JR西日本は9日、尾田栄一郎氏原作『ONE PIECE』の世界観を表現した「ONE PIECE 新幹線」の第1編成「せとうちブルー号」を報道関係者らに公開した。4月12日から運行開始し、山陽新幹線(新大阪~博多間)でおもに「こだま」として運行される。
今年3月に全線開業50周年を迎えた山陽新幹線で、「新たな乗車体験」「沿線地域の魅力」を楽しんでもらうべく、「ONE PIECE × 山陽新幹線」プロジェクトが始動。『ONE PIECE』の世界観を表現した「ONE PIECE 新幹線」3編成が順次登場する。「こだま」などで活躍する8両編成の700系を使用し、外装・内装ともにそれぞれ異なるオリジナルデザインを施す。
第1編成の「せとうちブルー号」は、プロジェクトコンセプト「いざ、偉大なる線路(グランドレイル)へ!」から着想した「せとうちの海を走る新幹線」としてデザイン。「せとうちへの旅」をテーマに、外装は海をイメージしたブルーのデザインとし、ルフィら「麦わらの一味」を中心に多くの『ONE PIECE』キャラクターを配置した。描き下ろしのイラストを使用し、人気キャラクターたちと冒険に出るストーリーで山陽新幹線の旅を盛り上げる。
内装も各所にオリジナルデザインを施した。普通車の座席は、ヘッドカバーをすべて「ONE PIECE 新幹線」のオリジナル仕様に。客室ドアと乗降ドアに外装とリンクしたラッピング(複数種類のデザインを用意)を施し、ドア付近の広告枠も「ONE PIECE 新幹線」のオリジナル仕様としている。一部の洗面台において、鏡を手配書デザインとすることにより、「お客様自身が手配されている雰囲気」を楽しめるという。
各駅発着時に流れる車内チャイム・メロディは、テレビアニメ『ONE PIECE』の初代オープニングテーマ「ウィーアー!」を使用。「誰もが口ずさめるあのフレーズを、新幹線のチャイムにアレンジ」するなど、『ONE PIECE』の世界観を音声でも表現している。あわせて車内放送(一部駅の発着時のみ)にアニメの声優を起用。第1編成「せとうちブルー号」では、ルフィ役の田中真弓さんが「旅へのわくわく感」をかき立てる呼びかけを行う。
報道公開でお披露目された「せとうちブルー号」(E13編成)は、車体カラーのブルーが色鮮やかで強い印象を与えた。車体カラーのブルーは塗装、車体に配置した『ONE PIECE』のキャラクターや窓下のラインなどはラッピングだという。報道公開の当日に完成したばかりとのことで、囲み取材に応じたJR西日本鉄道マーケティング部担当部長の竹澤徹氏も、「思った以上に青く映える車両。実物を見て、改めて良い車両だと思いました」と語った。