたい。世界も大事だし、地元も大事。あと、海外のアーティストと仲良くなって日本に呼ぼうってなっても、ファンがヒップホップの楽しみ方を分かってなかったら呼べないと思うし。俺の地元に来たらいつでも大丈夫だぜってなるためにも、ちゃんと活性化させたいです。とにかくカルチャーを残すのが大事。ロックのライブでモッシュがすぐ起きるように、ヒップホップもちゃんとカルチャーとして残していかないといけない。
Photo by Yuta Kato
―素敵ですね。そんなヤンココさんが、若いラッパーにメッセージを伝えるとしたら?
YC:好きか好きじゃないか見極めた方がいいと思います。カッコつけるためにやるならマジでやめた方がいい。本当に音楽が好きじゃないと続けていけないし、有名になりたいって人だと、一曲売れても何もルーツがなければそこから見せるものがないし。昔、先輩に「好きなことやってる奴には勝たれへん」って言われたことがあったんですよ。「ココは好きでやってるやん。もうそれには絶対勝たれへん。たまに、曲作ることが苦になってる人がおるやん? そういう奴は、ココには絶対勝てん」って。ファンが待ってるから、〆切が迫ってるから、じゃ無理なんですよ。俺はもう、音楽好きすぎて作りまくって、ファンに聴かせられてない曲の方が多いから(笑)。好きがあふれちゃってるんですよね。バズりたいとかの気持ちでやってる人には、ほんまにそんな甘くないよって伝えたい。本当に好きなのは何か?ってことを考えた方がいい。映像が本気で好きだったらそっちに行った方がいいし、絶対にそうですよ。
―ヤンココさんは、最近だとどんな瞬間に「やっぱりラップ好きだわ!」と思いました?
YC:タイで、ローリングラウドが終わってからエイサップ・ロッキーとセッションして、「お前やばいな!」って言ってもらえたんですよ。お互いの曲を聴かせ合って、彼の新曲も聴いたし、俺も日本語で本気でラップした。彼の目を見て気持ちで絶対伝えようって。夜中の3時から朝までセッションしたのかな。なんか、あの人らの輪の中に自然に入って遊んだ感じで。
その時思ったのは、もちろん生活水準は違うんだろうけど、遊び方は全く一緒なんですよ。曲作ってラップしてRECするっていう。ボイスメモでフリースタイル録ったりね。俺らとやってること一緒やんって思って、なんかめちゃくちゃアドレナリン出た。なんやこれ、めちゃ楽しいなって。もうね、本当に最高だったんです。俺、今までやってきたこと間違ってなかったわって思ったし、俺の声、ほんまにロッキーに届いたんやなって。嬉しかったし、彼が連れて来てたラッパーも皆カッコよかった。それで、次の日寝ないままやる気がどんどん出てきて、起きてホテルのジムでワーク・アウトして「WOKE UP」を録ったんですよ。最高の瞬間だった。
―うわぁ……めちゃくちゃいい話ですね!
YC:海外の人たち、今どこに行っても皆が東京に注目してるんですよ。色んなラッパーが日本に来てるし、SNSですぐ繋がれるし、NettspendやUzi(リル・ウージー・ヴァート)も日本に来てたじゃないですか。トラヴィス(・スコット)もタイラー(・ザ・クリエイター)もツアーで日本に寄るし、そうなったらストリートの奴らはみんな日本に興味持つから。いま、すごく注目度は高まってると思います。
Young Coco
『BIG C』
再生・購入:https://lnk.to/youngcoco_BIGC
Young Coco ONE MAN
2025年5月3日(日)
OPEN:17:30 ※開演時間
会場:KOBE Harbor Studio
兵庫県神戸市中央区波止場6-3
入場無料