同じことを何度も言う人に対して「しつこい」とイライラしてしまう、このような経験をした方は多いのではないでしょうか。今回は、同じことを何度も言う人の心理や、何度も同じ話を聞かされてイライラしたり疲れたりしたときの対処法を紹介します。
同じことを何度も言うしつこい人の心理
まずは同じことを何度も言うしつこい人の心理を紹介します。感情を理解することで、よりよいコミュニケーションを築くための第一歩になります。
共感・同意してほしい
同じことを何度も言う人の心理で代表的なのが、「共感してほしい」という欲求。自分の意見や考えが他者から認められることによって、安心感や自己肯定感を得られるのでしょう。
たとえば、「私はこれが正しいと思う」と繰り返し主張する人は、何度も繰り返すことで相手の賛同を得ようとしていると考えられます。
プライドのあらわれ
自分のプライドにより、何度も同じことを言っているケースもあります。自分の意見や発言は、単なるコミュニケーションの手段ではなく、自分の価値を示すためのものだと捉えているのでしょう。
たとえば、会議の場で自分の意見を繰り返し主張する人は、自身の考えを他人に深く印象づけたいと思っている場合が多いです。自分の存在感を示して、自分が周りよりも優位にいることを示したいと考えている可能性もあります。
緊張して頭が混乱している
ときには、緊張やストレスが原因で、同じことを繰り返し言ってしまうこともあります。緊張状態に陥ると頭の中が混乱し、自分がなにを話したのか、なにを伝えたいのかがわからなくなることも。その結果同じ発言を繰り返し、自分の考えを整理しようとするのです。
そもそも話したことを忘れている
そもそも話したことを忘れて、何度も同じことを言ってしまっていることケースも考えられます。同じ話を多くの人に伝えている場合、誰に話をして誰に話していないのか忘れてしまうというのは、誰でも共感できるのではないでしょうか。
同じことを何度も言うしつこい人にイライラした・疲れたときの対処法
同じことを何度も言う人に「しつこいな」とイライラしても、相手に指摘するのはなかなかハードルが高いですよね。
ここでは、同じことを何度も言う人にイライラしたとき・疲れたときの対処法を紹介します。
序盤に「前に言ってたね」と相槌をする
相手が同じ話をし始めたタイミングで、相槌をうちながら「あ、前に話していたあの件だよね」とさりげなくアピールすることで、相手が繰り返し同じ話をするのを抑止できます。相手がそもそも話をしていたことを忘れていた場合は、思い出させることもできます。
「相手を不快にしないかな」と心配になるかもしれませんが、気にしなくて大丈夫。むしろ「前に話していたことを覚えてくれていたんだ」と、相手に喜んでもらえることが多いです。
とにかく聞き役に徹する
まずは、相手の話を丁寧に聞くことが基本です。意識的に同じことを何度もいう人の多くは、自分の考えや感情を誰かに認めてほしい、共感してほしいという気持ちを抱いています。この欲求を満たしてあげることで、相手は何度も同じ話をするのをやめるかもしれません。
たとえば、相手の話にうなずきや相槌をはさみながら聞くと、相手は「自分の話を受け入れてもらえている」という安心感を得られるように。ただし、単に受け流すのではなく、相手がなにを伝えたいのかをしっかりと理解しようとする姿勢を示すことが大切です。
質問をすることで話題を変えてみる
同じ話題が何度も繰り返される場合は、意識的に相手から新しい話題を引き出すのもおすすめです。ただしその際は単に話題を切り替えるのではなく、相手の話の内容に関連した新しいトピックをもちだすことで、自然な流れをつくることを心がけましょう。
たとえば、相手が何度も同じ旅行の話をする場合、「その旅行で1番楽しかったことはなんですか?」と質問を投げかけることで、話題の方向を変えつつ相手に関心があることを伝えられます。
話を整理して伝える
同じ内容が繰り返される場合、その話を整理して相手にフィードバックするのも効果的です。たとえば、相手が話した内容を要約し、「つまりこういうことですね」と確認することで、相手に「自分の話が理解された」という安心感を与えられます。
この方法は特に話が長くなりがちな場合や、要点がわかりづらい場合に有効です。要約する際は「あなたのおっしゃるのをまとめると、こういうことで合っていますか?」といった形で、相手の意見を尊重しながら伝えるようにしましょう。
距離を取ってみる
どうしても対処が難しくて精神的に疲れてしまった場合は、適度な距離を取るのも選択肢のひとつです。
同じ話を繰り返し始めたタイミングで「少し用事があるので」と自然に会話を中断したり、対面でのコミュニケーションを一時的に減らしテキストベースのやり取りに切り替えたりするのもひとつの方法です。
これにより、相手との接触回数を調整し、自分自身の負担を軽減することができます。
同じことを何度も言う癖を改善する方法
「自分も同じことを繰り返し言ってしまう……」と悩んでいる方に向けて、同じことを言う癖を改善する方法を紹介します。
自分の癖を客観的に知る
まず、自分自身を客観視することが必要です。同じことを繰り返し発言している瞬間を振り返り、その理由や背景を深く考えてみましょう。
たとえば、「なぜこの話題を何度も言ってしまうのだろう?」と自問するだけでも、癖に気づきやすくなります。また、周囲の人にフィードバックを求めるのもおすすめ。「わたし、同じ話をしてない?」と尋ねることで、周囲の協力を得ながら自分を変える機会をつくれます。
相手に意識を向けて話してみる
話す際に、相手の反応に注意を向けることも重要です。相手の表情や態度を観察することで、自分の言葉がどの程度受け入れられているかを把握できますよ。
論理的に話すのを心がける
何度も同じ話をするのを減らすためには、論理的に話す力を養うことも効果的です。話の前に要点を整理し、伝える内容を明確にすることで、何度も同じ話をするのを避けられます。
沈黙を恐れない
緊張しているときは、沈黙が気まずくなって同じことを繰り返し言ってしまいがちです。「沈黙になってもいい」と頭の隅に留めておくことで、同じ話をしないように意識が変わるでしょう。
同じことを何度も言う人を理解して円滑なコミュニケーションを
同じことを何度も言う人に「しつこい」と感じたら、まずは相手の心理を分析してみましょう。相手の心理を理解できれば、適切な対処ができるはずです。
イライラする前に、まずは対処法を実践してみてくださいね。